サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

アニメ業界で制作として働いた体験から今後を考え、改善案を提言

こんにちは。

 

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今日のブログのテーマはアニメ業界への提言。

 

 

アニメ業界の疲弊にみんな無頓着すぎた! 

www.excite.co.jp

 

 ぶっちゃけて言うと、もう20年以上前から労働環境の苛酷さなどで人手不足に陥っていたアニメ業界で、作品の制作スケジュールの崩壊を理由に放映延期になる番組が増加。10月から放送予定のアニメ番組が今月だけで3本も放映延期になったとの事。

 

アニメ業界の人手不足 / 過酷な労働環境は限界

 上記のように以前からこのブログでも何度か書いてきたことだけど、20年ほど前の20代の頃に、ある大手の制作会社で契約社員の身分でアニメの制作に携わりました。その頃の労働環境などについてはもう過去記事で何度も書いているのでここで述べませんが、心ある業界人には労働過多で薄給なこの職業で人が足りなくなり、深刻な人手不足に陥った挙句、制作体制が成り立たなくなっていくことを憂いている人もいました。でも、このギリギリな環境を打開できる手がないのでどうしようもない。そんな諦めの中に業界はありました。僕自身、末端の制作だったけどこの環境を見ていて「アニメ業界ってマジでヤバイ」っていう危機意識を強く持っており、先輩について仕事を覚える立場ながらいくつかその危機意識を語り、改善案を上司に提案させてもらったこともあったけどあたりまえながら上司には「生意気いうな!」と怒られるだけ。結局のところ、僕は会社から「お前いらない!」っていう話になって、アニメ制作をフェードアウトすることに。下記リンクのブログを読む限り、僕が業界にいた20年前と現在を比較してもそんな変わってないんだなと、ため息をつきたくなります。

 

be-be-blog.com

 

※ただ、アニメ業界もシステマチックな工程に基づいて作品を作る「産業」なんだからやる気になれば改善なんていくらでもできるんですよ。やらないのは上記のブログ記事にあるとおり単なる怠慢。

 

 そんな立場にいた自分からすると今回のこういった話題は「ざまぁみろ!」と叫び、あざ笑ってやりたいところです。だけどその一方で僕自身もたくさんのアニメを見て育ってきたこともあるためアニメ業界について複雑な思いはあれど、その世界で頑張ろうという若い人を応援したい気持ちもあります。そこで参考になるか分からないけど、自分が制作時代に心がけた事や会社に提言をした事を幾つかこのブログで書こうと思っています。

 

 自分の経験からアニメ業界で改革に取り組むべきは以下3つ。

 

①社会人意識
②業務の契約の書面化
③制作スタッフの業務効率化

 

具体的にそれぞれの項目について語っていきましょう。

①社会人意識

 まず①について。これは時間を決め、その予定に沿って行動する意識。さらに一般常識の欠如についての自覚を指しています。僕がアニメ制作会社に入社した頃、制作部の人たちは出社時間がひどくまちまちでした。定時で来る人もいれば昼頃になって会社に来るのが当たり前になっている人、残業などのため自宅に帰れず会社に泊まる人。そんな人が常に出入りしているためすごく時間がルーズになっている印象がありました。もうひとつ気になったのが、身だしなみのだらしなさ。いつも皺くちゃな服に汚れている靴。電話対応時の汚くて教養のなさそうな言葉づかい。どれもこれもが大人に思えなかったので、新入社員の僕は周囲の連中を何度怒鳴りつけてやろうか?と思うほど呆れていました。
 

 制作会社の制作進行というのは単なるスケジュール管理者ではありません。音声や背景画作成、フィルムの撮影、映像編集など別セクションを請け負う他の会社を回ったりする会社の顔、いわば『営業』であってそこの制作がだらしなかったら=会社のだらしなさという判断にも繋がる。だから、振る舞いをきっちりしなくてはいけないのではないか?ただ、それを周囲に訴えてもまともに相手にはされないため自分だけでもと思い、社会人のマナー本などを参考にそれを実践。入社以降もスーツを着続けるほか、丁寧な口調の電話応対、言葉づかい、整理整頓などを心がけました。そこを律していけば少なくても相手は自分のことを甞めないだろう。ひいてはあの会社のAMっていう制作はきっちりしているのでいい加減な仕事はできない。そう思わせて仕事に主導権を握ってやるんだ!と考えて。
 

 ただ、出社時のスーツは上司に「不規則な業務で大変だから着てこなくていい」と注意を受けたためスーツ着用については途中でみんなに合わせましたけど、せめて口調だけはと思い、丁寧な応対だけは続けました。といっても普段の言葉づかいに気をつけたり、中途採用で面接に来た人にお茶を出す程度のことなので、さほど大したもんでもありません。だけども、僕のいた会社はそんな事さえまともにできない人たちの集まりでした。それを続けた結果、どうなったか? 電話の応対を聞いた先輩は『株式会社〇〇制作部AMでございます』といった名乗りを聞いて「あいつの口調はサザエさんの名乗りみたいで変」と僕を笑っていたようです。面接者にお茶を出した事も「そんな奴はよく会社に来るんだから、わざわざ相手にしなくていい!」といわれたり。やがて『会社でお前は浮いているからそういうのはやめろ』と言われました。

 まずは自分の態度を律して周囲へ意識改革を訴える。考えてみたら生意気でムカつく新入りだっただろうとも思うけど業界を離れた現在、IT業界で社会人やっていてもあの業界のだらしなさはどう考えてもおかしい。この僕の提案が参考になると思ったアニメ業界の関係者の方がいらしたら、ためしに制作部できっちりした身なり、言葉づかいの改善などのため社会人マナー研修を実践してみてはいかがでしょう。おそらく講師の先生からひどく注意を受ける事になるだろうけれど、それこそアニメ業界の常識=社会の非常識だという認識につながり、社内や業界の空気を変革させる最初の一歩になると僕は思います。

 

②業務の契約の書面化

 続いては②について。先ほどアニメ業界の常識=社会の非常識と述べましたけど、その非常識の中で最も問題なのが「契約意識の薄さ」だと僕は考えます。アニメっていうのは基本的に制作会社がフリーの監督、演出、作画等のセクションに業務を委託後、各セクションでのスケジュールの舵取りを行います。結局のところこの舵取りが破綻してアニメ制作スケジュールが遅れる事となる。この大きな原因になっているのがフリーのスタッフたちの作業遅延です。脚本、コンテ、原画、動画などなど、フリーのスタッフにお願いをしているセクションで作業が伸びたため、この後の予定が後ろにずれ込んでいく。その後ろにずれ込んだスケジュールを制作で知恵を絞り、毎週毎週ギリギリで帳尻を合わせるというのが業界の「あるある」。

 

※あ、ちなみに背景や動画、音声など会社単位でお願いしているセクションでは、作業が遅れているっていう話は自分の経験上、ほとんどありません。

 フリー契約のスタッフはその作品単品だけでなく、ほかの作品も掛け持ちで並行で作業にあたっています。たとえば原画だったら作品Aの12話で原画12カットを担当(1カットあたり4000円)。他会社の作品A`20話で原画を14カットを担当。(1カットあたり3500円)

4000×12=48000円
3500×14=49000円
-------------------------
合計    97000円

 

※実際には請け負っている作品はもっと多いだろうけどこんな感じで。

 結局のところ単価が安いので多くの仕事を受けなくては生活できない。そのために自分のキャパを超える量も受けざるを得なくなり、作業が追いつかなくなり、お願いも口約束なのでその辺が「なぁなぁ」になっていく。フリーのスタッフの方々の事情も理解できるんですけど、アニメっていうのは単なるものづくりじゃなくて、「産業」である以上は遅れは許されません。だからこそ「契約書文化」を根付かせるべきと僕は考えています。クリエイターだから遅くなって当たり前とか、そんなことをいっていたらものづくりなんてできないとか甘えるなバカヤロウ!考えてみたら野球選手やサッカーの選手だってフリーの身であり、各チームとの契約を交わしてチームの勝利に貢献をするという業務にあたるプロフェッショナルです。なのにアニメという現場はそれぞれのプロと契約書を交わさずに口約束でお願いしている。それってよく考えたらとても変な話なのです。 ただフリーの方々はたったひとつの作品の業務に定着させられたらたまらないと思うでしょう。そこでフリースタッフに「他の作品の約束を蹴ってでも、この作品の業務を続けたい」と思ってもらえる条件を制作会社も提示する。

たとえば

①作品全話で原画を全部担当(本数はそのエピソードにより変更)。
②作品全話トータルの依頼で260万で契約(エピソード1本あたり10万で契約)。
③期日より作品を早くアップさせたら、インセンティブボーナス発生。
④但し作品のアップが遅れたらその遅延状況により減額。
⑤業務スケジュールを破綻させるの遅延発生には契約解除と違約金発生。
⑥この契約に支障をきたさない前提で、他会社の依頼も認める。
⑦契約の内容については口外しない。

 今、思いつきでこれを書いたけどもっと練り込んでいけたらフリースタッフには仕事と報酬の安定、制作にとってはスケジュールの安定。この両者の利害を一致させるような話だってできると僕は思っています。今述べた契約案では原画の単価がおよそ2倍になっているので「高い」と思われる人もいるでしょう。けど、契約によりスケジュールの透明化を図ることでどれだけの時間と他の予算を確保できるかを考えたらこの金額だって安いくらいですよ。こういう取り組みが業界に置いてもはや一般的だったら僕の不勉強なんだけども、そういうことをまだ実践されていないんだったらぜひ考えてみていただきたいです。 

③制作スタッフの業務効率化

 そしてある意味で自分の経験上、最も伝えたい③。これについて語る前に経済産業省によるアニメ制作に携わる人々の待遇や労働環境のヒアリング調査・アンケートをまとめたアニメ業界関係者の労働実態調査の報告書を紹介。

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/downloadfiles/houkokusyo.pdf

 全部で167ページにもわたり、制作における会社間契約および会社と個人事業主契約についてかなり細かく調査されているので興味ある人は目を通して欲しいとは思うものの、やはりこの業界の「契約」っていうものについての意識の低さは問題だと思わざるを得ません。このあたりの話はこのアンケートを熟読していずれあらためて考えてみたく思います。

 前項で僕は会社とフリーのスタッフ間に「契約書」を発行することを徹底させるべきと述べました。契約によって制作会社は原画スタッフの確保と制作スケジュールの安定。フリースタッフはある一定の仕事量と報酬などの確保。この両者間の利害を一致させる事が大事。酷い物言いだけど「制作はお金で時間を買え!」と僕はいいたい。そうやって時間を工面することでアニメ業界の潤滑油となっている「制作進行」の業務拘束時間を軽減させること。作画スタッフの低賃金とか人手不足とか問題はその他にも多いけども、この制作業務を改善しなくては時間やモノをうまく回せません。

 

 制作の業務というのは多くの小説やアニメの題材になっているので、どういう業務なのかアニメ業界について興味を持っている人は想像できるだろうと思います。 原画、動画、背景画などの素材の締切日を決め、それらを集め音声の録音(声優のアフレコ)までに映像フィルムを作る。まずはコレ。声優さんは脚本片手に映像を見ながら担当の役の声を吹き込みます。このアフレコのタイミングに映像がなけりゃ話になりません。このため制作はあらかじめ設定されているアフレコ日までに原画、動画などをアップさせて、そこに彩色を施して放映できるレベルの映像をつくることを目的とします。ただ、殆どその通りにはならないけど。たいていはアップさせた原画や一部の動画を撮影、彩色して映像フィルムを作り、声優のアフレコ。音声データを作っておき、未完成の原画や動画などをあらためて撮影してその部分を差し替え。そうやって完成させた映像と音声のデータをマージさせフィルム完成。

 ※そういやアフレコの日まで原画が全然できていないというケースも過去ありました。そういう場合には原画のL/O(レイアウト。下書き)を撮影したり、ひどい場合には絵コンテのコマを切り取って撮影っていう事もある。

 

 そういう過酷な業務なんだけど、最近はアニメ制作現場をテーマにし辻村深月さんの小説ハケンアニメ!」 

 

アニメの「SHIROBAKO

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 など、これらの作品が話題になったこともありアニメ業界への注目や希望者が増えている印象です。これらの作品については物語チラ見程度で確認しましたが、まぁファンタジーだよね。という以外の感想を持てません。っていうよりも、制作の辛い経験だけが頭をよぎるので最後までこれらの物語を読めないというのが経験者である僕の率直な感想。どの物語も主人公は「女性」ですけれど、そもそもこのアニメ業界、女性の比率は決して高くない!僕に言わせりゃ、そこからしてまずファンタジー。女性の主人公が困難や挫折を乗り越え・・・明るい未来へGO!または「お仕事は辛いけど、やっぱり私、アニメ作りが好きなんだ!」とかいったオチになっていりゃ、そりゃお話としちゃ面白い。けど僕の体験だとアニメ制作業務と生活ってこんな感じでした。

 

①朝09:00に起床
②朝10:00に出社~翌朝の05:30まで勤務
③朝06:00に就寝

 

①~③のサイクルをただ延々ループ。ごくまれに深夜03:00頃に仕事が終わると「おぉっ!今日の業務、思っていたよりも早く終わったんだな」と上機嫌!!

 

 こんなふうに朝の10:00に出社して、帰宅が翌朝6:00。んでもって3時間ほど寝てまた10:00に出社。こんな生活を続けていたら誰だっておかしくなる。この制作の勤務時間を長くさせているのが業後の原画回収です。制作としての業務的な打ち合わせや交渉などはたいてい勤務時間で収まるんですけど、業後に都内や埼玉県の周辺を車で走り回って原画など撮影素材を集める「回収」業務がほんとにつらい。夜6:00に会社を出発して、戻ってこられるのが終電ギリギリかひどい時には徹夜。このため制作会社では車の事故も多く、僕も車の運転途中の居眠りで中央分離帯に乗り上げた事がありました。ちなみにアニメ制作会社っていうのは伝統的に青梅街道沿いに多くあるため、青梅街道で深夜に車の事故があったらアニメ業界の関係者だと思えという話もあるんだけど、この話だけでも制作の過酷さは伝わります。
 

 アニメの制作さんというのは、いってみれば潤滑油。だからここが濁るとスケジュールやモノの流通がメチャクチャになり、アニメ制作そのものの破綻に繋がります。この制作の負担軽減策として僕は「夜勤シフト制の徹底」を提案したい。会社に制作進行スタッフが7人いたとしたら、5人は通常時間の10:00~19:00勤務。残り2人は18:00~6:00までの「素材回収」だけを業務目的とした深夜業務。この業務を当番制で割り振っていく。これを徹底させるだけでもかなり違うと思う。僕の経験は古い話なので現在は夜勤シフト制みたいなしくみが当たり前になっていたりもする可能性もあるんだけどもしも制作業務の軽減という課題を抱えている会社があるとしたらぜひ、お試しいただきたい提案です。
 

アニメ業界の労働環境改善=業界ステータス向上である

 そして結局のところ、アニメ業界全体の業務改善は「アニメのお仕事」の社会的なステータス向上にもつながっていき、その結果として離職率の低下や将来有望な人材の確保という形となっていくのではと思う。あ、ちなみに僕は上記のスケジュールのサイクルを一ヶ月続けたため貧血で倒れました。それほどまでに大変な業務であるにも関わらず、この業界の仕事や経験っていうのは社会的にさほど高く評価されていません。先程から述べてきた通り、アニメ業界における「制作」は高度なヒューマンスキルが求められる業務であります。制作担当は原画、動画、処理(原画、動画の色付けなどの事)背景、素材撮影、映像編集、音声、録音、音声と映像の合成など各分野の締め切りを全部把握したうえで、数十人のスタッフたちと連携を取らなくてはいけません。各セクション間の潤滑油になって動くには高いコミュニケーション能力、交渉力、制作業務の先の先を見通せる想像力、臨機応変に動くための判断力などが重要であり、これらの能力を駆使するアニメ業界の仕事は数多くの業界を渡り歩いてきた僕の経験を振り返っても、かなりハードでした。アニメ業界の経験は他業種でも活かせるものは多いのに、その経験はハッキリいって他の業種の人には評価されません。アニメ業界を辞めた時、別の業界へ進むべく履歴書を書いても会社の面接に進めたという事が圧倒的に低かったのです。こんだけハードな仕事をしてきたんだからどこかで評価されるだろう!というのは僕の甘い考えでした。たぶん理由は、アニメ業界に対しての先入観や偏見などが強いからでは?と僕は考えています。アニメの業務はやたらキツイっていうイメージが広く認知されているけど、同時に「オタクっぽい」という印象も強い。皆さんはどうでしょう?アニメ業界に勤めているっていう人がいたら「オタク」っていうイメージをその人に抱きませんか?もしかしたら時代も変わっており、そのイメージも昔ほど強くないかもしれません。ただ10年近く前はアニメ業界勤務の経験が再就職に不利に働いているのではと思わざるを得ないことが何度もありました。まぁもっとも僕の能力が低かったため履歴書を読んだ会社の採用担当が業務云々ではなく、僕に魅力を感じてなかっただけかもしれませんけど

 

 「SHIROBAKO」や「ハケンアニメ」などの物語を見て、「私もアニメ業界に就職したい!」と思っている子が僕の身内にいたら、僕は全力で止めます。人生を棒に振るな。アニメは作るものじゃなくて、観るだけのものにしておきなさい、と。淋しい話だけどもね。それでもアニメ業界で働きたい!という人のために制作会社選びのポイントを紹介。

 

 

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www.amgakuin.co.jp

ゴメン、俺コレを20年前から言ってた。だけど業界はそんな俺を笑っていた。アニメの世界だけでなく人口減のため、多くの業界で人手不足が騒がれている時、過酷で悲惨な労働環境で知られるアニメ業界にどれだけの人が来てくれるか?

 

 


 

 

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※アニメ業界自体が本気で問題改善を行わないのに、こういった物語で「夢」だけを煽るのって犯罪みたいなもんだと思うんだけどね。現在のアニメ業界、多少は変わっているのかなぁ。

 

ファミコンのディスクシステムを思わせる、パソコンのゲーム自動販売機

こんにちは。

 今日のブログのテーマは「ゲームの自動販売機」。

 

 

ビンボー小学生の味方「ファミコンディスクシステム

 ゲームソフト一本あたり数千円前後のため、簡単に買えずにいた僕らの小学生時代、お手軽な価格でゲームを遊びたいという希望を叶えてくれる夢みたいなファミコンの周辺機器がありました。その名も「ファミリーコンピュータディスクシステム」。

 

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従来のファミコンはカセットタイプのソフトを本体に挿入して遊ぶ形式でしたが

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 このディスクシステムで使うソフトは、パソコンのフロッピーを模した両面にデータを書き込めるディスクカード。

 

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 このディスクカードをファミコン本体の下に接続したディスクドライブに挿入して遊ぶ仕組みでした。このディスクシステムの最大のウリは「ゲーム書き換え」。ゲームに飽きたらこのディスクカードを近隣のおもちゃ屋に持って行って、お店にあるディスクライターで自動販売機のように500円でゲームを書き換える事ができたのです。以下の画像はゲームの書き換え時のディスクライターの画面。まさか動画であるとは思わなかったわ。

www.youtube.com

 

 この当時、ファミコンの主流は高額なカセットタイプのソフトよりもこのディスクカードを使ったゲームに変わっていくんじゃないか?と思われていましたが、このディスクカードは表、裏面合わせても使える容量は896キロビット。これはこの当時のカセットタイプのファミコンソフトで使える容量のおよそ3倍だったんですけど、その後には技術の進歩により、カセットに使えるメモリの容量が増大。1メガビットから最大で4メガビットにまで達したこともあって存在意義を失っていきました。あと、500円でゲームを買えるというのも貧乏な子どもユーザーにとってウェルカムだったけどゲームのソフトメーカーについてはソフトの利益率も低いため、あまりありがたいものでもなかった。そりゃカセットタイプのソフトだったら定価4800〜6000円弱で売れるものが500円で販売されるとなったら旨味も多くありません。そんな事情もあったためディスクはだんだん衰退。そんでもって撤退となったのでした。

 

 数千円で売れるゲームを500円で書き換えるっていう価格設定がそもそもムリっていう意見もあっただろうけど、だったらこの価格が1000円だったらどうだったか?といったらたぶん、僕らは手を出さなかったと思います。需要と供給、そして技術の進歩。それらの要素がううまく噛み合わなかったためメインにはならなかったけれども、僕らの記憶に残る名ハードだったとは思っています。

 

パソコンのゲーム自動販売機 「TAKERU」

 さて本題。同時期にファミコンだけでなく、パソコンでも同じソフト販売のしくみがあったのを皆さん覚えているでしょうか?その名も「ソフトベンダーTAKERU

 

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ソフトベンダーTAKERU - Wikipedia

 

 パソコン周辺機器メーカーの「ブラザー工業」が1986年発売。全国で300店舗ほどのパソコンショップやパソコン売り場に置かれていたソフトの自動販売機です。ユーザーは空のフロッピーディスクを買い、それを上記の機器にセットしてソフトを選び、書き込む。その販売されるソフトは筐体の中にCD-ROMとして保存されていましたけれど、中にはISDNの回線を使ってダウンロードで販売というゲームソフトもあったそうな。1980年代〜90年代でそんな販売をしていたとは僕も知らず驚きでした。僕も高校生の頃、自宅にはNECの「PC-9801RX」というパソコンがあったためTAKERUでアドベンチャーゲームを買ったことがあるけけど、どんなゲームだったか思い出せません。

 

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自宅にあったのは中央の「5インチサイズ」。コレも十数年前までは現役だったのに。

BROTHER'S SPIRIT|ブラザーブランドコンテンツ|企業情報|ブラザー

 

あまりにも先駆的すぎてマイナーだったTAKERU

 TAKERUの開発者インタビュー。世間にはまだまだ知らない事がいっぱいだな。発売されていたソフトのラインナップをインターネットで調べてみると王道のアドベンチャーから18禁エロゲー、表立って発売できない同人ソフトなどラインナップもあって幅広い。この「TAKERU」というゲーム販売自動販売機。いつかこのブログの記事で紹介できたらと思いながらそのタイミングが掴めずにずっといましたけど、昨日こんなイベントが秋葉原で行われていたためタイミングは今しかないと思ったので、本日紹介。

 

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パソコンは「DOS」時代から使っているけどヘビーユーザーではなかったので、イベントに行きたかったかというと微妙ではあるけども。今思うとこのパソコンソフト販売機、エロゲーに絞ったエロゲー自動販売機として置いたほうがもっと普及していたかもね。

  

 ※本で調べたり自分でパソコンを作ったりしてインターネットに繋いだのはもう10数年前。今やタブレットスマホでいつでもどこでも常時ネット接続。このあたり前になった環境ってほんとスゴイことなんですよマジで。

キッコーマン豆乳飲料を買いまくりレビューしてみた

こんにちは。

   本日のテーマはキッコーマンの「豆乳飲料」。

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   1979年の発売から現在まで、日本で愛飲されるロングセラー商品です。あ、ちなみにこの商品は発売当時、おでんの具材などで有名な「紀文」という食品メーカーの傘下だった「紀文フードケミファ」という会社が製造していましたけど、この会社は2004年に紀文が醤油メーカーのキッコーマンと業務提携することになり、キッコーマンに株式譲渡したため2006年にキッコーマンソイフーズ株式会社に社名を変更。以来、キッコーマンブランドとして販売されています。

    でもってこの豆乳飲料。以前からどれだけの種類を揃えているんだろうと思っていたこともあったので調べてみました。同社で販売している豆乳はこの3つに分類されています。

 

1、豆乳

大豆と水で作り、大豆固形分8%以上、大豆タンパク質3.8%以上)

 

2、調整豆乳

豆乳に砂糖や油脂を加えた飲料。大豆固形分6%以上、大豆タンパク質3.0%以上)

 

3、豆乳飲料

豆乳に果汁や紅茶等を加えた飲料。果汁入り製品は大豆固形分2%以上で、大豆タンパク質0.9%以上。その他の製品は大豆固形分4%以上で大豆タンパク質は1.8%以上。

これらを合わせるとだいたい40種類弱。

www.k-tounyu.jp

 

 ラインナップを見る限り、コレって多分季節によって販売する商品を変えているんで、同時に全部の種類を揃えるのはかなり難しいだろうと思います。今回は自宅近所のスーパーで扱っている以下の12種類を買い揃えてみました。

 

・おしるこ
・黒ごま
・フルーツミックス
・アーモンド
・抹茶
・紅茶
・バナナ
・アップルパイ
・焼きいも
・マロン
麦芽コーヒー
・白桃

 そんでもってこれらを飲み、レビューを行おうと思ったんだけど・・・結論を言うと失敗。誤解してもらいたくはないんですけれど商品自体はどれもおいしいんですよ。ただいくつか飲むうちに、ふと僕自身気づいてしまった。どれもこれも結局は豆乳と別の食品の風味をブレンドさせた「豆乳オレ」であることに。

 だから、おしるこだったら単純に「豆乳+おしるこ」。アーモンドだったら「豆乳+アーモンド」といった具合いだったので、どの商品も豆乳の風味でまろやかになった別の食品の味でしかない。立て続けに数本飲んでいて飽きちゃいました。

 

 今回の検証結果としては「キッコーマンの豆乳飲料は単品で美味しく飲めるけど、まとめて飲むと飽きる」。という結論にたどりつきました。まぁそもそもまとめて飲むという商品でもありませんからね。自らの立案を全否定する形になってなんだかなぁという感じになりましたけども本日はこれにて。

  

 

※まとめ飲みはおすすめできないけど、数日に分けてだったら美味しく飲めました。

 

それどこ大賞「買い物」

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コラアゲンはいごうまんの本を読んで、多様性について考えてみた。

こんにちは。
 先週末から土日にかけて、会社出張で東京を離れていました。その出張先に向かう道中の電車で読む退屈しのぎで買ったこの本。

  

 

 やっぱりというか、これめちゃくちゃおもしろい!僕のブログの古い常連さん(古いといってもブログ3年めだけど)は僕が中学生だった頃にワハハ本舗の社長兼演出を務めている「喰始」さんとお会いした事で、半年ほど物語やギャグの作り方を直接ご指導いただいたことをご存知でしょう。プロにならなかった僕だけど、同じお笑い界の大御所の薫陶を受けている人という意味で、この「コラアゲンはいごうまん」という芸人さんには注目していました。

 

コラアゲンはいごうまん - Wikipedia

 

 このコラアゲンはいごうまんさんのトーク喰さんやファンの掲げるテーマに則した事象を取材して、その体験を漫談にして語るという独特なもの。 

①SM女王の奴隷募集試験を受けてみる。
後期高齢者がソープ嬢として働く風俗へ行く。
③食べ放題なのに食べ過ぎると怒られるケーキ屋のお話。
④「全国穴掘り大会」なる珍妙な大会に参加して練習中「不発弾」を掘り出した。

こんな具合のエピソードが本には29本収録されております。 

 

 さて、このコラアゲンはいごうまんさんですが、この独特な芸風を誕生させたお話もまた、ユニークなものです。大阪でどんな芸をやっても芽が出ず悩んでいたコラアゲンさんは14年前に上京。ワハハ本舗に加わって、ネタを喰始さんに何度も見せたもののほめられた事も殆どなく、ついに最後には喰始さんから「あなたはネタを考える才能がない」と、芸人にトドメを指す通告を受けることに。その時に芸歴15年を数えていたコラアゲンさんは、もうどん底に叩き落とされて号泣したそうな。ただ、喰始さんは同時にひとつのアドバイスもコラアゲンさんに対して与えていました。

「ネタづくりができないんだったら自分の体験談を語ってみるといい。無理やり作ったネタより、自分の体験から生じた素直な言葉こそお客さんに響く。きっと笑いを生む」

 

 このアドバイスをルーツにコラアゲンさんは日本各地を回って、全国の「何コレ?」を取材。それを漫談にする芸風を確立させたそうです。そのネタのどれもがゲラゲラ笑える「ファニーという意味のおもしろさ」と「え?そうなの?それほんとに知らなかった」という知識欲をかきたてられるおもしろさを同居させた知的なお笑いなのだけど、その芸風ゆえテレビ露出はマジで少ない。こんなにおもしろい素材があるのにも関わらず、そこに触手を積極的に伸ばさないテレビってほんとうにもったいないしつまらないと思うのです。同時にこのコラアゲンはいごうまんさんの笑いは、現在のこの国に足りないものが何かを僕に訴えかけてきたりもします。その「足りないもの」というのは自分の未知のモノに対して「なるほどなぁ」とつぶやける視座と心の余裕。

 

 そもそも「笑い」とは一体何か?それをだれかに問われたら中学生の頃、喰さんに直接その基本を教わり、社会人経験を積んだ自分としては「笑いとは自分の生活に根ざした価値観と他者とのギャップである」と答えます。人間っていうのは生活を通じた経験から「こうすればこうなる」といった文法を発見して、それを元に価値観を作り、日常の生活に反映させます。もしそこに、自分のものと異なる奇妙な価値観が現れたらどうなるか?その時の対応はたぶん、この3つになるでしょう。

①価値観を守るため、徹底的に反発する。排除する。
②自分の持つ考えと異なるが、それもアリとある程度の理解を示す努力をする
③無視

 

 コラアゲンさんはマジョリティーの立場にいる人たちから見て「何コレ?」な人とモノを題材に笑いを作るけど、ソレは①に基づいた排除、嘲りの笑いではありません。漫談や本には取材相手に対する本人の「なんでやねん!」という叫びが感じられるけど、それは異物との対話を「もうええわ」と打ち切る「排除ではなく「なんであなたはそんなことをやるようになったんですか?」「なんでそんなヘンテコなもんがあなたの町、地域で広まったんですか?」という、自分の価値観と異なる相手との対話を求める素直でまっとうな「疑問」なのです。
 

 実際にコラアゲンさんはある時、80歳を超えるソープ嬢に接した経験から性的満足を与えられた事を笑いにしつつも、その時に自分が売れないことを愚痴り、慰められた時の体験を「普通の感覚で言えば色眼鏡で見られる仕事を長年続けてきた人なんだけど、そういう経験を軸に語ってくれた人生訓っていうのは人間の心を打つものなんだ」と語り、またある時は日本を代表するプロの「刺青」の彫師に出会ったことでその彫師の真摯な職業観や人柄に触れたのをきっかけに自分も刺青を掘ろうと考えたりするなど、自分自身の長年育ててきた価値観とは異なる価値観に触れて、揺らいだ感情を正直に語ります。そして、僕はそのコラアゲンはいごうまんさんの見せる心の揺らぎはすごくまっとうで人として誠実なものだろうと思うのです。少なくても僕は自分と異なる世界に生きる人々の喜怒哀楽を嘲り笑ったり、無関係といって興味を示さない人よりも、これらに触れて自分なりの考えやことばを作ろうともがく人たちの方がよほど信頼できます。そして今の日本に足りないものはまさにそこ。自らの価値観を絶対化せずに、相対化して考えること。コレって実はめっちゃくちゃシンドイ。だけど多様性のある社会を生きていくということは、そのシンドさに真っ向から対峙する事なんだと僕は思う。

 

「すべらない話」にも何度か出演しており、そのクオリティは保証! 

www.youtube.com

日本各地で行うライブもおもしろい!!そして本人のブログ。

 

blog.livedoor.jp

 

 

 

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僕と喰始さんの出会いについて。不肖の弟子??でごめんなさい!!

そういや高橋名人の弟子だった川田名人と桜田名人はどこにいった?

こんにちは。

先日はファミコン人気を「クソゲーのリリース」という形で支えていたゲームソフトメーカーのその後について書いた記事に多くの反響をいただきました。ファミコンソフト版「あの人は今?」みたいなお話でしたけども、今回はファミコン人気に関わった「あの人」についてのお話。

ファミコン人気を支えたのはソフトだけでなく、「名人」という存在に拠る所も大きいものでした。とりわけソフトメーカーの「ハドソン」専門の高橋名人とフリーの毛利名人。そしてその二人とは知名度に大きな差があったけどバンダイの橋本名人。こういったゲームのプロが子どもたちの心をガッチリ掴み、ブームに拍車をかけていたのを忘れてはなりません。

さて本題。上述した高橋名人に「川田名人」と「桜田名人」という二人の弟子がいた事を皆さん覚えてませんか?

桜田名人 - Wikipedia

この二人は高橋名人のメディア露出が増えたことで、当時の夏休みに日本各地で行っていた「TDK全国キャラバンファミコン大会」で全国を回れなくなったため師範代、弟子っていう名目で誕生した名人です。ちなみにその「キャラバンファミコン大会」がどんな大会だったのか記録された回顧録みたいな貴重なブログもあったので紹介。小学生の頃に、僕も参加したかったんだよな。

第2回全国キャラバン

桜田名人についてはウィキペディアの中に情報はあるけど、川田名人についてはその中で同期として触れられているのみ。僕も高橋名人を主人公にしたアクションゲーム「高橋名人の冒険島」のアニメ版「Bugってハニー」の中で、脇役「カワダ」として登場させていたぐらいの記憶しかありません。ちなみにこのアニメは後にファミコンゲーム化もしていますけど、経緯がユニーク。

高橋名人の冒険島Bugってハニーというタイトルでアニメ化→Bugてハニーのゲーム化というわけのわからない手法のメディアミックスがされた作品として記憶に残るアニメです。

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※脇役「カワダ」は物語に途中参加だったので、この中にはいません。

この両名人はハドソンで幾つかのゲームの開発などに携わったあとに退社。現在も会社を設立したり、別の会社に移ったりしてゲーム開発やゲーム解説の業務に携わっておられるとの事。

ツイッターで「川田名人」「桜田名人」で検索するとお二人のつぶやきなども更新されているので当時を懐かしみながらその声を読むというのもまた一興。

 

 ※名人、ファミコン大会で子どもの心を掴みまくったメーカー「ハドソン」については、あらためて別の機会に 

 

ビック東海やジャレコ。あのクソゲーメーカーはその後どうなった?

こんにちは。

 小型ファミコンの「ニンテンドークラシックミニ」発売をきっかけに、僕たちおっさん世代の間で高まっている「ファミコン熱」。だけど大人になった僕らがファミコンを遊びたいか?っていうと、僕を含めてたぶんそれほどでもないんじゃないでしょうか。みんな子どもの頃に夢中だったゲームにもう一度触れるためのコレクターズアイテムとして買った後、数日後には押し入れの中。っていうのがたぶん関の山でしょう。

 

 

 優等生ゲームたちのラインナップ

 そのため今回のニンテンドークラシックミニにラインナップされたこの30本のゲームソフトは正直言って食い足りない。僕としてはファミコンの本質ってゲームの出来のひどさにユーザーたちが思わずソフトをぶん投げたくなる「クソゲー」にこそあると思っているためです。

スーパーマリオブラザーズ
マリオブラザーズ
ドンキーコング
アイスクライマー
エキサイトバイク
・ROCKMAN2
・熱血物語
バルーンファイト
イー・アル・カンフー
パックマン
魔界村
グラディウス
ソロモンの鍵
つっぱり大相撲
スーパーマリオブラザーズ
ファイナルファンタジー
ギャラガ
ドクターマリオ
アトランチスの謎
星のカービィ
ダウンタウン熱血行進曲
ゼルダの伝説
メトロイド
悪魔城ドラキュラ
リンクの冒険
忍者龍剣伝
マリオオープンゴルフ
スーパーマリオUSA
ダブルドラゴン
スーパー魂斗羅

お金のムダ使いなクソゲー。だけど愛してる

 なんとなく無難に遊べるゲームばっかで個性に欠けるのがもったいない限りです。ファミコンでリリースされたソフトは全部で1053本。その中には当時を思い出して今でも遊びたくなる名作だけでなく、毎月のおこづかいを貯めて期待を胸に買ったものの、そのつまらなさや出来のひどさに憤慨して思わずぶん投げたくなった、俗にいう「クソゲー」も決して少なくありません。

 

クソゲー - Wikipedia

 

 数多くの名作ゲームを制作した大手ソフトメーカーのほか、知名度はそれほど高くないけど思ったよりも良質のソフトを出していたメーカー、そんでもって出すゲームはほぼ全部クソゲーだったメーカーなども多くありました。いくつかピックアップするとビック東海サン電子ジャレコ。 それらのメーカーは口にすると懐かしさと腹立たしさを胸に喚起させます。

 

クソゲーを「ウリ」にしたジャレコとその後

 ちなみに、この「ジャレコ」というメーカーはとっくの昔に潰れている会社ですけれど、後期に発売されたソフトにはパッケージに「クソゲーするならジャレコ」と書かれているものもあったり、明らかに自社のゲームのつまらなさをネタにしていたようなところもありました。だったらそんなくだらないネタに走らずマトモなゲーム作れよ!といいたけれども、潰れている会社だからなぁ。

 

ジャレコ - Wikipedia

 

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 ちなみに、その「クソゲーするならジャレコ」と銘打っていたゲームソフトのプロモーションを務めていたのが覚せい剤所持がバレて芸能界を干された結果、ストリッパーになったグラビアアイドル「小向美奈子」だったのもしみじみさせます。

 

 さて本題。本日はそんなソフトメーカーがその後〜現在にいたるまでどうなったかを幾つか調べてみました。んでもってまずは「ビック東海」。

ビック東海クソゲーとその後

    難易度がやたらに高いアクションゲーム「アイギーナの予言」、依頼人の女性と寝る事で体力回復させる「ゴルゴ13」、ファミコンの名作アクションゲーム「ロックマン」に魔女を主人公にしたアーケードのシューティングゲーム「Cotton」を足して2で割ったイメージのゲーム「まじかるキッズどろぴー」などをリリースした会社です。

 

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※まじかるキッズドロピーのステージ1のスタート前画面。1990年代にもなるとファミコンのドット絵もかなりの水準に進化。あるゲームマニアにいわせるとこのどろぴーこそファミコン界の萌えキャラ元祖だそうな。正直言ってそれほどゲームが売れているイメージがなかったので、もう倒産しているだろ。とか思っていたけど・・・資本金10億を超える大企業になっていました。

株式会社TOKAIコミュニケーションズ[TOKAI Communications Corporation]

 この会社は現在、専用線やインターネットを使った通信、クラウドのサービスやサーバーの設備、運用管理のアウトソーシングなどを手広く手がけているとのこと。あたりまえながらゲーム事業からはもう撤退しているという話でした。つづいてはこのゲームメーカー。

サン電子クソゲーとその後

 ニンテンドークラシックミニには迷作「アトランチスの謎」がラインナップされていますけど僕ら世代にはサン電子=いっき=クソゲーという方程式があります。この「いっき」は農民一揆をモチーフにしたゲームでプレイヤーは二人の百姓を操って、カマや竹ヤリを手に戦うという階級闘争アクション。このゲームをつうじて農民一揆なるものを知った小学生も多かったと思われます。

 

とんねるずのヒット曲「一気!」
②聖闘士聖矢でも驚異的な強さを誇る「フェニックス一輝
ファミコンの「いっき」

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 これは昭和の「三大いっき」として皆さんにも覚えていて貰いたいもんです。まぁ、そんな冗談はさておき。この「記録より記憶に残るゲーム」を地で行く作品を作ったサン電子も現在、資本金9億を超える大企業に成長。ルータなどの通信機器の製造・販売ほか携帯アプリなどでもゲーム事業を続けており、最近もBL(ボーイズラブ系)の恋愛ゲームを開発・販売しています。

 

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俺プリ×Cross!

 いっきの権べえと田吾作のBL恋愛ゲームが発売されたら絶対、俺は買うだろうな。他にもとりあげたいメーカーはあるけど、それは別の機会に

 

※約90本のオリジナルゲームが遊べるほかファミコンソフトも遊べる互換機。

次回のテーマは「名人」

 

arrow1953.hatenablog.com

 

「ブタゴリラ」って、いじめレベルのあだ名じゃねーかと思う

こんにちは。

 本日のブログはきのうの昼休みの会話から。学生の頃にどんなアダ名で同級生に呼ばれていたか?という話題になり、お互いのアダ名を披露。ちなみに僕にも学生のころに、「無imidas」っていうアダ名がありました。集英社の百科事典「imidas」に、ムダな雑学の「無」を合わせて、どーでもいい「ムダ知識だけ豊富な男」っていう意味でした。今みたいにインターネットも普及していない当時、大学の友人から質問の電話をもらったもんです。

ex)

サイヤ人編でナッパとベジータの二人が地球に来た時のピッコロ、吾飯、クリリンの初期戦闘力っていくつだったっけ?」

AM→1220、981、1083

※ただ、この時のナッパのセリフは読み上げた数字とキャラの固有名詞を結びつけていないため、誰がどの数値なのかは推測。

 みたいな感じで、友人らの電話のどうでもいい質問に答えているうちに僕を「無imidas」と呼ぶ奴が現れて、気づいたらそのあだ名が定着。そんな話をしていた時に他社からの出向者が「そういや、アダ名っていうと印象的な奴がいる」と語っていたのがその同僚の小学校時代の同級生。名前を江口ひでお(名前の漢字は分からない)君。江口君のアダ名は

江口   →カタカナ読みで「エロ」

ひでお→ビデオ

 

 こんな理由で「エロビデオ」とよばれていたそうな。子どもって残酷だな。それ今でいういじめじゃないの?と思ったらこのアダ名、なんと江口君自らが気づき、ウケ狙いで自分につけたものだったとのこと。実際にかなりのエロガキだった江口君は公園に投げ捨てられて、雨でぐしゃぐしゃになったエロ本を拾って読んでいるのを女子に見つけられたという前科もあったのでそのアダ名はクラスで受け入れられており、江口君自身もそのアダ名をきっかけに人気者に変身。小学生ながら笑いのために自分をネタにできる懐の広さに感心しながらも、今やロストテクノロジーとなったビデオの事を思うとなんとなくだけどもしみじみさせられるお話でした。

 

 ってな感じであだ名について考えていたんだけども、よく考えてみたらキテレツ大百科のガキ大将のアダ名、「ブタゴリラ」ってコレはいじめレベルのアダ名じゃね?

 

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  この二人のアダ名はいいですよ。強そうで。だけど「ブタ」+「ゴリラ」って全然人間扱いしてないじゃない。人間としての尊厳なんでどこにもない。よく怒らねぇな、偉いぜブタゴリラ

  

※このブログを読んだ読者の周囲に「江口ひでお」さんがいても絶対に「エロビデオ」なんてアダ名をつけたらダメ!!いじめだからね