サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

ドラッカーの「マネジメント」を読まなくてもできる、店舗売り上げアップ作戦

こんにちは。

   業務に追われていて、以前買ったドラッカーの「マネジメント」をまだ読めていません。なので先日、こんな本を買いました。

 

 

 今回ブログで紹介したいのは「マネジメント」に書いてある内容を商売に活かして、働いている店舗の売り上げを大幅にアップさせた、とある女性のエピソード。といっても、その女性は本を殆ど読まないだけでなく、ドラッカーも知らなかった。つまりこの女性は「マネジメント」を読まなくても感覚的に「ドラッカーの経営術」を実践した。と、いうわけです。

 

 

 

 

 その女性は昼、アパレルショップにバイトで勤めており夜はジャズバーの看板娘。そんな二束の草鞋を履く生活を続けていたある日、ショップの本社から一ヶ月以内に店舗で100万円の売上げアップを命じられたそうな。

 不況のためただでさえモノが売れない今日、この頃。皆さんなら働いている会社から一ヶ月で店舗の売上げを100万円UPさせろ!なんていわれたら、皆さんどうしますか?やる、やらないは別として「こんな景気悪い時期に、そんなのムリ!」という話になると思います。 だけどこの子は賢いことに、この100万円UPを達成させるため、まず最初に1日にどれだけ店舗は売り上げをUPさせたらいいかを考えたのです。店はほぼ年中無休なので、100万円を30日で割れば1日3万円前後。これを営業時間の8時間で割ると1時間あたり4000円前後。この4000円を店員シフト数の10人で割れば、1人平均400円前後売り上げをアップさせれば目標金額に達する。

 

こう考えたらお客さんへの声かけもラクじゃね? 

お店の売り上げUPもできるんじゃね?

 

 そんな軽いノリでこの目標設定を思いついたそうです。

 

 

「マネジメント」第26章の「組織の精神」で、ドラッカーはこう語っています。 

 

組織の焦点とは成果に合わせなくてはならない。

 

 ここでいう成果とは何か?ドラッカーいわく「成果とは長期のもの(つまり継続性のあるもの)であって百発百中ではない。 百発百中は曲芸である。」と語っています。この話を僕は以下のように解釈しています。 

 

 百発百中の曲芸。これは僕らがふだん考える「理想の結果」です。だけど、これらは言うまでもなく一過性のまぐれあたりみたいなもので、続く保証はない。服の売り上げ100万円は29日間売れなくても、最後の1日でお金持ちが100万円分買えば達成される。商売を続ければ想定の2倍の量が毎日売れて200万円アップになる月だってありうるし、逆にまったくダメで売り上げ-100万円ダウンの月も存在しうる。このように先が見通せない中で、百発百中の曲芸を思わせる「理想の結果」を短絡的に求めて一喜一憂するのは不毛である。だったら毎月万100万円アップに達せなくても、その目標に近い金額を達成できるプランを立てて継続的に実行させていく。たとえ、そのプランで達成できなくてもその「失敗」という弱みに臆せず、売上100万円アップを目指して積極的且つ継続的に新しいアイディアに挑む態度を育てることこそである成果。 こんな感じだな。

 

 さて。このプランを元に店の売上げアップ作戦を行った彼女はどうなったか?答えをいうとその目標を見事達成!それだけではなく社長は彼女の行動、アイデアを絶賛して直々に電話してきたそうです。社員を数千人囲っている会社の社長が彼女の店舗売上げUPのプランを知って 「君のアイディアはおもしろい。社員にこんな発想ができる人間はいなかった」とべた褒め。その女の子は現在、都内某所の支店で店長となり頑張っています。

 

 この女の子がほんとにスゴイところ。それはドラッカーの本をまったく読んでなかった」のにドラッカーの考えにたどり着いていたことです。彼女のアイディアは正直、目新しいものではありません。だけど店員、経営者、そして顧客。この3者の目線をバランスよく成り立たせ、以下の回答を彼女は導きました。

 

①アルバイト店員である自分自身の立場からの疑問

→お店の目標のため、どの程度商品を売ったらいいか?

①背負った負担をどうしたら効率よく対応できるか考え、店員1人分の一時間あたりの売上げを400円アップさせるという目標を設定。(店員10人=400×10で一時間4000円アップと定めて目標を具体化させた) 

②お店の経営に関わる立場からの疑問

→どうやって店員さんたちのやる気を引き出させるか?

②会社目標を日数で割って、一日あたりの売上げ目標を設定。100万÷30日=で1日3万円前後の売り上げをアップさせると目標が達成できるということを視覚化して、不可能ではないと、従業員に意識させる。

③お客の立場

→どうしたら、自分はこのお店で商品を買いたいと思うか?

③お客の求める丁寧で正確な商品情報で、信頼を得る。一ヶ月につき100万円売り上げUPは大金だが、1人分の負担を一日4000円アップにまで細分化させることで、物怖じせず積極的でお客に沿った接客を店員に実行させる。

 

 こうやって文章にするとどれも当たり前に思えるでしょう?だけど、この当たり前を正社員のフロアマネージャーは誰もで思いつけなかった。彼女いわく「会社から来た人は顧客心理学や経営学などを偉そうに語ってたけど、話長くてむずくてワケわかんなかった」 
 

 一生懸命勉強した心理学や経営学「ワケわかんね」で片付けられたら、せっかくの学問も形無しってやつです。世間にゃいるんですね。こういう商才を勉強せずに持ちあわせる人って。

 

この子がもしもマネジメントを読んだら、どんな反応を見せるか?

「そうだったんだ!」と目から鱗が落ちるのか。「この本って当たり前のことしか書いてなくね?」と、ギャル独特の口調で首を傾げるか。はてさてどっちでしょう?

 

  

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