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サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

ドラえもんと藤子・F・不二雄さんの友情について

漫画/アニメ ドラえもん

こんにちは

 

あんまりふざけた本を立て続けに紹介しても「またかよお前」という感じになるので、今回はぜひこのブログの読者さんにも読んでいただきたい本を紹介。 その本の名は「ド・ラ・カルト ドラえもん通の本

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小学館ドラえもんルーム編集のオフィシャルなドラえもん豆知識集です 。

本日はこの本から、ドラえもんとこの作品の作者の藤子・F・不二雄さんについて。

ドラえもんワールドの中でも屈指の名作エピソードでありオフィシャルな最終回でもあった「さようならドラえもん」。実は意外に知られていませんが、この他にも、ドラえもんの最終回は別に2本あるのです。

一本は未来から来た観光客のマナーがひどく、過去の時代に大きな迷惑をかけているという事態を踏まえ、未来の世界では今後、過去への時間渡航を法律で禁止。そのためにドラえもんも未来の世界に帰らなくてはならなくなり、お別れとなったもの。帰り際にドラえもんは寂しげで不安げなのび太を君だったら1人でやっていける!男だろ!と力強く叱咤して未来に帰っていくのだけども、僕らの知っている「さようならドラえもん」と比べてみるとあっさりな描写で物足りません。

 

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もうひとつはのび太の子孫、セワシ君がのび太があまりにドラえもんに頼りっきりになっているのを見て将来を不安視し、未来世界へ呼び戻すというもの。のび太セワシの真意を理解してドラえもんに「今後ドラえもんに頼らないで、1人でどんな事にも挑んでいく」事を約束。未来の世界に戻ったドラえもんたちはタイムテレビでのび太の努力を応援するところで終了となっており、最初のエピソードに比べればのび太の成長ぶりも具体的に描写されているために読者にとって納得いく完結にはなっています。

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そして三本目。

未来の世界へ帰る直前、ひょんなことからジャイアンと喧嘩になり、ドラえもんに助けを呼ぼうとしたのび太はその口を自ら塞いで「ケンカだったら、ドラえもん抜きでやろう」とタイマンの喧嘩をジャイアンに提案。力で圧倒的に負けながらも最後まであきらめないのび太にとうとうジャイアンも根負け。ドラえもんのび太の思いを受け止めて、未来へ帰ります。

 

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実際、ドラえもんは「小学三年生 四月号」に掲載されていたこの物語で最終回の予定だったそうです。

作者である藤子・F・不二雄も「小学四年生 四月号」では新連載の「みきおとミキオ」の執筆を控えていたものの「ドラえもん以外の物語を注文されていても、結局自分はドラえもんに帰りついてしまう」と語り、みきお以外にドラえもんの復帰作「帰ってきたドラえもん」を執筆。未来へ帰ったはずのドラえもんが、また戻ってきたとジャイアンたちに騙されたのび太は、嘘を語るとその逆の事象を現実に発生させる効き目を持つ飲み薬

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今日はいい天気といったらそれがウソになり、どしゃ降りになる。みたいな

「ウソ800(エイトオーオー)」という薬を飲んで仕返し。

スネ夫は犬に襲われない」「ジャイアンは母ちゃんにこの後、イヤになるほど褒められる」とウソをついて2人に仕返しをはたします。だけどその後にこみ上げてくるのは虚しさ。いくらだまされた仕返しをしたってドラえもんはもう戻ってこないとつぶやきます。

寂しそうな表情で自分の部屋のドアを開けた瞬間、そこにいたのはドラえもんでした。上述の薬の効き目が続いている間に「ドラえもんは戻らない」とつぶやいたため「ドラえもんが戻ってくる」という現実がを発生させたのです。

思いがけない再会を喜び、泣きながら「嬉しくない」と叫ぶ2人。

  

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大人になって「ドラ・カルト」を読んだとき、このシーンはダブルミーニングだったんだなぁと強く感じました。 ひとつはこの先の物語で続いていくのび太ドラえもんの友情。もうひとつは藤子・F・不二雄さんとドラえもんとの友情です。

ドラえもん終了に伴い、新作を依頼されても、結局自分はドラえもんの物語を描きたい。 この頃まだドラえもんは現在みたいな人気作とはいえない作品でした。

だけど、作者の藤子さんは誰よりもこの作品の持つ可能性を感じており、その自分の手応えをあらためて読者に問うてみたくなったんだろうなと思うのです。自分の漫画家人生はドラえもんと共にあると強く感じたのかもしれません。その作者としてのカンは見事にあたり、このエピソードの前後でドラえもんは多くの支持を集めるようになり、作者だけでなく日本を代表するマンガに成長を果たしました。

この先もドラえもんは、現代のおとぎ話として多くの人に長く読まれる作品であってもらいたい。

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」