サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

25年後の東京ラブストーリー続編。ほんとにイイ話か?この作品

こんにちは。

本日のテーマは柴門ふみセンセのベストセラー「東京ラブストーリー」。1980年代後半に連載が始まった後、1990年代になりテレビドラマ化。テーマソング曲となった田和正の「ラブストーリーは突然に」も、300万枚近くを売り上げるなどまぁ、その当時としては大ヒットとなりました。中学生だった僕はこのテのドラマはあんまり好きじゃなかったので全然見ていませんでしたが、クラスでは男子女子共に毎週欠かさずこのドラマを見ている人が大多数だったため、その話になった途端、自分が蚊帳の外にいるような感じでしたね。

その原作マンガが今週の「ビッグコミックスピリッツ」で読みきり掲載。25年後の東京ラブストーリーとし永尾完治、赤名リカが50代になって、ひょんなことで再会!みたいな物語になっているとの事で読んだんだけどここまで共感できないマンガもないな・・・。と、別の意味で感動させられました。

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物語は広告代理店勤務(このあたりがもうバブル)の完治(カンチ)、同僚の赤名リカを主軸とする恋物語なんだけど、基本的にはこの赤名リカっていうクソアマの我侭で周囲が振り回されて人間関係も常にグチャグチャ。オチとしてはカンチは高校の同級生と結婚。リカは上司と不倫関係になり、その子どもを妊娠後に消息不明。本編マンガは高校時代に読んだんだけどこれのナニがおもろいの?ってのが率直な感想でした。

 

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原作では妊娠したリカが、お腹の子に「名前をアフリカとつけるわ!」(赤名リカがアフリカで生まれ育ったからという理由で)とかワケの分からない事をいってカンチの前から去っていきました。んでもって25年後。年老いたカンチに娘から「結婚を考えている男」がいるとの電話。驚き、戸惑いをおさえてカンチが相手について尋ねてみると、その男性の名前は「赤名アフリカ」という。 

・・・。
・・・・・・。

マジでつけやがった!

彼女は自由奔放な恋愛を楽しむ進歩的な女性から90年代にして、キラキラネームを子どもにつけて自己満足に浸る頭が可哀想なお母さんにクラスチェンジ。ある意味進歩的ではあるけど。ってな具合に結婚を考えている若者二人の親としてカンチとリカはみごとに再会。リカは息子を出産後、子どもがどこにいっても苛められるため自由に生活できる場所を探すのに苦労したの。としみじみ語るけど、そりゃあんた自業自得だろう?と思わざるをえません。

「バブル」という80年代を体現するかのように自分の欲求に忠実であり、周囲を振り回すだけ振り回して傍若無人な振る舞いを見せていたリカがおばさんになり、自分の苦労を語る。なんかこのマンガを読んでいたら、いつだったか深夜の番組で40歳を超えてボディコンスーツに身を包み羽扇子をもってお立ち台で踊っている荒木師匠を目の当たりにした時の痛々しさに近いものを感じました。

 

荒木久美子 - Wikipedia

 

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人間誰しも老いるし、若い頃を振り返って自分の愚かさを悔いる事もあるでしょう。だけど漫画で、それをやることないじゃん。マンガにはまったく共感を持てずにいた僕だけど赤名リカという女性は、どこまでいっても「赤名リカで」あって欲しかった。カンチと結婚ができなかった事が最大の後悔だなんて息子に愚痴をこぼすなんて俺がキライだったリカじゃない。

以下、作品の簡単な紹介。

コンビニでこの読み切りを速読みたく流し読みさせていただきましたが、どうせだったらきっちりと読んでみようと思い、掲載号の「ビッグコミックスピリッツ」を購入。

 

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 電車の中でじっくり読んでみました。もう、店頭においている店もかなり減っているみたいなので本日はこのブログで今週号を買い損ねた人、興味あるけど、わざわざ買って読むほどでもないという人に物語を文章で解説しちゃおうと思います。

先ほども書いた通り、物語は20代から50歳になった完治(カンチ)が主人公。東京で一人暮らしをしている20歳の娘に、結婚を前提に交際する男性の話を携帯電話でいきなり告げられたところからこの物語が始まります。その相手の名前を聞いたところ男性は「赤名アフリカ」という変わった名前だということ。娘の口から発せられた名前にいきなり完治の顔色が豹変。その名前は25年前に自分が同棲していた女性「赤名リカ」が不倫と知りながら上司と関係を持ち、妊娠した息子につけたいと語っていたものでした。

マジかよっ!と呟き頭を抱えるカンチ。っていうか、それを呟きたくなるのは読者のほうでしょう。マジで、そんな名前つけたのかよと。娘の交際相手は、以前付き合った女性の息子。偶然だけで物語が進む韓流ドラマも驚きの展開です。その赤名アフリカに会うため、娘のいる東京に単身で向かうカンチ。飛行機の中ではその頃の回想。

-赤名リカ。俺と付き合いながらも平気で何人もの男と寝ていた-。

※ドヤ顔で「ここにいる男全員と寝た」などと誇らしげなリカのカット。

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20代だった頃にこういったことを平気で口走っちゃう女でしたから。

カンチの苦い回想は続き、「妊娠しているけどあなたの子じゃないから別れてあげる。じゃあね、」と寂しげに笑って手を振るリカとか昔の記憶がフィードバックされたりするのを読むと心底クズだな、このビッチ。という怒りさえもこみ上げてきます。二股かけて別な男の子どもを妊娠して「別れてあげる」と上から目線。こんなひどい女性が、ほんとにバブル期にモテていたんだろうか。今風にいうとゲスの乙女極みだよマジで。そんな複雑っていうかヘタしたらトラウマもんの過去を引きずって息子のアフリカに会ってみたら思わぬほどの好青年。彼については好感持てるけど・・・。人のいいカンチは思い悩みます。

ここで娘に反対を示しても9割以上の読者はカンチ側につくことでしょう。カンチ、リカの関係を知っている妻にどう説明をするべきかを考えている時、スマホに電話の着信音。相手はもちろん赤名リカ。

25年の時を経てトラブルメイカー復活。

またよせばいいのにカンチもリカの誘いで、リカの暮らしている農園兼自宅へ足を運ぶことに。そこにいたのは自分と同じく50歳になったリカでした。リカはカンチと別れた後、シングルマザーとなって息子のアフリカを育てていたものの、名前のせいで小学校でイジメにあって不登校に。その後、偶然住み込みのファーマー募集の張り紙を見て農園に居を構え現在に至っていました。「身から出た錆」「自業自得」な過去だけども、まぁ現在、幸せでいることを確認できたカンチはなんとなくだけど安堵。カンチは過去のわだかまりを捨て、日常に戻っていくのでした。うん、いい話だ。

リカに「なんで俺達別れたんだっけ?」と問い、もう取り戻せない過去を思って息がつまりそうな表情を見せた後、「そういう巡り合わせだったのよ!」と笑って答えてみせたリカに僕もちょっぴり胸がつまりましたがあんたの場合は自業自得だからと思い直しました。雰囲気に流されたらダメね。昔、不良だった奴が大人になって更正しているのを見てコイツもイイ奴じゃん!みたいな過去リセット、現在イイ奴の法則が発動しちゃいかけました。

この読切は以前の二人の物語を知らなけりゃいいお話だったな、と思えますけど、この女の過去を思うと素直にはそう思えない。たぶん、これは僕がひねくれ者だからでしょう。

この物語から学んだ2つの大事なこと。

①ぶち壊れた人間関係を修復させるものは何時の時代もイイ奴の深い度量である。
②子どもにヘンな名前をつけたら生活そのものが狂いかねないということ。

こんな具合でした。とはいっても最後にカンチに向かって手を振っているリカの笑顔はどことなく切なげで、僕自身もこの続編を受け入れそうになっているのがイヤ。

俺はそんなにお人よしじゃない!!

そんでもって追記。

この読切。後日、女性週刊誌上で連載となったそうな。やめておけと読者の誰もが思うだろうに。正直言って、やりたい放題やってカンチの周囲の人間関係を徹底的にぶっ壊しまくったメンヘラ女がどの面下げて!っていうのが僕の率直な読み切りの感想だったんだけども、まぁ誰にでもヤンチャな時代ってあるな。と大人の余裕で読めば、それなりに面白く読める作品でした。

作者の柴門ふみセンセは「読み切りを描いた段階では心残りはあったんですが、今はもう描ききったと思っています。不倫マンガではありません」と 上記の記事で語っているけどもとりあえず、カンチとリカの息子「赤名アフリカ」はカンチの娘と異なる別の女性を巡って「穴兄弟」になるだろうと思っています。でなけりゃ父親の優柔不断さを引き継いだ娘が他のいいよる男性のお誘いを断りきれなくて「消極的な赤名リカ」な立場になり穴兄弟を量産。そんな兄弟たちとトラブルを起こした後、赤名アフリカとの関係が戻ってめでたし、めでたし。っていう話になるだろうなと思う。柴門センセの作風を考えると、そういう結果しかありえないんだけど、どうなるやら。

僕だったら25年の時を経て再会を果たしたカンチとリカは年老いながらもみだらな性欲に身を任せ、ドロドロの関係になっていくんだけど50代になったカンチはEDになっており、二人の身も心も満足できない。そこでリカはアフリカから極上の大麻を取り寄せて、二人でキメセクにハマった挙句、関係者のタレコミで警察に追われながらの逃避行。二人はどうにか逃げ切って、他の男を数人仲間に加えて、沖縄でキメセクに浸かり幸せに暮らしましたとさ。って具合でどう?

 

 

※キライなマンガだけど、あの頃のバブルな空気を描いていたという点で、評価はされるべき。

  

※荒木師匠には何も教わっていない。だけど彼女は僕にとって師匠なのである!!