サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

25年前。比喩ではなくマジで僕の人生を変えた本

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE

こんにちは。

本日のブログのテーマは「青春の一冊」。今、僕の手元に一冊の本が置いてあります。

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 辻仁成「クラウディ」 

 

ページをめくるとそこには著者のサイン。

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今日のブログは、このサインをもらうために起こした行動が現在の自分の原点であるという話。

以前もブログで書きましたが、僕は中学生の頃に辻のバンド「ECHOES」の事を知って、その楽曲にのめりこんでいました。CDを聞き、本を読み、辻が司会をしていたあるTV番組を見ては憧れを募らせ、「この人と話したいな」と漠然と思っていたある日。いつも見ていた番組終了後に、ほんの10秒前後、あるテロップが流れました。

「番組で劇団員募集」

 

世間は当時、夢の遊民社や第三舞台などの小劇団ブームメントが巻き起こっていたことから、番組でも劇団を作って実際に舞台公演をやっちゃおう!という企画がスタート。その劇団員を視聴者から募るという話でした。当時の僕は中学生だったこともあってその小劇団ブームは良く分かりませんでしたが「おもしろそう」という気持ちと「司会の辻さんもオーディションに来るだろうからサインだけ貰って帰ろう」という思いで番組にハガキで応募。数週間後にオーディションのお知らせが届きました。日付は今でも忘れない1990年8月25日。そしてそのオーディションに僕は最年少で通ったのです。

 オーディション会場には司会の辻さんと桑田靖子さん、劇団の団長を務めることになったコメディアンの草分け的な存在、内藤陳さんと演出担当のWAHAHA本舗社長、喰始さんらがおり、その人たちの前で自己アピールを行う事に。多くのプロの役者や芸能界志望の若者を含めて140人程いたでしょうか。その中で中学生1人。アウェーもアウェーな環境でした。最初は辻さんにサインを貰ったらさっさと帰ろうと思っていたのでオーディション休憩中に声をかけて本を手渡してサインをゲット。快く応じてくれた辻さんは軽く「頑張って」と僕に声援をくれました。自分で言うのもどうかと思いますけど僕はバカなので、その声援をもらった瞬間にサイン貰ったので帰ろう→絶対合格するとの思いにスイッチオン。幸い舞台に立つのは最後の方だったため戦略を練る時間がありました。舞台を見ていると多くの人たちは「自分の名前を元気に喋って熱意をアピールする」形式の人がほとんど。だったら僕はその形式を逆にとろうと考えたのです。

んでもって、僕の出番。僕はわざとおどおどした態度で周囲を見回しながら10秒ほど黙っていました。そして、マイク越しに小声で「見つめないで…」と呟いた瞬間、140人が爆笑したのです。正直、もらった!と思いました。後は勢いにまかせて適当なことをワーワー話して拍手をもらって終了。番組的にも受験を控えた中学生がメンバーにいるのはおもしろい!!と思ったこともあって、晴れてオーディション合格。指導を受けながら翌年2月に銀座小劇場で舞台に出場したのでした。そういう意味で僕はWAHAHAの喰さん、内藤陳さんの弟子であるといってもいいのかなとも思うけど、問題児だったから弟子を名乗るのはやめておこう。「たまたま縁のあったガキ」程度に抑えます。だけどお二人に教わった事やいわれたことはおぼろげながらも覚えています。先日、当時の劇団メンバー(兄弟子?)で現在WAHAHAに所属する人の公演をみた時に喰さんにお会いできてお元気そうで何よりでした。

高校生の頃には内藤陳さんに会いにいくため演劇を観にいったあと、新宿のゴールデン街にある陳さんの店に何度か足を運んだ事もありました。決まって陳さんには僕に麦茶を出した後で「子どもが来るところじゃねぇ!!」とさんざん文句もいわれたっけ。なので20歳を過ぎて店に行った時に初めて水割りを出してもらって嬉しかったなぁ。

 …あの日から25年。あの時、辻さんに手渡した本は今思うと受験で憂鬱だった僕におもしろくて不思議な世界を見せてくれたチケットでした。その半券を、僕は今でも手放さず持っています。舞台役者になることもなく会社員となった今も中学の頃に体感で学んだ表現の楽しさを忘れられずに、僕は今もその半券を固く握り締めて演劇などの脚本を書いています。続けていても芽は出ないかもしれない。或いは25年前みたく、ふとしたきっかけで書いた作品が誰かの目に留まって注目を集め脚本家として売れちゃうかも知れない。

いい年して子どもじみたことを、とこのブログを読んだ人は呆れているかもしれません。僕を「中二病」と笑う人も多いことでしょう。だけど「希望」に溢れる「かも知れない」の人生を僕は生きていきたいなと思います。妻と娘に迷惑をかけない範囲で。夢を掘りながら大人として生きるっていうのもシンドイけれど。

本日の僕の昔語りはこの辺で!!

 

そこに僕はいた改版 [ 辻仁成 ]
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 ※明日はお客さんのLAN接続トラブル解消で名古屋に。

  25年前、確かにそこに僕はいた。

 んでもって明日、名古屋に僕はいる。