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サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

アニメ業界で働いた体験から提言をしたい、業界の改革案② 

アニメ業界

こんにちは。

 

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前回のブログでは制作スケジュール破綻による、秋のアニメの放映時期延期という話題と自分自身のアニメ業界での経験を踏まえて業界の改革案の一部について語ってみました。前回ではビジネスマナー研修などを通じて、アニメ制作会社の常識=社会の非常識であることを、業界に認識してもらう事の重要さを述べましたが、今回の記事ではこのあたりの話を掘り下げていきたく思っております。ただ僕が業界にいたのは2000〜2001年、ブランクを挟んで2006〜2007年の2年間。実質もう、10〜20年前の話なので、もしかしたら僕の考えていることを実践している企業も多かったり既に業界のスタンダードになっている事も考えられます。

※たぶんないだろうと思うけど。

そうであったらごめんなさい。

さて本題。

アニメ業界の常識=社会の非常識。その非常識の中で最も問題なのが「契約意識の薄さ」だと僕は考えます。アニメっていうのは基本的に制作会社がフリーの監督、演出、作画等のセクションに業務を委託後、各セクションでのスケジュールの舵取りを行います。

結局のところこの舵取りが破綻してアニメ制作スケジュールが遅れる事となる。この大きな原因になっているのがフリーのスタッフたちの作業遅延です。脚本、コンテ、原画、動画などなど、フリーのスタッフにお願いをしているセクションで作業が伸びたため、この後の予定が後ろにずれ込んでいく。その後ろにずれ込んだスケジュールを制作で知恵を絞り、帳尻を合わせていくのが業界の「あるある」になっています。

※あ、ちなみに背景や動画、音声など会社単位でお願いをしているセクションでは、作業が遅れているっていう話は自分の経験上、ほとんどありません。

フリーのスタッフはその作品単品だけでなく、ほかの作品も掛け持ちで並行で作業にあたっています。たとえば原画だったら作品Aの12話で原画12カットを担当(1カットあたり4000円)。他会社の作品A`20話で原画を14カットを担当。(1カットあたり3500円)

 

4000×12=48000円
3500×14=49000円
-------------------------
合計    98000円

 

※実際には請け負っている作品はもっと多いだろうけどこんな感じで。

 

結局のところ単価が安いので多くの仕事を受けなくては生活できない。そのために自分のキャパを超える量も受けざるを得なくなり、作業が追いつかなくなり、お願いも口約束なのでその辺が「なぁなぁ」になっていく。フリーのスタッフの方々の事情も理解できるんですけど、アニメっていうのは単なるものづくりじゃなく「産業」である以上は遅れっていうのは許されません。

だから「契約書文化」を根付かせるべきだと僕は考えます。クリエイターだから遅くなって当たり前とか、そんなことをいっていたらものづくりなんてできないとか甘えるなバカヤロウ!考えてみたら野球選手やサッカーの選手だってフリーの身であり、各チームとの契約を交わしてチームの勝利に貢献をするという業務にあたるプロフェッショナルです。なのにアニメという現場はそれぞれのプロと契約書を交わさずに口約束でお願いしている。それってよく考えたらとても変な話なのです。 

ただフリーの方々はたったひとつの作品の業務に定着させられたらたまらないと思うでしょう。そこでフリースタッフに「他の作品の約束を蹴ってでも、この作品の業務を続けたい」と思ってもらえる条件を制作会社も提示する。

 

たとえば

①作品全26話で原画を全部担当いただく(本数はそのエピソードにより変更)。
②作品全26話トータルの依頼で260万で契約(エピソード1本あたり10万で契約)。
③期日よりも作品を早くアップさせたら、インセンティブボーナス発生。
④但し作品のアップが遅れたらその遅延状況によって減額。
⑤業務スケジュールを破綻させるほどの遅延発生には契約解除と違約金発生。
⑥この契約に支障をきたさない前提において、他会社の依頼も認めるものとする。
⑦契約の内容については口外しない。

この内容は今、思いつきで書いたものだけどもっと練り込んでいけたらフリースタッフにとっては仕事と報酬の安定、制作にとってはスケジュールの安定。この両者の利害を一致させるような話だってできると僕は思っています。今述べた契約案では原画の単価がおよそ2倍になっているので「高い」と思われる人もいるでしょう。けど、契約によってスケジュールの透明化を図ることでどれだけの時間と他の予算を確保できるかを考えたら、この金額だって安いくらいですよ。

こういった取り組みが業界に置いてもはや一般的だったら僕の不勉強なんだけども、そういうことをまだ実践されていないんだったらぜひ考えてみて貰いたい。業界の改革案シリーズ、もう少しお話を続けます。ぜひ、よかったらお付き合いを!!

  

 ※マジでアニメ業界のコンサルティングやらせてくれねーかな。ボランティアだっていいので。