サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

アニメ「クラシカロイド」第2期放映!メインキャラの実際をおさらい

こんにちは。

 本日からNHKEテレでアニメ「クラシカロイド」の第2期放映スタート。

mantan-web.jp

 

www.classicaloid.net

 

www.nhk.or.jp

 

 普段はテレビを全く見ない僕ですが、休日にはこのアニメを見ながら夕飯を食べてのんびり。そこで今回は、前回から引き続き登場のクラシカロイドと今回から新たに加わった2人のクラシカロイドのモデルになった音楽家についておさらいしてみましょう。

 

1、ベートーヴェン
2、モーツァルト
3、ショパン
4、リスト
5、シューベルト
6、チャイコフスキー
7、バダジェフスカ
8、バッハ
9 、ドヴォルザーク
10、ワーグナー

 

f:id:arrow1953:20170310013639j:plain

 ちなみにこれはアニメ「クラシカロイド」音楽集。ベートーヴェンモーツァルトショパン、リストなどの曲に現代風アレンジを加えたサントラ集です。さてこの「クラシカロイド」。どういうアニメかっていうと、父の借金のせいで常に悩める女子高生、歌苗が管理人を務める下宿の洋館「音羽館」にある日、「ベートーヴェン」と「モーツァルト」を名乗る奇妙な若者二人が来訪。

www.classicaloid.net

 

 彼らは「ムジーク」という不思議な特殊能力を持っており、感情の昂ぶりのままにタクトを振ると世界に自らの作った音楽を溢れさせることが出来、その音楽の力で物理原則を無視した超絶的な現象を発生させることで周囲を騒動に巻き込んでいく。っていうイメージのドタバタコメディーなんですけど、作中に流れるクラシック音楽は「布袋寅泰」「つんく♂」「朝倉大介」などによって現代風のアレンジがされており、そのポップながらも原曲の持ち味を壊さない曲調は、毎回視聴者を楽しませてくれます。 そしてこの物語に出てくる個性的な音楽家はこいつら。 

1、ベートーヴェン

f:id:arrow1953:20161126160643j:plain

 なんでかよくわからないけど音楽そっちのけでストイックに、究極の焼餃子を求めている求道者。実際のベートーヴェンもかなり凝り性な性格だったみたいでコーヒーを淹れる時は必ず豆を60粒と決めて挽き、飲んでいたそうな。そのエピソードに端を発したエピソードもアニメで放映されました。日本では「楽聖」なる異名で知られており、古典派からロマン派への橋渡し的な役割を果たしている堅物なドイツの作曲家といったイメージが強いので、そういう人間性溢れるエピソードは微笑ましいものがあります。アニメ本編では一番年上っぽく描かれており、生真面目エキセントリックな性格を振りかざす「困った長男」っぽいキャラ付けのベートーヴェンだけど、実際には作品で最もガキっぽく描かれているモーツァルトより年下。モーツァルトに憧れて直接、本人宅を訪問したりもしています。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン - Wikipedia

曲アレンジ担当:ベートーベン=布袋寅泰 - Wikipedia

 

ベートーヴェンの第九を布袋がアレンジしたらこうなった。   

www.youtube.com

2、モーツァルト

f:id:arrow1953:20161126160656j:plain

 アニメでも実際の人物でも「天才」。ただアニメでは史実である下ネタ好きが強調されており、管理人の歌苗の誕生日プレゼントに「おっぱいプリン」を作ったりもする変人。実際のモーツァルトもそういうエピソードには事欠きません。僕もこの人の伝記を読んでいた時には「繊細な天才」というイメージしかありませんでしたけど、その後テレビ番組か何かで日頃、下品な冗談をいってばかりいる変人だったという話を知ってめっちゃ親近感わきました。ただ、自らの曲に「俺の尻をなめろ!」というタイトルをつけるのはいかがなものか?と思います。

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト - Wikipedia

しかもこの「俺の尻をなめろ!」は合唱曲で、男性6人が「俺の尻をなめろ」と歌い叫ぶそうな。

俺の尻をなめろ - Wikipedia

こういう曲

www.youtube.com

カノンの美しい曲調に「俺の尻をなめろ!」と高らかに唄う狂喜(狂気)の作品。 

曲アレンジ担当:モーツァルトtofubeats - Wikipedia

 

3、ショパン

f:id:arrow1953:20161126160717j:plain

 根暗で引きこもりな青年。まぁ「ピアノの詩人」という異名があったりする人なので、なんとなく繊細なイメージも強いですけど。ただ実際にはこの人、帝国時代のロシアに蹂躙されようとする祖国「ポーランド」を憂いていたりする、かなりアツいハートを持った人物だったそうな。その他サブカル的に忘れちゃいけないのがこの人の代表作である「革命」。その旋律が仮面ライダークウガのあるエピソードで、人間を襲う怪人の謎を解く鍵になっていたりします。

フレデリック・ショパン - Wikipedia

曲アレンジ担当:ショパンEHAMIC - Wikipedia 

4、リスト

f:id:arrow1953:20161126160730j:plain

 アニメではどういうわけか女性キャラですが実際には男性。作曲家だけじゃなく、ピアノ演奏者、指導者、評論家など音楽全般のセクションに携わっていたマルチな音楽家でした。特にピアノの演奏技巧は世界最高峰とも評されており、「ピアノの魔術師」との異名も持っていたそうな。また、リストは多くの弟子を育てたことでも有名。ただその中に日本人もいたことは僕も不勉強で知りませんでした。指導者としてはたいへんな人格者であり、芸術家が音楽以外の手段でお金を稼ごうとするのを嫌っていたため指導料を貰わなかったとのこと。その指導メソッドは自分のマネをさせることをせず、弟子の個性を尊重するものだったそうな。ただ、この指導が本当にベストかは意見の別れるところ。この指導は才能ある人向けだよな。

 フランツ・リスト - Wikipedia
曲のアレンジ担当:リスト=浅倉大介 - Wikipedia

 

5、シューベルト

f:id:arrow1953:20171007013818j:plain

 アニメ本編ではベートーヴェンを「先輩!」と呼び崇拝する後輩キャラ。健気な後輩シューベルトに、つれない兄貴分ベートーヴェンの二人組。このコンビは国広富之松崎しげるの演じた名作ドラマ「噂の刑事トミーとマツ」を思わせるものがあります。たぶんこの話が通じるのは僕の世代がギリギリでしょう。古くてすいません。実際シューベルトベートーヴェンを尊敬していたみたいですが、音楽性については自分とあまりに異なる方向性のため、音楽そのものについてはモーツァルトの曲を好んでいたそうな。音楽の教科書に「歌曲の王」という異名で紹介されていた事を覚えている人も多いと思いますけど、この人の特長は「多作」。作曲数は歌曲、ピアノソナタ交響曲などを全部合わせて600〜1000とも言われています(曲数については諸説あり)

フランツ・シューベルト - Wikipedia

6、チャイコフスキー

f:id:arrow1953:20171007021352j:plain

 ロシアを代表する作曲家だけど、どういうわけかこの世界では「チャイ子ちゃん」と周囲に呼ばれている女の子。テクラ・バダジェフスカとアイドルデュオユニットを組んでいます。ロシアという北国出身のため、使っているのは東北弁。この人の曲で有名なのは「白鳥の湖」ほか「くるみ割り人形」など。このくるみ割り人形の旋律を聞くと、映画「ホーム・アローン」を思い出すのは僕だけじゃない筈。実際のチャイコフスキーはどんな人だったのかというと「繊細」。この人の音楽を勉強するうちに熱烈ファンになった20歳近く年下の女性に迫られて結婚をしたものの、本来、人と接することが苦手な性格のため離婚。モスクワ川に身投げをする手前まで追い詰められていたそうな。お相手の性格が情熱的っていうのもプラスに働けばそのエネルギーを受けて前向きな性格になったりすることもあるのかも知れないけれども、人間関係って難しい。

ピョートル・チャイコフスキー - Wikipedia

7、バダジェフスカ

f:id:arrow1953:20171007024208j:plain

 チャイ子の相棒を務めている黒いロングヘアの少女。周囲には「一発屋!」と呼ばれています。この人の代表曲は「乙女の祈り」。電話の保留音や信号の待ち時間に流れたりもする曲なので曲を聞けば分かる人もたぶん多いでしょう。実際のバダジェフスカも、このキャラと同じく女性。ほぼ独学で音楽を学び、自費出版で楽譜を作って出版社に売り込んだり、楽譜を手売りしたりしていたそうです。まだインターネットのない時代にインディーズのバンドみたいな活動を続けていた彼女は後にパリの音楽雑誌でこの「乙女の祈り」が紹介されたことでヨーロッパ中に知られていきます。ただもったいないのがこの曲。みんなメロディーは知っているけど作曲者の名前と曲名はほとんど知られていない。僕もクラシックは詳しくないため、このアニメでバダジェフスカのことを知りました。ちなみに、バダジェフスカ乙女の祈りの他にも40曲ほど作曲を手がけていたものの、その殆どの楽譜が第二次世界大戦により紛失。残っていたのがこの曲の楽譜ぐらいだっそうな。物語では「一発屋」扱いされているけれど、戦争さえなかったら彼女ももっと高い評価を受けていたかもと思うと、複雑。不遇な一発屋だけど、この乙女の祈りは誰でも知っているポピュラー曲。それは言い換えるといつ、どの時代であっても、人から飽きられることのない曲ともいえます。ある意味で誰からも飽きられない曲を作るという音楽家の理想を1曲で叶えた彼女もまた偉大だと思う。

テクラ・バダジェフスカ - Wikipedia

 

8、バッハ

f:id:arrow1953:20171007033306j:plain

 ご存知、音楽の父と呼ばれており、アニメ本編ではチャイコフスキーバダジェフスカのデュオのプロデューサーでもある。また、自分を含めクラシカロイド8人の謎を知っている人物。実際のバッハについてはプライベートな書簡なども少ないため、どんな性格だったのかわかりづらいそうな。ただ弟子にあてた手紙には「勤勉に練習なさい。君には私と同じ健康な5本の指がある。」とか綴っていたり、業績について人に尋ねられた時に「私はとにかく一緒懸命に働いた。皆さんも懸命に働けば成功できます」と答えたり、人から演奏を褒められた時には「正確なキーを正確な指で叩く。それだけで自然と楽器は鳴ってくれる」と語ったりするなど、その振る舞いはとにかく真面目なオヤジという印象。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ - Wikipedia

 

9、ドヴォルザーク

f:id:arrow1953:20180102000135j:plain

 

 カバ。ソレ以外に言い表せないキャラクター。クラシカロイドはそもそも前述した女子高生、歌苗の父親である発明家「音羽 響吾」が歴史上の作曲家の記憶などを元に生み出したアンドロイド。なのにどういうわけか、カバ型。実際のドヴォルザークチェコ出身。アメリカの「ニューヨーク・ナショナル音楽院」の院長として招聘されて渡米後、アメリカで出会った音楽などを取り込みおなじみの「新世界より」を発表しました。

 

www.youtube.com

 アニメではこんな風に車掌に扮したドヴォルザークがムジークを発動。なんで車掌かっていうと、ドヴォルザークって「鉄ちゃん」だったんですよ。列車の時刻表、車両の番号や運転士の名前の暗記もあたりまえ。日課の駅見学に行けない場合、弟子に行かせて車両のシリアルなどをメモさせていたそうな。その中には娘の婚約者「スーク」っていう人物もおり、鉄道に興味のないスークは車両シリアルのメモを間違えて報告。ドヴォルザークは激怒して娘に「お前はあんなバカな男と結婚を考えるのか!」と怒鳴りまくったエピソードも知られています。あ、ちなみに現在チェコにはそのドヴォルザークの鉄道愛へのリスペクトから、ドヴォルザーク本人の名前を冠した列車を走らせているとのことでした。

 

アントニーン・ドヴォルジャーク (列車) - Wikipedia

 

10、ワーグナー 

f:id:arrow1953:20180102085355j:plain

 ドヴォルザークと共に、クラシカロイドたちが居候(リストとショパンは家賃を払っている)する音羽館にやってきた少年。歌苗の弟を名乗り、ベートーヴェンたちと生活を共にすることとなりました。何やら謎めいた野心を秘めているようで、そのあたりについては実際のワーグナーの人物像が今後の物語の鍵を握るんでしょう。その実際のワーグナーとはどんな人だったのかというと常に自信家で挫折を繰り返した結果、民族優生主義につっ走っていった今で言う「ネトウヨ」。

 ベートーヴェンに憧れて音楽家になることを決めてライプツィヒ大学で哲学、音楽を専攻したはいいけども中退。楽譜を出版社に持ち込むもなかなか売れため貧困と借金にあえぐ青年時代を過ごしました。その頃、偽名で新聞の投書欄に自分の作品を評価する投稿も行ったそうな。その後、王政打倒を掲げるドイツの三月革命に参加したことで国を追われる身になったりしながらも地道な活動を続けて、だんだん名声を得ることになったけれど若い時代の辛酸を嘗めた経験からドイツ人(アーリア人)優生主義に傾倒。そんなバックボーンに支えられて作った曲はヒトラーを心酔させるほど高揚的。ワーグナーの思想や音楽は、ヒトラーナチスに大きなに影響を与えることとなりました。後にナチスも組織の思想とワーグナーの曲との親和性を最大限に利用。歴史に「もしも」を語っても不毛だけど、もしもワーグナーが売れておらず、ヒトラーとも出会わなかったらあの第二次世界大戦も起こらなかったのかも。芸術と人物像は別に考えるべきだというのも分かるんだけども、正直言って僕はワーグナーを認めたくありません。ただワーグナーの「ワルキューレの騎行」などを聞き、その高揚的な心地よさも僕自身感じたりもするし、その気持ちよさにハマる人の心情も分かる。だけど、その気持ちよさは危ういものであることを忘れたらいけないんだろう。ちなみに僕にとってのワルキューレの騎行といったこのCM曲。

www.youtube.com

 

 あ、ちなみにバッハやチャイコフスキーなどのアレンジ担当はつんく♂ - Wikipedia

 80年代〜90年代の日本の音楽シーンの代表的なアーティストやボーカロイド使いなど多彩で豪華なメンツを揃えたラインナップ。youtubeで音楽集の視聴もできるのでまぁどうぞ。

www.youtube.com

 今回の収録曲ではヴェートーベンの曲を布袋のギターが気持よくリズムを刻む「田園」と音がなめらかに氷の上をすべっているようなメロディが特徴的な、モーツァルトの「アイネクライネ・ナハトムジーク」がお気に入り。このCDにはアニメで放映されたとおり歌バージョンとインストゥルメントル版の2タイプがあるんですけど、曲調はまさに「ヴェートーベン」と布袋を足して2で割った感じ。たぶん多くの人がコレを聞いたら「なるほどね。」と思うことでしょう。ただ、歌のバージョンは「熱き情熱を抱きしめ、人はバラの如き気高さを持って人生という旅を生きている!」といった風な内容の歌詞だったので思わずまんま布袋じゃねーかよ!とツッコみました

 EHAMICはショパンをボカロの曲にしちゃうし、朝倉はリストを90年代のバキバキな打ち込み系ソングに改造、つんく♂チャイコフスキーの曲をハロプロ系のアイドルソングにカスタマイズのやりたい放題。だけど原曲に対するリスペクトを強く感じさせるので、決して聞き飽きません。
 今回、久々に買ったCDだけど音楽っていいわと思わされました。異なった10数個の音を規則的に並べて緻密にその音の並ばせ方を考え、調和を図ることで「音」を「曲」に昇華させた音楽家という人たちはやっぱすごい。

※地下鉄の駅で「エア指揮」をやっているおっさんがいたらたぶん僕だ!(笑)

 

  

にほんブログ村 その他日記ブログ オタク日記へ
にほんブログ村

 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

クラシカロイド MUSIK Collection Vol.1 [ (アニメーション) ]
価格:3024円(税込、送料無料) (2017/3/16時点)


 

 

 今週のお題「休日の過ごし方」