サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

日馬富士の暴力事件と相撲漫画「火ノ丸相撲」の暴力を考える

こんにちは。

 本日のブログ記事のテーマはこの話題。

www3.nhk.or.jp

 同郷の後輩力士、貴の岩(前頭八枚目)の態度が気に入らないとの理由で、日馬富士は後輩の頭をビール瓶で殴打。この事件について「横綱の品格」がどうのこうの「引退」をどうのこうのという声もあるけど、事実なら品格以前の話で弁解の余地もない傷害事件ですからねコレって。でもこの事件についてはサブカルとも関連のない警察案件なのでわざわざブログで語ることもない、とか思っていたんだけど、このタイミングで別の相撲部屋で暴力事件(架空だけども)が発覚したのでこちらについて雑感を語りたいと思います。

 

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 コレは各界一の猛稽古で有名な「柴木山(しばきやま)部屋」所属力士「鬼丸(前頭?枚目」が日馬富士と同じくモンゴル出身の同門「白狼(幕下)」を相撲部屋の名を体現するかのように殴っている風景。この暴力事件の背景にあったのは白狼の態度。場所明けの番付発表にて、先輩の力士が苦節10年を経て十両昇進を果たしたことへの嫉妬と焦りです。実を言うと鬼丸と白狼の二人は高校時代に全国大会の団体戦で直接対決はなかったものの、優勝をかけて競った仲。ケガなどのハンデを負ったものの幕内力士となったライバルの鬼丸、別の部屋所属の力士になり三役の地位を手にした相撲部の先輩らの華々しい活躍を横目に伸び悩んでいる自分。そんな時に普段見下していた同門の先輩が十両となったら、そりゃおもしろくありません。白狼は「自分の方が才能がある!10年やっていりゃ十両くらいなれる。自分はこんなところでモタついている暇なんてない!」と、周囲が咎めても不貞腐れ続けていたのをずっと見ていた鬼丸が殴り、白狼をこう諭します。

 

 「諦めるのも諦めないのも簡単ではない。10年という年月は軽くない。それをわからないお前じゃないだろう?」

 

 鬼丸の叱咤に我を取り戻した白狼は涙ぐみ、非を認めて謝罪。これだけ見ると絵面的にすごくいいエピソードなんだけど、モブのツッコミを見ていてふと考えちゃいました。

 

「っていうか(鬼丸も)殴ることないのに。昭和じゃないんだから」

 

 和やかな部屋の食事風景で、談笑交じりにそれこそ鬼丸の優しさ、魅力みたく語られるため微笑ましくも思えるんだけど、コレって言われてみたらそのとおりで、程度こそあれども人が人を諭すという時には暴力なんてやったらだめよ!っていう話ですよね。物語の舞台は体育会的な「相撲部屋」なだけに説得力もあり、その鉄拳には自分を含めて読者をスカッとさせる「カタルシス」もある。だけど、この説得力もカタルシスもやっぱり「昭和」っていうか物語だけに許される価値観なんだよな、そこに共感している自分もやっぱり「時代遅れの古い価値観」に支配されているんだな。この爽快さは漫画だから許されるものであり、現実に持ち込んだらダメ。と強く思いました。今回の日馬富士の理不尽なビール瓶殴打事件も、鬼丸の愛情のある鉄拳も力でモノをいわせるという点で同類。力で目下の相手にモノを言わせる暴力(物理的、精神的を問わず)を現実に持ち込んだらダメだね絶対!コレ相撲部屋だけじゃなくて。

 

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※くどいけど、僕自身この漫画大好きだし、上述の描写も全然アリ。だって漫画だから。ただこの情を込めた鉄拳を「愛のムチ」なので良しとする誤った価値観をリアルな社会に持ち込むな。そこにあるカタルシスはとても危ういぞ!!っていう話だけど伝わってる?

 

arrow1953.hatenablog.com

 火ノ丸相撲についてはこの記事でも紹介。合気道の技術を身につけたことで10年間も幕下に甘んじていた力士が小結(三役)になったっていう、今回の芝木山部屋暴力事件の発端になったエピソードっぽい実話などについて語りました!!