サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

芳賀ゆいこそ伝説でありバーチャルアイドルのルーツである

こんにちは。

 本日のテーマは「アイドル」。アイドルの追っかけを「報われることのない単なる金の浪費」と考えている僕にとってはある意味で、最も苦手なテーマでもあります。

 

芳賀ゆい」というアイドルについて

AKB48」、「欅坂46」だの「ももいろクローバーZ」だのといった様々なアイドルユニットや、可愛すぎるアイドルと騒がれた「橋本環奈」、その他小規模ライブを活動の中心としてメジャーへ進出を狙うディープな「地下アイドル」とか言われる存在、広義的な意味で「初音ミク」みたいな実態を伴わない架空のアイドルなどを含めて非常に細分化しているため以前の「ピンク・レディー」や「山口百恵」、「松田聖子」に「中森明菜」。ジャニーズだったら「光GENJI」などなど。そんな国民の誰もが老若男女を問わず共通言語として認識していたアイドルってたぶん「SMAP」が最後だったんだろうなと僕は思っています。

 

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 そんな多種多様なアイドル像ですが、その中で異彩を放ったアイドル「芳賀ゆい」なる存在を皆さん覚えているでしょうか?     

 

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芳賀ゆい - Wikipedia

 

実在のないアイドル「芳賀ゆい

 この芳賀ゆいなる人物は何者かっていうと実態を伴った架空のアイドル。実態のない架空の存在であるため、彼女の写真はすべてこのジャケットみたく目元が隠されていたり、後ろ姿のみ撮影した写真だったりします。実態のないグラフィックと音声だけのキャラをアイドルとして育てた「初音ミク」とは異なり、実態のない「言葉」から想像力を駆使してルックスのイメージや音声を生み出していった独特な存在で、発案者は秋元康っぽいけれども伊集院光

 

 89年に伊集院光の担当していた深夜ラジオ「オールナイトニッポン」で「映画監督の大島渚いう名前はアイドルに付けるべきだ」という発言からリスナーが「はがゆい(歯痒い)って言葉もアイドルの名前っぽい」というハガキが届いたことで伊集院とリスナーの共同作業的な発想がだんだん広がり、デビュー曲タイトルのやそのCDジャケットのイラストの投稿など反響も大きくなったことで番組でも「架空のアイドルを作っちゃおうぜ!」というコーナーをスタート。そのコーナーで「年齢は16歳前後」「髪型はポニーテール、ルックスはややタレ目で小柄」というふうにイメージ像を作っていったそうな。音声のみで映像が伝えられないというラジオの特性を逆手に、伊集院やリスナーたちは「芳賀ゆいのビジュアルはリスナーの空想のみにある」として顔を公表させずに水着のグラビアやラジオパーソナリティほか歌手として活動。およそ1年のみでこのプロジェクトを「芸能界を引退して台湾に留学」というかたちで跡形も残さずに終了させました。限定された時代にのみ存在して徹底的なまでに消費をされた後はもう消えるのみというサブカルチャーの本質を体現した究極の偶像、アイドルといっても過言じゃありません。

 

 その芳賀ゆいから30年後の現在。メジャー、インディー問わずに多くのアイドルたちが今日も歌ったり踊ったりドラマで演技したりしています。だけど10年後にどれだけ残っているか。未来にあるのは「記憶に残る」「残らない」という2つの結果のどちらかのみ。それって考えたら、すごく残酷だと思います。みんなそんなの承知の上だろうけど。そういう意味で活動はたったの1年のみであるとして、徹底的に楽しんだ後に何も残さないという方針を徹底させた「芳賀ゆいプロジェクト」は改めて日本のサブカルを考える上で評価されるべきではないいのだろうか?と僕は思っています。

 

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※記事にある芳賀ゆいのデビュー曲「星空のパスポート」を収録。曲の作詞を手がけたのはなんと奥田民生。ちなみにWeblioの情報だと芳賀ゆいを演じた女性は計57人だったそうな。

 

www.weblio.jp

 

 

今週のお題「私のアイドル」