サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

モンゴルをめぐる国際問題に、あの人物を想う

こんにちは。

 今日のテーマはモンゴル。きっかけはこのニュースです。

 

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 日本の少年漫画雑誌「月刊コロコロコミック」の連載作で、モンゴルでは英雄とされる人物、チンギスハーンの肖像画に落書き。これを受けてモンゴル出身の元・横綱「朝昇竜」は激怒。さらにはモンゴル大使館も外務省に対して抗議声明を出す騒ぎになっています。以下の声明は記事引用。

 

 「月刊コロコロコミック(3月号)で、モンゴル国の歴史と文化だけではなく、日本の政府、国民のモンゴルとの友好関係を強化し続けたいという意志までも見下すような内容の、道徳性の欠如したイラストが掲載されました。これは単なる非道徳的な行為だけではなく、わいせつ物頒布、児童の権利の保護に関する日本の法律にも違反していると考えています。したがって、このような非礼な行為を非常に残念に思い日本外務省に抗議の意を示すとともに、この件に関して法律の下での適切な対応をしていただけることを期待しています」

(原文はモンゴル語。翻訳・バークレーハウス語学センター)

 

 

 たった今出した情報が数分後にはインターネットで世界に広がる現在。「こんなの、誰でも世界史の教科書などでやる落書きだろ?そんな騒がなくても」とかいう、僕らの古い感性は世界的に通用しないんだな、というのが率直な感想だったりします。

 さて本題。日本でモンゴルといったら先述の朝昇龍や現役横綱白鵬日馬富士など相撲界で名力士を輩出し続けている国というイメージが強いと思いますが、僕らの世代ではモンゴルといえばこの人。

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出典:キン肉マンゆでたまご) 集英社

 

 モンゴルマンキン肉マンの「7人の悪魔超人編」以降に登場する超人で、キン肉マンや他の超人らが敵キャラとの戦いで窮地に陥りそうな時に、颯爽と現れて仲間を助けた後で姿を消すお助けキャラで、キン肉マンだけではなく大勢の超人たちが「実力者」と認める存在です。

 その正体は中国出身の超人、ラーメンマンラーメンマンは超人オリンピック編にて旧ソ連の超人「ウォーズマン」に戦いを挑み、敗退。それだけでなくその時のケガの後遺症で再起不能になっていました。

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出典:キン肉マンゆでたまご) 集英社 

 このシーン、僕らの世代ではトラウマになっている人も多いはず。その後、ラーメンマンは身につけている間だけ身体能力や意識回復を果たせる「モンゴルマン」の覆面を入手。そのために仲間の前で正体を明かせない存在としてキン肉マンの前に現れては戦い続けていましたけど、モンゴルマンは正体を明かせない。といってたクセに自分で正体を晒してもいます。

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出典:キン肉マンゆでたまご) 集英社

 読者もなんとなく「モンゴルマンラーメンマン」なんだろうな、と思っていたら初出の「7人の悪魔超人編」で悪魔超人のNo,2だったギリシャ出身の「スプリングマン」を倒した後、この悪魔超人シリーズ最強の敵キャラ、スペインのバッファローマンとの戦いを後ろに控えているキン肉マンに任せて退場。その際に覆面を脱いで横顔を周囲とギャラリーにあっさり晒しています。それを見た正義超人らは「モンゴルマンはやはりラーメンマンだったのか」と、大騒ぎ。言葉で語ることのできない去り行く男の事情を背中に察したキン肉マンは「私たちを助けてくれたのはモンゴルマン。それでいいではないか」と興奮冷めやらぬ仲間を抑えた後、そっと小声で「ラーメンマンありがとう」と呟きます。それはそれでキン肉マンの名シーンなんだけど後の「黄金のマスク編」「夢の超人タッグトーナメント編」はその正体晒しをなかったことにして物語に登場。登場すると仲間やキン肉マンたちがかならずといっていいほど呟く「モンゴルマンの正体はいったい?」というセリフにはわざとらしさ、やらせっぽさをなどを感じたもんでした。とかいってもその方が物語も盛り上がって面白くなるのでいいんだけど。たぶん作者のゆでたまごと担当編集者はこの正体晒しを「やるんじゃなかった」と後悔したんでしょう。

 

 このキン肉マン、ストーリーを盛り上げるために本来の設定をなかったことにしてまるっきり変更させるということをよく行います。この手法は昭和仮面ライダーのプロデユーサーを務めた平山亨さんもよく「物語を面白くするため、古い設定がジャマになったんなら変えちゃえ!」的なことを語っており、それは出版、放映された瞬間の面白さを追求するサブカルとしてはアリ。70年代から80年代の作品って連載中、放映中に設定がコロコロ変わっている作品たちの宝庫ともいえます。だけども90年以降、多くの作品たちが情報としてストックされるようになっていくとそれらは物語の「矛盾」として作品叩きの材料にもされるケースも増えたせいか、最近は減っているような印象。古い世代のサブカル愛好者としては、その当時の即興的な面白さとそれを味わうため、以前の設定をスルーする読者と読者たちの共犯関係も懐かしく思えたりもします。それはさておき。モンゴルの皆さん。僕ら世代はモンゴルマンを通じてモンゴルに強い親しみをもっています。喧嘩せずに、お互い仲良くしましょうよ。

 

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 ※僕らよりも上の世代だったらたぶん、「モンゴル」と聞いて思い出すのは「モンゴリアンチョップ」のプロレスラーかこの曲。

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 歌もダンスも中毒性あるんだけど、日本語訳を見て驚いた。コレって国際問題レベルの酷さ。