サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

エロで売るアニメもラノベも日陰者らしくコソコソしてりゃいい

こんにちは。

 本日のテーマはアニメやライトノベルラノベ)などにおけるエロ表現について。それについて記事を書こうと思ったきっかけは、ツイッターでふと目にしたこのつぶやきでした。

 

 ツイッター主の娘さんが女性の胸やお尻などの、性的シンボリックな部位を強調した表紙をつけた大量の本を並べている書店の光景を見て不快感を示したそうな。僕自身も娘を持つ未熟な父親ですが、この記事では「父親」という立場でなく、アニメ作りに携わっていた「元制作進行」の立場から語らせてもらうとコレははっきりいってもう「物語の敗北」といっていい現象です。本の表紙というのはいうまでもなくユーザーに購入を促すための「訴求」という要素を担っています。つまりユーザーに表紙で買わせるためこういった表紙を使っているということは身も蓋もない言い方をさせてもらうと出版社が「本の物語が面白いと自信を持てないので、エロ絵に群がるオタクどもを相手にアコギな商売をやっていまーす」といっているようなものだと思います。

 

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 この20年でアニメ、マンガ、ラノベなどのサブカルにおけるエロのモラルというか、基準がえらく下がっているな。というのは僕があるアニメ制作会社で制作をやっていた頃から感じており、同時に憂いてもいた事象でした。ちなみに下の写真はツイート主が「自分の子どもの頃のラノベ表紙はこんなもんだった」という20~30年ほど前のラノベの表紙と、同時期に大学で「漫画におけるエロ描写の表現と世相」についての研究のため、司書房などのアダルトコミック雑誌をある時期、毎月買っていたころの表紙。

 

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   20年ほど前のラノベの表紙

 

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20年ほど前のアダルトコミック雑誌の表紙

 当時はこういうのに興味をもってなかった。というのは大ウソで研究のためとはいえ興味アリアリだったけど、コレを本屋さんのカウンターに持っていくのが本当にイヤでイヤで、当時は本屋の中を右往左往する挙動不審なお客になっていました。この20数年前の写真と比べると、一般的なエロの基準がひどく下がっているというのが一目瞭然。お姉さんの半裸アニメ絵の本を買うのが「恥」だった頃のアダルトコミックの表紙と同様のクオリティー、いやモノによってはそれより過激な表紙のラノベを皆さんホイホイと買っているんですよ。これを時代の変化とも呼べるけども、この現状は表現の進歩なのか退化なのかは、皆さんもどうかよく考えてみてもらいたい。というところです。

 

 僕もこういうエロな絵に性的な興奮を抱くこともあるので、こういったエロな表現を全部否定するつもりはありません。それらを異常な趣味とも思わない。ただやっぱり、エロ表現というのはどんなに理屈をつけても「日陰者」であり、市民権を得ているものじゃないんだということは認識しておくべきなんだろうとは思う。女性の半裸を表紙に描いたラノベや漫画が世に出回り、売れたっていい。だけど、そういう表現はこちら。

 

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 街角にひっそり置いてあるエロ本の自動販売機で周囲をキョロキョロ見回しながら、手の震えをこらえて小銭を入れて本を選び、下の取り出し口からいそいそ本を取った後脱兎のごとく撤退。その時間は数秒にも満たない。そのエロな本を抱えながら「俺はエロいアニメ絵を心底愛している日陰者だ!だがこの日陰な趣味に人から文句を言われる筋合いなどどこにもない!」といって90年代のとんねるずの名曲「情けねぇ!」の歌詞のように芝居じみた正義の拳を振り上げる。っていうのが昔のオタクの美学でもあり、作法でした。その頃を思いながらただ「昭和と平成は遠くになりけり」と僕は今日も呟いてブログで愚痴るのみ。エロイラストのラノベも漫画も大いに結構。だけど、そういうのは本屋の角でひっそり売ってろ。それらが人気を博してアニメ化!いいね!!だけどそういうのは有料エロ専門チャンネルで金を払って観ろ。エロ表現の基準低下でそれらを簡単に享受できる世間に甘え、昔みたいな精神的、経済的なコストを払って手にするエロがどれだけ極上かを知らない人たちを気の毒だなと、僕は心から思う。いやイヤミじゃなくマジでそう思っている。

 

 

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 アニメ制作の時代に監督から「AMはこういう表現をどう思う?」と質問されたので上記のような回答をしたこともありました。その時に監督は怒らずただ「物語の敗北。その言い方にはムカついたけどこれほど適切な分析もないと俺は思う。」と、ため息をついていたのを僕は覚えている。