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日本国憲法とは何か?について、おそ松さんの赤塚不二夫センセに学ぼう

こんにちは。

 5月3日は憲法記念日。現在、日本では憲法9条などをめぐり憲法改正、護憲のどちらを選ぶか意見が真っ二つに別れています。現在の政権になってからやたら憲法改正というフレーズがメディアでも飛び交うようになった背景を受け、今年の憲法記念日には「皆さん。少しはこの国の根幹となっている『日本国憲法』を考えてみませんか」ということで人気声優が日本国憲法の全文を朗読するというイベントも行われました。

 

 

人気声優の「日本国憲法朗読」

animeanime.jp

 

以下、リンク先の記事引用。

声優・古谷徹三石琴乃による「日本国憲法」全文の朗読が、動画サービスniconicoの「ニコニコ生放送」にて配信決定。5月3日の憲法記念日に24時間ループ放送される。

 今回の朗読放送は、「憲法」について考える特別企画「特集 日本国憲法」内の一企画として実施。特集ではドキュメンタリー映画日本国憲法』のネット上映会なども行われ、様々な視点で憲法について考える企画番組となる。

タイトル:声優・古谷徹の声で「日本国憲法」全文を聴こう《憲法記念日
放送時間:5月3日(木)0:00~24:00(24時間ループ放送)
出演(声):古谷徹(声優)

タイトル:声優・三石琴乃の声で「日本国憲法」全文を聴こう《憲法記念日
放送時間:5月3日(木)0:00~24:00(24時間ループ放送)
出演(声): 三石琴乃 (声優)"

 

 日本国憲法の文章が難解で敷居が高いという人にとってはエヴァンゲリオンミサトさん風にいうと「サービス!サービス!」な企画。 現在の政権が「憲法改正」を声高に唱えている限り、改憲を実際にやるとしてもやらないにしても日本国憲法の在り方についてを考えるのは大人の責任ってやつです。そして僕の考えとしては「ネトウヨ」な考えを持つ人にサヨクと罵られそうですけど、護憲の立場です。

 

日本国憲法とは本来、権力暴走の防波堤 

 誤解をしないでいただきたいんだけど、僕が護憲派として憲法改正に異を唱えるのは憲法9条を守るためだけではありません。憲法っていうのは権力の暴走を食い止める防波堤みたいなものであり、それを権力側が積極的に改正したい!と望むのは自らの首輪を外せ!!思い通りにこの国を動かせる力を俺たちによこせ!と叫ぶ振る舞いと同じであると思っているからです。そういう意味では自民党だろうが立憲民主党だろうが共産党だろうが、それらが権力を握った際に憲法改正を訴えたら、僕は各党の主義主張を問わず大声で反対するでしょう。

 

日本国憲法とは何かを「赤塚不二夫」の体験から考える

 さて本題。深夜アニメ「おそ松さん」のブレイクで最近、注目を集める伝説的なギャグ漫画家の赤塚不二夫センセ。おそ松さんの原点であるおそ松くんや天才バカボンなど多くの傑作を生み出した偉大なる漫画家ですが、キャリアの後半は多くの入門マンガを発表しました。

 

ニャロメのおもしろ数学教室

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 ちなみにこの本、昭和56年にTBSの「日立テレビシティ」という番組でアニメ化。小学校1年の時に見ていたのを覚えているけど内容はぜんぜん覚えていないのが淋しい。

 

ニャロメのおもしろ宇宙論

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 アインシュタイン相対性理論の基礎を学べるマンガ。小学校2年生の時にこれを読んで「クエーサー」などの単語や「ニコラス・コペルニクス」などの人名を覚えまくった。意味は分からなかったけど。そのほか麻雀入門や性教育入門などもあるけど今回、紹介するのはバカボンパパによる日本国憲法入門」

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 「日本国憲法」なのだ!

 バカボンのパパ日本国憲法を語らせていいの?かと思いきや、この本の内容は割とまとも。

 

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 本を読んでみて分かるとおり赤塚センセは「護憲」の立場なので、ネトウヨの人たちがこの本を手にしたら「自虐的」「日本史について、無知な漫画家である」と騒ぎまくり、この偉大なギャグ漫画家のことを「反日」と呼び、口汚く罵倒することでしょう。

 

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 ただね。赤塚不二夫って、満州で産まれ育ってから日本に帰国以降も壮絶で悲惨な戦争・戦後体験を味わった戦中派でありその体験から「何があっても戦争なんてイヤだ」「この国は嘗ての同じ過ちを繰り返すかも!みんな気をつけろ」と語っている。つまり赤塚不二夫がこの作品をつうじて語っている「護憲」は子どもだった頃に味わった戦争体験。その赤塚の体験に基づくリアリズムそのものなんですよ。

赤塚不二夫 - Wikipedia

 

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"赤塚:「で、くやしいのは、終戦になって、民間人のぼくたちは、軍隊が守ってくれるどころか置き去りにされたことですよ。最初に逃げたのが軍部だった。いくら政府が自衛のための軍隊だ、なんて説明しても、僕を守ってくれるものじゃないって、てんで信用してないの」"

出典:-「日本国憲法なのだ!」-対談より。

 

 

 赤塚不二夫は軍隊や政府はかっこいいこというけれど所詮は口だけで、民を守ることなんてないという現実を、自分の戦争体験から知っているんです。権力が唱える口当たりのいい「国を守るための憲法改正」とギャグマンガの第一人者がギャグでふざけることなく語る警告。僕らはどちらの言い分を信用するべきなのかはおのずとわかりそうなもんですけども。

 

 

※改正?護憲?どちらにせよ僕らが深く考えず「これでいいのだ!」とはいきません。ただ、これだけは言っておきたい。日本国憲法の本質は対外的な脅威から国を守る「防衛」ではありません。「国」を守るなどという大義名分で、この国の権力に国民の生命や権利、財産を奪わせないため考え出された知恵であり「防波堤」なのである。ということを。そりゃ権力側は憲法を変えたがるわな。自分たちのやりたい放題に権力を振りかざしたいんだから。とりわけ現行憲法の下でも平気で公文書を改竄したり、政治家や役人ぐるみで嘘をついたりするような、どっかのバカな安倍という首相をトップにする恥知らずなこの国のお偉方さんらは特に。