サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

自衛隊の募集も地域振興もキモいオタクの萌えに頼るな!

こんにちは

 本日のブログはこの記事から。

news.livedoor.com

 

 

 

f:id:arrow1953:20190306020533j:plain

 

 自衛隊・滋賀地方協力本部自衛隊募集ポスターに「ストライクウィッチーズ」というアニメのキャラが使われており、ヒロインキャラの下着が見えているような絵柄からポスターが「セクハラ」にあたる。という声が上がっているそうな。

 

 上記リンク記事によるとキャラの服装は下着でなくてズボンである。として今後も掲載を継続する。との話だったが、結局のところ批判が収まらずに撤去。この話題を受けてロリキャラ大好きオタクや性表現へのゾーニングなどにはうるさいくせに他の表現については呆れるほど無頓着な表現の自由戦士どもは「表現の自由がどうのこうの」と、騒いでいましたなそういや。

 

表現の自由?ロリキャラで何を表現?

 そういう連中には常に、僕はこういってやります。表現の自由?目が大きく身体のラインを強調したり、肌の露出が多い服を着て独特の口ぐせや口調で会話をするキャラを使って自衛隊の何を表現したいんだ?答えられるなら答えてみろ」と。

 

 このアニメを使った募集ポスターから見えてくるのは自衛隊の「可愛い女の子アニメキャラを自衛隊のポスターに使えばイメージアップだ!!」という極めて安直な思考。そして公的機関にアニメキャラが使われたことで「自分たちの趣味が公に肯定されているんだ!」とかいう勘違いをしているバカなオタクたち。というところでしょうか。

 

 どちらにしても不幸なのは世間の常識からいえば「ロリキャラ=キモオタ」というのが一般的であるという現実に気づいていないことでしょう。キャラの履いているのがズボンか下着か云々なんていう議論なんてどうでもいい。アニメに興味ない人がこのポスターを見たら「生足のロリキャラ?こんなの好きなの?来るな!キモイ!」っていうだけ。オタクの人は、そこを認識しておくべきでしょう。あなたたちの好きなモノ=皆の好きなものではありません。

 

曖昧なアニメとポルノの境界

 アニメやサブカルで描かれる女性はポルノなのか?そうでないのか?という議論についていうとアニメ制作の現場で働き、そこでDVDを売ったり視聴率を上げるため女の子のセミヌードを登場させたりするのを直接、目の当たりにしてきた経験から言わせてもらえば常にグレーゾーンだというのが僕の意見。商業目的で大きなお友だちの性的興奮を煽るような表現を多用してきたのが90年代後半~現在のアニメというのもまた事実です。むろんアニメ作品全部ではありませんが。

 

 この「アニメ=児童ポルノ」っていうくくりについて「そういわれたら否定できないところもあるよな」というのが僕のスタンスではあるけれど、それをプライベートな趣味で楽しむ分には問題は全くありません。それらにポルノ的要素があることを自覚して、きっちりとゾーニングを行いパブリックとプライベートで折り合いをつけられるなら、文句をいう筋合いは誰にもありません。むしろ僕はアニメをポルノ扱いしておきながらそれらの持っている「記号的な分かりやすさ」「かわいさ」を利用して政治・経済の分野でポピュリズムを得ようとする人たちの二枚舌こそ批判されるべきだろう。と思います。

 

サブカルの「萌え」にすり寄る行政、国防 

 被害妄想のひどいオタクはすぐに「オタク差別」なんて簡単にいうけれど、80年代~90年代なんてオタクは周囲からしたら「侮蔑と嘲笑のターゲット」でした。僕自身も、中学生だった頃に「鎧伝サムライトルーパー」の女性キャラ「ナスティ柳生」にハマりこっそりアニメイトで水着のイラストポスターを買ったことがありました。もうその時抱いていた後ろめたさみたいな感情ったらありません。コレを見られたら俺の学生生活めちゃくちゃだなぁ、確かにアニメに興味ない人がこんなのを見たら不気味だろうな。とかウダウダ考えているうちに自分のプライベートと外的空間のパブリックとの折り合いのつけ方を身に着けた。僕らはそうやって社会から見た自分たちのキモさを認め、それでも自らの趣味を肯定しながら公私を切り分けたうえで、オタクであり続ける覚悟を持ったのです。

 

 で、それはかつてのオタクたちが現実にコミットするための「作法」だったんですよ。なに?オタク差別?君らは僕らの時代と比べたらすっげーぬるま湯に浸かっていると思うぜ。自衛隊や行政が積極的にオタク的表現を使ってくれてよかったじゃないか。ある意味社会から公認を受けたわけだ。すげー恵まれているな君ら。それでオタク差別だ?フェミニズムに否定された?そんな程度で騒ぐな!

甘ったれるなバカと怒鳴ってやりたくなります。自分たちの趣味を周囲に認めてもらいたくてギャーギャーわめいている現在のオタクは正直いって見苦しい。

 

 僕らの90年代後半あたりから「萌え」という言葉が流通し始めて以来、日本の政治・経済・文化がその「萌えキャラ、ロリキャラ」のあり方を変化させていき、現在に至る。公的なものがポピュリズムを得るために萌えなどのサブカルに媚びてきたりすり寄ったりする現象が増えています。以前はそれらを犯罪の温床とでもいいたげに扱ったり、時にはそれらを「非実在青少年」表現とかいう名称で呼んで、規制しようとしたくせに。

 

 それがいつのまにか掌を返すように非実在青少年を使い自衛隊員を募集したり、地域の振興に使ったり。そういった風潮に僕はウンザリしています。そういや数年前には海女さんの萌えキャラが一部で賛否両論にもなりました。

 

ama-megu.com

 

 僕はあまり感心しませんけどまぁ、最近アニメの舞台となった自治体に多くのファンがお客として訪れるっていう現象が増えているのを考えたらこういったものに頼りたくなる気持ちも分からなくはありません。

 

 さっきも書いた通り、現在のアニメ表現はポルノではないけれどポルノ的要素を含む表現であることは否定できないというのが僕の考えです。それを「個人の趣味」レベルで消費することは批判されるのに行政みたいな「パブリック」が市民権を得るため広報で利用されているっていうことについてオタクはもう少し真面目に考えるべきです。

 
 僕自身のいいたいことは「女の子のセミヌード表現や、萌え要素の強いキャラクターが全盛となっている現在のアニメ環境を『セクハラ』と思う人はいるだろうね。ただ、そのアニメ表現を犯罪の温床みたいに扱いながら町おこしや自衛隊の勧誘に使っているこの国の空気って何?」ということです。町おこしや自衛隊員勧誘に「萌え」を利用している一方で行政が「非実在青少年」表現を巡って条例を改正しようとしたりするこの二枚舌な現状について、アニメファンは本来「お前らどっちなんだ!」と怒るべきなのです。

 

 最近の萌えだけでなく、このアニメや漫画の持つ性的イメージと規制との戦いは昭和から続いており、行政はつねに表現の「敵」という立場にありました。

 

有害コミック騒動 - Wikipedia

 

 その行政がポピュリズムを得るため、サブカルに擦り寄う構図が僕からみたら酷く気持ち悪い。ポスターに使っている萌え絵に性描写があるのかどうかっていう話ではなく。例えば美濃加茂市で話題になったポスター。

 

f:id:arrow1953:20151215012626j:plain

 

f:id:arrow1953:20151215012635j:plain

 

 これをポルノとは言わないけど女性の体型を強調した構図は性的なものをアピールする狙いがあるのは明白。僕だってこのキャラの大きな胸に目がつられました。行政は今までずっとこういう表現を猥褻として否定をしてきた筈。それなのになんでそのサブカルの持つ性的イメージに今、頼りたがるのかを考えると、ある結論に至ります。

 

オタクは行政に利用されるな 

 もし、このムーブメントを多くのアニメファンが「自分達の趣味が社会的に認められた!」と喜んでいたとしたら、それは大きな思い違い。行政は日本のサブカルや「萌え」について「日本の文化」と認めたり理解したんじゃなく、「萌え」の分かりやすい可愛さに目をつけて利用しているだけです。 

 

 だから表現の規制とパブリックの広報という矛盾を、臆面もなくできるのです。利用をしているだけだからこそ、行政がオタク / サブカル表現の賞味期限が切れてもはや価値なしと判断したら、あいつらはあっさりまた掌返しで表現規制に向かいます。

 

 アニメ / サブカル好きなのだったらこの現状や問題について危機意識と批判精神を持つべき。そして、アニメファンにはアニメを二次元ポルノといわれて否定するのではなく「現在のアニメとポルノの境界線は確かに曖昧だけど俺はそれらが好きだ!個人的な趣味として周囲に迷惑をかけないので誰にも文句言わせない!だけど俺らよりもそのポルノ要素を出目とする『萌え』表現に擦り寄るこの国のほうがよっぽど異常だろボケ」と啖呵を切るぐらいの強さを持って貰いたい。

 

追記:アニメのコラボで隊員募集。

 

www.hai-furi.com

 水没によって国土のほとんどが水没した日本が舞台であり、その中で海上を守る女性防衛部隊「ブルーマーメイド」を目指す専門養成学校「横須賀海洋女子学生」の物語だそうで。また、このアニメには海上保安庁海上自衛隊も積極的に関わっていることもありこんなポスターも。

f:id:arrow1953:20160412232435j:plain

 

www.hai-furi.com

 

 

※今回は表現の自由についてこだわりのある人に向けて書いてみました。タイトルがキツイ?大丈夫!表現の自由だもん。