サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

「ジャンプ放送局」単行本はヘタな漫画なんかよりもおもしろい!

こんにちは。

 本日のテーマは創刊50周年を越える「週刊少年ジャンプ」。おっさんとなった現在の僕も愛読している漫画雑誌です。

 

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ジャンプ放送局。それは漫画よりおもしろい読者コーナー

 ポスターには創刊間もない頃から発行部数650万部を越えた90年代初頭の人気作のキャラが所狭しと並んでおります。だけど、このポスターには僕と同世代のジャンプ読者たちにとっては忘れることのできないキャラたちが描かれていません。そのキャラたちとはコレです。

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左:独身、非モテをよくネタにされたイラストレーター「どいん(土居孝幸)」 

中央:大洋ホエールズ(現在:横浜ベイスターズ)ファンで、後にゲーム「桃太郎シリーズ」作成。人ゲームクリエーターとなった「さくちゃん(さくまあきら)」

右:当時は駆け出しだったけど、気づいたらこれまた人気ベテラン声優。小さい胸ネタなどで、読者にいじられていた「ちさタロー(横山智佐)」

奥:デザイン事務所の経営者ながらも貧乏の似合うキャラとして、多くの読者から愛されていた「榎本◯歳(榎本一夫)※◯印には当時の実年齢が入る」。以外に知られていないけれど、RPGドラゴンクエスト」のロゴデザインを手がけた人でもある。

 以下はジャンプ放送局が掲載されていた1982年~1995年までのコーナーや投稿者ほか関わったスタッフの情報などを網羅したサイト。その緻密さはすげー。

JBS Memorial

 

 この4人の担当するコーナーこそ、下手な漫画より面白かった「ジャンプ放送局」。いわゆる読者の投稿お便りコーナーです。

※上記以外にも担当者はいるけど僕にとって全盛期はこの4人の担当時代。

 人気絶頂だったドラゴンボールの名場面を読者がギャグでパロった「ドラゴンボールのパロディ特集」、読者の周りにいる変人たちのエピソードを紹介する「奇特人間大賞」ほか、読者の考えたドラクエ風モンスターを46都道府県分集めデータ化して、強さを競い合う「JBSクエスト」など、独特な企画に読者も盛り上がりました。

 

ジャンプ放送局が漫画を凌駕した日 

 このコーナーはハガキの投稿者が掲載数、ネタのおもしろさによって獲得できるポイントを競い合うものであり、半年間で獲得できたポイントで優勝者が決まるというのが最大のウリ。その掲載ネタのクオリティも高く、このコーナーの投稿ネタだけで単行本が販売された程でした。ちなみにこのコーナー、掲載漫画の人気を競う読者アンケートで他の連載をぶっちぎり、アンケート3位になったこともあったそうな。

 

ジャンプ放送局は日本エンタテインメントの梁山泊

    このジャンプ放送局はトータルで13年継続。投稿常連の中には後継の投稿コーナー「ジャンプ団」で構成ほか漫画原作などを手がけるライター「井沢ひろし(投稿時代のペンネーム:どんちゃん)」や、「もやもやさまぁ〜ず」などの構成を手がけている放送作家の「北本かつら(投稿時代のペンネーム:竜王は生きていた)」などのプロもいるため、このコーナーは図らずも作家や声優など現在のエンタティンメントを支える人材を育てた養成所であり、なにより桃太郎シリーズとドラクエ誕生にも部分的に関わっていた(さくまあきらドラクエ原作者の堀井雄二と友人)ことなどを考えても、これを雑誌のおまけ的ポジションにある読者コーナーとは呼べません。このジャンプ放送局そのものが壮大な作品だったといってもいいでしょう。もうこういう読者コーナーは現れないだろうな。

 

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