こんにちは。
世間はもう年の瀬。これからクリスマスやお正月など楽しい行事も目白押しですけど、この時期になって僕の脳裏にふとよぎったものは昨年、今年初旬あたりにかけて発売された「キワモノ味」カップ焼きそば。インスタント麺業界における「味のイノベーション」というか、他社商品との差別化を進めていくなかで作られた一般的なニーズに逆走するかのような尖った商品の数々。皆さん覚えていますでしょうか。
明星食品の「一平ちゃんチョコソース味」
基本的に食物はみんな旨いというのが僕のスタンスだけど、コレについては論外。思いきり「まずい」と叫びたくなる味でした。両者を食べ比べどちらうまいかを判定しようと思ったものの、どちらもマズイという、ある意味想像できた結果には両メーカーに対して「ふざけるな!」と憤ったもんでした。ちなみに下の写真は一平ちゃん。
ご覧の画像からはわかりづらいかもしれませんけど、この時点で麺が焦げ茶色。そして左からチョコ味のソースに普通のソース、そしてかやくのチョコ。「チョコ×チョコ+焼きそばソース」の公式を見て食べる気が失せてきました。
それでもめげずに作って実食。意外なことに妻は「甘じょっぱいけども、コレはまぁ美味しいかな?」との感想だったけど僕はダメ。チョコの甘さと酸味の効いたソースの塩辛さは合うとは思えない。作った責任で全部食べたけど、正直いってお金を払って食べたい商品ではありません。あとパッケージにでかでかと「謎チョコキューブ入り」とあり、その具材が商品のウリでした。焼きそばの中央部にある具材ですけれど、お湯で熱くなった麺の上にあってもまったく溶けませんでした。食べてみたらサクッとする歯ざわりだったことから、おそらくチョコを練り込んで作ったコーンスナックだったんではないかな。
お次に食べるはペヤング。
こちらは麺に最初から味はついていないオーソドックスな麺と、チョコソースのみ。ソース独特の塩辛さと酸味がないだけおいしく食べられるかも、と考えながら食べてみました。
ソースの酸味を感じないので純粋にチョコ味。だけど麺類とチョコ好きの娘に食べさせてみたところ、吐き出しました。色合いから焼きそばの味を想像していたんだろうけど、いざ食べてみたら純粋なチョコの味だったため驚いたのかも。僕も麺の色合いからどうしてもソース味が頭をよぎるため口に広がるチョコの味と先入観で作られたソース味のギャップに戸惑いました。確かに食べられるんだけどもこれだったらふつーにチョコを買って食べたほうがおいしい。「チョコ食べてる?」というCMでちょっぴり注目されたフルタマンはコレを見たら何を思うだろう。
でも。まぁこの2つはまだ食べられたからイイ。もっともヒドいのはこの商品。
誰がどんなニーズがあって作られたのか全く理解できない、このカップ焼きそば。普通の感覚だったらビジュアル的にまったく食欲を喚起しないため、買おうとおもわないでしょう。だけども、僕は買っちゃった。常識で考えたら、美味しいとは思えない。だけどこの意外性の先に未知なる領域の美味があるんじゃないか?少なくても食えたもんじゃない「食い物に非ず」みたいな商品はメーカーの良心として出さないだろう、と明星食品を信じてたのでした。
ってなことでさっそく開封。中身はフツーのカップ焼きそばだけど付属品がクセもの。
甘辛い味のソース(左)
ケーキの材料を意識したチョコスプレー入りのかやく(中央)
バニラ風味のマヨネーズ(右)
パッケージを開けたことを後悔しながらもお湯を注ぎ・・・いざ、試食。
・・・・・・責任者、出てこい!
麺をひと口含んだ瞬間に甘くて塩辛い味が口に広がり、ミルクとバニラの香り、ソースの酸味が鼻をおかしくさせるふざけた味。八名信夫だって「もう一杯!」とはいいたくないだろうと想像できるほどまずい!誰よ、こんなの作ったの?
ひと口食べた後、妻もコワイもの見たさというか味わいたさ?で興味深々そうだったので、僕は「コレ食べてみる?」と箸を手渡しました。妻はそれを口にしてひと言「まずい」と呟きました。そして僕の側にいた麺類好きな娘にも「食べてみるか?」と面を箸で摘んで口に持って行ったら、複雑そうに娘は顔を背けました(コレは僕と妻で『まずい』を連発していたせいかも)。食物をムダにするのはキライな僕は責任をとってショートケーキ味焼きそばを作業のように食べ続けました。それはなにかの罰ゲームのようで、僕はとても悲しくなりました。
ところが。食べ続けているとアラ不思議。
だんだん美味しく感じるようになってきたのでした。
コレはいったいどういうわけなのか。苦痛レベルのまずさから逃れるため脳が現実逃避したのか?その辺は僕もよく分かりませんけど、食べ続けていたら意外に「食える」と感じていて、全部食べるのはそれほど苦痛でもありませんでした。ただ、次回も積極的にこの商品を買って食べたいか?といったら否。カップ焼きそばはやっぱりソースが最も美味しいという当たり前の結論にたどり着きました。
商品の開発者インタビューによると「めんスイーツ」なるジャンルを作りたかったからだそうな。
そんなもん、作らなくたっていい!ただまぁ、そういう獣道を突き進むというスタンスはキライじゃない。この明星食品の企画が語る「めんスイーツ」というジャンルを育てたいという情熱が本物だったら「おしるこ味」あたりが作られそう。で、それを食べて「ふざけるな」と僕はまた大声で叫ぶだろう。
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