こんにちは。
7/8よりスタートしたウルトラマンの新作「ウルトラマンジード」。
メインライターを務めているのは売れっ子のミステリー作家「乙一」っていうだけで期待も大きくなるっていうもんですけど、現在までのエピソードを観た感想としてはただ、おもしろい。自分の出生の秘密を知らなかった少年「朝倉リク」が怪獣出現をきっかけに自らが悪のウルトラマン、「ベリアル」の息子だった事実に戸惑いながらも、人々の危機を放っておけない。そんな葛藤や苦悩をを抱えて戦う正統派主人公に好感をもっている今日、この頃です。前作のウルトラマンオーブより好きかもな。この7月8日はウルトラマンの故郷である「M78星雲」に絡めたのか単なる偶然か分からないところではありますけれども、本日のブログではこの新人ウルトラマンではなく、ウルトラシリーズでオールドファンからもっともアツい支持を受け、今年放映50周年の「ウルトラセブン」を語ろうかなと思います。ちなみにこのウルトラセブン50周年を記念して、こんな商品も発売されるそうな。
さてこのウルトラセブン。基本データは以下の通り。
身長 :40メートル
体重 :35000トン
得意技:頭部のブーメラン「アイスラッガー」
額のビームランプから打つ「エメリウム光線」
腕をL字に組んで放つ最強技「ワイドショット」
家族 :ウルトラマンタロウの従兄弟、ウルトラマンAの従兄弟(義理)
意外にみんな知らない「ウルトラセブン」
数多いるウルトラ戦士の中でも3本の指に入るメジャーなキャラではあるけれど、どんなキャラっていうかその人物像については意外に広く知られてはいません。中にはビジュアルを覚えているものの名前が頭に出てこなくて、つい「ウルトラマンセブン」とかいって間違える不届きな輩もいます。なので最初に覚えていただきたいのはウルトラセブンの本名。
①本名は「恒点(恒星)観測員340号」
コレはウルトラ好きだったら知っていて当然な常識だけど、一般的には知られていません。名前どおり元々セブンは地球防衛が役目じゃなくて、太陽系の航路図作成に必要となる情報を得るために地球周辺を訪れて、その周辺の観測業務を行っていた「ヒーロー界の伊能忠敬」とも呼べるキャラでした。そして地球に立ち寄っていた時、異星人が地球を狙っていることを知って放っておけなくなり、人類を守るために「ウルトラ警備隊」と共に戦うことを決意してくれた、極めてお人好しなヒーローなのです。ちなみにウルトラセブンは先述した「ウルトラ警備隊」7人目の隊員という意味を表しているコードネーム。更に補足だけど「ウルトラマン」という名も元々は初代ウルトラマンと融合したハヤタ隊員が名付けたものであり、正式名称ではありません。初代の活躍後にM78星雲でウルトラの父を大隊長とする宇宙警備隊で、地球の防衛任務に就いた隊員に与えられるコードネームが「ウルトラマン」となったのです。
②最も多くパラレルワールドを生きるウルトラ戦士
本編のウルトラセブンは宇宙人・怪獣との戦いで受け続けたダメージや疲労のため、最後の戦いに勝利した後に上司の指示に従ってM78星雲に帰っていくところでエンディング。以降はその後を継いで地球で戦うことになったウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)、ウルトラマンA、ウルトラマンタロウなどの「ウルトラ兄弟」3人目の兄貴分として弟分たちの戦いをサポートする立場になりますが、コレと別の流れの時間軸にいるウルトラセブンも存在します。それを描いたのがセブンの30周年に作られた「平成ウルトラセブン」と呼ばれるビデオ作品。純粋なウルトラセブンの続編で、ウルトラ兄弟はまったく登場しません。
物語の舞台は最後の戦いから30年後。地球をふたたび訪れたセブンが、戦いを通じて実は「地球の先住民族を滅ぼして地球を奪った侵略者こそが人間」だったと知り、苦悩を抱えるという非情に重くて暗い物語のため、未だに僕は手を伸ばしていません。
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上述のシリーズとは別にセブン40周年で作られた「ULTRASEVEN X」についても言及。こっちの物語の舞台は同じ地球でありながら、とある湖を境目に存在するもうひとつの地球。そこは高度な情報化によって人類が徹底管理されており、その世界を狙う異星人たちとの戦いを繰り広げるという設定で、セブンのSF的世界や物語の怪奇性、人間社会の風刺など本来の味わいを損なわず、新たなセブンを作りあげたっていう点で評価されてもいいと思うんだけど、今ひとつマイナーな扱いなのでぜひ、多くの人に知ってもらいたい良作。僕は好きだなこの作品。
左がセブンXで、右がセブン。筋肉量が圧倒的にでかく大きいのが特徴です。
③ポケモンの元ネタ
ウルトラセブンの持っていたアイテム「カプセル怪獣」がポケモンことポケットモンスターのヒントになっているというのはそれなりに有名な話だけども「このカプセル怪獣って何?」ってのがおそらく多数なんじゃないでしょうか。
このカプセル怪獣っていうのは諸々の事情でセブンに変身できない場合にダンが使う道具。以下の写真みたく、カプセルの中に怪獣がいて、必要に応じて呼び出されて、セブンの代わりに戦います。物語に出ていたのはこの三体。
左からアギラ、中央はウィンダム、右にミクラス。セブンの代わりと言っても実力は劣っているためさほど役に立たない怪獣たちだったけど、その愛嬌あるデザインにファンも多い奴らです。
ポケモンの製作者、田尻智はウルトラセブンファンだったそうで。
④ウルトラ6兄弟で最も面倒見のいい兄貴
M78星雲出身のウルトラマンたちを主人公とする作品で、最も客演が多いのはこのウルトラセブン。強敵に負けた兄弟の前に現れて強力なアイテムを授けたりするほか、同じくピンチに現れて共闘(返り討ちにあうこともある)したり、時にはウルトラマンタロウの誘いを受け、ウルトラ兄弟で集まり、バーベキューを楽しんだり、自ら人間「モロボシ・ダン」として地球防衛軍の隊長を務めたり、なんだかんだいって物語の主役を譲った後もよくみかける「地球びいき」なセブン。後輩の危機には「俺が助けに!」と率先して地球に来るのは常に面倒見のいい性格っていう事もあるんだろうけれど「役目が終わったら地球をブラブラして遊んで帰ろっかな?」みたいに地方への出張を楽しみにするサラリーマン的な発想もあるんではなかろうか?そういや、本編以外でも空想上の孤島「怪獣島」に住む怪獣たちの微笑ましい生活ぶりと戦いを描いたコミカルな番外編「ウルトラファイト」でも怪獣の喧嘩仲裁に苦慮する面倒見の良さを発揮していましたな。
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⑤セブンに関わる人たちのサイドストーリーが豊富
ここではウルトラセブンでなく、セブンに魅せられた人たちの物語を紹介。最初に紹介するのは、ウルトラセブンのDVDを見て、その世界にどっぷり浸かった女子高生「△□◯(みすまる)ナナナ」(みすまる=340号、ななな=主題歌の「セブン!セブン!セブン!」を表している)とその友人たちのセブンの知識を巡るコメディーの「セブンきゅ〜ぶ」。少女らはセブンの知識を極めるため部活サークル「セブン究部」を作り、世間に対して「ウルトラセブンをマンセブンというなぁ!」と叫びながらディープな世界にどっぷり浸かっていくという作品。作中にはセブン本編で使われたセリフとその引用エピソード話数も多数紹介されているので、分かる人には分かるけど、わからない人にはまったく分からないマニアック作品。ちなみに本編で殆ど知られていないものの代名詞として「子門真人の歌っている海外版ウルトラセブンのテーマ曲」というネタもあったけど、俺はその曲を収録しているCDを持っている。
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お次は以前のブログ記事で紹介させてもらった「セブン」制作に携わる人たちの群像ドラマ「私が愛したウルトラセブン」。92年にNHKドラマ放映されました。
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詳細は以下の記事。
脚本:市川森一の傑作。ウルトラセブンのメイキングエピソードを交えたフィクションだけども、ベトナム戦争がイヤで兵士になることを拒み、国外脱出を図る若い米軍兵士にダンとアンヌ、ウルトラセブンの制作スタッフを絡めた重くスリリングな物語は、ウルトラセブン放映時の世相を反映させた見応えのある作品。NHKで再放送してもらいたい!