サブカル 語る。

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ダイの大冒険の「アバン先生」のすごさ、「魔王ハドラー」の魅力が大人になってわかった

こんにちは。

 

 本日のテーマはかつて少年ジャンプで連載された「ダイの大冒険」という漫画作品。現在40歳前後のマンガ好きなおっさん・おばさんはこの「ダイの大冒険」という題名を見て「おおっ!」となることでしょう。80年代の後半~90年代にかけて週刊少年ジャンプで連載されていたゲームの世界とは異なるもうひとつの「ドラゴンクエスト」です。

 

yarukimedesu.hatenablog.com

こんな具合にファンも多い作品。

 

 世界を混沌と破滅に導く「魔王」を勇者が倒して以来、人間は平和な生活を謳歌していた。そしてその15年後、勇者によって倒された筈の魔王「ハドラー」が謎の復活をとげたことで再び人類は危機に立たされる。そんな中、孤島デルムリン島で魔王の支配から解放されて穏やかになった怪物たちと暮らしていた少年「ダイ」が魔王を倒すための冒険の旅に出る。

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 出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司

 

 おおまかな物語はこんな感じです。物語の序盤でダイは勇者の家庭教師を名乗る奇妙な男「アバン」の指導を受けてその素質を開花させていきますが、この家庭教師のアバンこそ15年前に世界を救った元勇者でした。

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アバン・デ・ジニュアールⅢ世

 出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司

 

アバンに積年の恨みを持つ魔王ハドラーはアバンの前に現れて、直接決闘で勝利。

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復活して大魔王が率いる「魔王軍」の手先になった魔軍司令ハドラー。

出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司

 

 目の前で師匠を失い、世界の危機を救うだけでなく師匠の敵討ちも背負う事になったダイは仲間達と共に魔王軍との戦いを繰り広げながら逞しさを増していきます。勇者アバンを破り、もはや敵なしのハドラーはそんなアバンの弟子たちの成長に脅威を抱き、だんだんい詰められるように。アバンをして「残忍ではあるが戦いにおいて卑怯な男ではなかった」といわしめたハドラーでしたが、部下の甘言に唆されて卑劣な作戦を使うことを厭わなくなっていきます。

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出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司

ダイの最初の仲間であり、親友の魔法使いポップ。

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出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司

未熟な少年魔法使いの発言に焦る魔王。
 

  あらゆる手を講じてもダイやその仲間に勝てない事を悟ったハドラーは覚悟を決め、大魔王の片腕という地位を捨てて自分の肉体そのものを怪物にすることを選択。

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出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司

 

 ここからハドラーは一気にカッコよくなっていくんです。肉体の強化によって強さを手にした事から精神も大きく成長。その振る舞いは魔王というよりも誇り高い武人を思わせるものに変貌。大魔王に利用されていただけだった自分を恥じて魔王軍と袂を分かった後は自らの宿敵をアバンの弟子たちと定め、自分の全てをぶつけて戦い勝利を手にすることこそ本望。と、ダイたちに正々堂々の決闘を挑むようになります。

 

そんでもってダイとの最終決戦時にはそのかっこよさも最高潮!

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出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司

 両者ともに力と技をぶつけ合っても互角。雌雄を決するは両者の奥義対奥義!その局面でダイが自分の武器に力を貯めている時に「今、その奥義を封じれば確実に勝てる」という思いを微かに抱いた自分を「無粋」と笑い、宿敵の些細なスキを狙うことをせず「どうせ、この一太刀で燃え尽きる身!!ならばその数秒を己を高めるのに費やすのみ!」と叫んだ後、自分の持つ能力を最大限に引き出そうと心血を注ぐ姿はもはや単なる悪役に思えません。

  この物語における最後の敵「大魔王バーン」の使い魔として得た力、大魔王の片腕という地位、権力に自分のアイデンティティを求めていた小悪党ハドラー。そのハドラーが自分を「単なる使い魔」に甘んじさせたちっぽけなプライドを捨て、あくまでも自分の求めるもの、そのために足りないもの、自分のできることやできないことを真剣に問いながら行動に移すまでの過程の困難さ。それが身に染みて理解できるのはたぶん、僕がおっさんになったためでしょう。この漫画を現在、40代になった僕ら世代に読ませて少年ジャンプ名物の人気キャラ投票やったらたぶんハドラーは上位に入るだろうな。

 

 

 ハドラーについて語りまくったので、次は物語屈指の人気キャラ「アバン先生」について。最近、この記事がやたら検索から来る人が多かったのでどうしたんだろう?と思っていたら、ドラクエゲームアプリの特典で「アバン先生」のアイテムがもらえるって話だったことを知りました。

www.dragonquest.jp

みんな大好きなのね、勇者の家庭教師アバン先生。

 

 さて本題。先程も語らせてもらったとおり「魔王ハドラーは」物語序盤には小悪党としての登場だったものの、物語の中盤~クライマックスで主人公であるダイたちの最大の宿敵となり、雑魚キャラとして使い捨てられなかった稀有な敵キャラであります。おさらいを兼ねて成長プロセスを振り返ってみましょう。

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出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司

 

 最初はドラクエの「竜王」を思わせる風貌で表情も「スケールの小さい悪党」という感じだったこのキャラ。その後、ダイたちの前に何度も立ちふさがるも失敗。正攻法じゃ勝てないと、卑劣な手段に手を染めりゃダイの仲間に苦言を呈される始末。

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 出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司

 

痛いところを突かれて焦るハドラー。

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 出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司

 

 そんなハドラーも最後に腹を括り、自らの肉体を強化改造。生身の肉体を捨てて怪物になり、ダイに正々堂々と挑む姿には僕を含め多くの読者が共感。いや、ほんとに手に汗を握ったのよこの当時。

 

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出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司) 

 

 同じキャラとは思えないほどに表情も変化。ちなみにこの場面は多少ネタバレだけどダイとの決戦で敗れた後、物語最大の敵である大魔王バーンの右腕の罠に落ちたダイたちを最後の力を振り絞って救援。脱出不可な罠に諦めそうになっているダイたちを叱咤するアツいせりふを語りかけているところです。こんな風にハドラーを変化させたのはダイたちの師匠「アバン」へのこだわりでした。

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出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司) 

 

 勇者の家庭教師こと「アバン先生」は15年前、魔王だったハドラーを倒した元勇者であり、その後自分の意思を次ぐ弟子を育てる事に腐心。以下はその弟子。

 

 物語の最初から最後までダイの相棒であり続け、最初は戦いで強敵から逃げてばかりいたものの、物語後半では大魔王バーンの片腕から「成長度だけだったらダイに勝る。人間は侮れない」と、言わしめるほどのキャラとなった魔法使い「ポップ」。

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 出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司

 

アバンと共に戦った戦士、僧侶の娘「マァム」

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出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司

 

アバンの一番弟子だけど実は魔王ハドラーの部下に育てられた複雑な人間ヒュンケル。

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出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司

 

 だいたいこんなメンツ+αでこの物語では最後の戦いに挑むことになります。だけど肝心のアバン先生は7話で物語からリタイア。ダイに勇者になるための特訓を施している最中に、いきなり現れたハドラーと対決をすることに。15年もの歳月を経て力量の衰えている現在の自分ではハドラーに勝てないと自爆魔法の「メガンテ」を使うことに。

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 出典:集英社 ダイの大冒険三条陸 / 稲田浩司

 

 このアバンの自爆は読んでほんとに驚きでした。なにせ、アバンは連載スタート時から女性ファンも多くついた人気キャラだったので、自爆で退場というのは思いつかなかった。 原作者の三条陸さんの話では連載と同時にダイ以上の人気キャラとなったので、このメガンテを使ってキャラを退場させた時には女性ファンたちから抗議が殺到して驚いたけど、同時にそのあまりの反響の大きさに感動した、とのこと。作中で弟子や敵だったキャラたちから尊敬を受けるだけでなく、ユーモアや愛嬌、他者への情にあふれた性格の愛されっぷりがすごいのは当たり前だけれど、ふと考えたらハドラーもまたすごくアバンが好きだったんだなぁと思っちゃいました。自らの手でアバンに勝利しながらも、その弟子たちを脅威とみなして執拗に追いかけ続けた挙句、自分の人生の目的とは「アバンの弟子に勝利すること」であって、その他には興味ないと結論。戦いで自分が倒した筈の宿敵は今もなお、意思となって弟子の心に生きている。その弟子達に勝利してこそはじめて「アバンに勝利する」ことであるという考えは少年マンガの王道であり心アツくさせます。

 

 でもって正々堂々の決闘でダイに敗れた後は、その身を挺してバーンの罠に嵌った宿敵を守り「最後まで諦めない強い心こそ、アバンの使徒の最大の武器ではなかったのか!」と最大級の賛辞。ここまでの執着っぷりはもう「愛」といっていいんじゃないでしょうか。

  

 物語で主人公たちの師匠としてその成長を促しただけでなく、その敵キャラにも愛されて且つ、成長させた究極の家庭教師。ここまで物語に大きな影響を与えた師匠キャラって他にいるのかな?このアバンとハドラー。二人の関係は物語終盤で思わぬ結果になり、これまた驚き。まぁともかく読んでみて下さい。絶対に損しないから。

 

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