サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

教育勅語とは何かを、マンガの「魁!!男塾」のギャグから考える

こんにちは

   最近のニュースを見ていると「教育勅語」やヒトラーの「わが闘争」を教育に使うことに問題があるだのないだの騒いでいますけれど僕個人の感想をいわせていただくと、「地味に戦前回帰が始まってきやがったな」という印象を抱いております。

 

 

 

www.nikkei.com

 あ、ヒトラーといえば最近こんな「ホリエモン」とかいうバカもいました。

www.huffingtonpost.jp

 「頭悪いな」は自分自身についての呟きなのか、又はこの件に抗議する人たちへの悪態か。どちらの意味で受け取るかは読者の皆さんにお任せいたします。話は変わるけど、ライブドアの社長時代のホリエモンのそばにピッタリいた美人広報(言うほど美人じゃない)乙部さんてどこに言ったんだろう?と思って調べてみたら、ホリエモン逮捕の後に泥船から逃げるねずみのように会社を去って一般企業に再就職。ブログ「オトベノオシゴト」も現在閉鎖とのこと。もうあの「ライブドア」事件から10年も経つんだなとしみじみさせてもらいました。

 

教育勅語とは何か?日本人=国の下僕の心得

 さて本題。この教育勅語って、どんな内容かを実際に見てみましょう。

 

教育ニ関スル勅語 - Wikipedia

 

 教育勅語の本文が旧字体なのでさっぱりわかりません。そこで小説家の高橋源一郎さんによる現代語訳をどうぞ。

 

以下、高橋源一郎さんによる日本語訳のまとめ(以下リンク)

   『この国は天皇家の祖先が作ったもの。君たち国民は、天皇家の臣下であるわけです。国民は長い間、臣下としては主君に忠誠を尽くしてきた。その歴史こそ、この国の根本であるからこそこの国の教育もそこに重きを置かなきゃなりません。国民はそれを前提にした上で、父母を敬い、兄弟は仲良くし、夫婦は喧嘩しないこと。そして友だちは信じ合い、何をするにも慎み深く、博愛精神を持ち、勉強し、仕事のやり方を習い、そのことによって智能をさらに上の段階に押し上げ、徳と才能をさらに立派なものにし、なにより、公共の利益と社会の為になることを第一に考えるような人間にならなくちゃなりません。その上で戦争が起こったりしたら、勇気を持ち、公のために奉仕してください。というか、永遠に続く天皇家を護るために戦争に行ってください。

dot.asahi.com

 

 高橋さん自身が現代語に翻訳していてドン引きしたというのも頷けます。ドン引きどころの話ではなく、学校の授業などで使おうなんてどれだけ問題があるか、ネトウヨでもなけりゃお分かりでしょう。「こりゃアカンわな」と。さらにいうとこんなもんを現在の日本教育に使おうという連中のおかしさにもいいかげん気づくと思うんだけど、どうなんだろう?あんまりみんな問題視しないのかな。さて、このもう笑えるとかいうレベルを越えた現在の日本。この国のおぞましい姿を、驚くべきことに80年代に予見していた漫画があったりします。その作品とは「魁!!男塾

 

魁!!男塾 - Wikipedia

 

軍国主義の賛美?いえいえ単なるギャグ

 学校に行き場のない不良たちを全国から集め「こいつらこそ真のエリート!戦後の教育というぬるま湯に浸かった頭でっかちの奴らなど何もできん!!」と、反知性主義の塾長「江田島平八」が立ち上げた塾での不良たちの生き様を描く80年代の週刊少年ジャンプを代表するバトル漫画です。最初こそ授業でいい年こいた大人に掛け算九九を暗唱させたり、旧日本軍の軍服を着た、いかにもなコスプレ教官を登場させたりなどギャグ要素の強い作品だったんですけど途中から不良同士の抗争にテーマが移っていき、そのケンカに中国拳法や格闘技の使い手がいたことから荒唐無稽な武道史が「民明書房」「曙蓬莱新聞社」などといった空想の出版社から出された本の引用という形で紹介されたことで、僕らバカな子どもは「それってマジ?」と本気になって民明書房の本を本探したりもしたもんでした。その様を見た大人に「漫画の情報と現実をないまぜにするな」と諭されて赤面をしながら僕らも大人になっていったのです。あーもう無知って恥ずかしいわ。

 

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出典:魁!!男塾宮下あきら 集英社

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出典:魁!!男塾宮下あきら 集英社

 

  

middle-edge.jp

 

ギャグが本気になり、笑えない日本 

 この漫画の架空の武道史や男塾の軍国教育の描写を、僕らは荒唐無稽でバカバカしいものと笑っていた。つまり現代社会において教育勅語が正しいなんてことをいう人たちは「掛け算九九さえロクにできない大人と同じほどのバカ」だと思っていたのです。ところが現実の社会で政治家が「教育勅語は間違っていない!」なんて真顔で言ったりしている。この現状に僕は酷く困惑させられているし、同時にギャグがギャグでなくリアルになっていくこの国にため息が出そうです。ちなみにこの漫画の主人公「剣桃太郎」はその後のスピンオフ作品、続編で驚くべきことに日本の内閣総理大臣になっています。まさに反知性主義の勝利!といったところでしょう。気になるのはこの主人公がどの政党に属していたのか?たぶん「魁!!男塾」だけに新党さきがけだろう。

 


 


 

 宮下あきら、こんなの書いてたの?