サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

「人生逆転バトル カイジ」をおもしろがる奴は、人間のクズだと思っていい

こんにちは。

 通勤中にスマホでニュースを読んでいて、こんな番組が年末に放映されることを知りました。

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www.tbs.co.jp

 コレはなにかっていうと、週刊ヤングマガジンで連載中の人気賭博漫画「カイジ」シリーズとテレビ番組のコラボ。借金を背負った出場者たちが賞金200万円を賭けて、多くのゲームで競い合うという企画だそうな。このカイジという漫画は単純にいうと、フリーターとして気楽に暮らしていた青年「伊藤カイジ」のギャンブル譚。友人の借金の保証人になっため大金が必要になったカイジは、借金の取り立てにやって来たサラ金業者の遠藤から「背負わされた数百万円もの借金をチャラにできる程の法外な大金を手にするギャンブル」の情報を聞きつけ、金を求めてそのギャンブルに挑むことを決意。カイジは自らと同じ境遇の者たちや、その金に群がる者らをあざ笑う違法金融業者「帝愛グループ」総裁の兵藤和尊たちと文字どおり「生命をチップにしたギャンブル」で洞察力に裏付けられた戦略や、時にはギャンブルのルールや戦っている会場の環境を利用したイカサマを武器に戦いに挑む。という雰囲気の物語です。マンガ自体は持たざる者「カイジ」が知略を駆使して自らを特別と思いあがる兵頭たちを荒唐無稽なギャンブルで勝利する姿が爽快かつ痛快なんだけども全編に漂う「金!」「金!」「金!」な世界観にゲンナリさせられることも多い独特な作品。

 

賭博黙示録カイジ - Wikipedia

 

 番組には原作でカイジたちが体験したおなじみのゲームや、漫画原作の世界観をリアルに再現しているオリジナルのゲームを通じて原作ファンをも楽しませるっていうのがウリみたいだけど、そうはいってもさすがに地上数10メートルもの高さのビルづたいに設置した鉄骨の上を歩かせて競わせる「人間競馬」みたいなハードなものはやらないのでしょう。

 

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出典:賭博黙示録カイジ福本伸行_講談社) 

 

 ただね。この番組を楽しむってことは、このマンガでカイジたちの金を巡る戦いを遠巻きに楽しんでいる下卑た富裕者の観客たちと同類っていうことじゃないか?と思うんですよ。

 

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出典:賭博黙示録カイジ福本伸行_講談社)  

 

 今年を振り返りながら気持ちを新たに新年を迎えるっていう時期に、困窮して大金に群がり合う人たちの姿やドラマ仕立てのドキュメントを見て楽しもうって発想、なんとなく悪趣味だなと僕は思うんだけどね。昔から高額、豪華賞品を謳う視聴者参加番組はあったけど、この企画はそのどれとも異なっているような雰囲気。

 

「人生を逆転したい…
とにかく金が欲しい…」

 

 番組紹介ホームページにはそこら中に「金が欲しい」「金が欲しい」と書きまくり、出場者らを「借キング」だの「クズ」だのといった汚い言葉で囲む。いくら演出とは分かっていてもそれらは僕をひどく不快な気分にさせてくれる。ヤラセだか本気だかしらないけれども、こういう番組をわざわざ年末年始に持ってくる制作も、それを観るだろう視聴者らのセンスを疑いたくなる。たぶんだけども、この番組の企画書は 「自分が報われてないと考えている人が自分より不幸な境遇の人たちの争いを見て、自分はコイツラよりまだマシだろうと溜飲を下げさせることを企画の目的としている」とかいうことが書かれているんだろうなぁと僕は思う。

 

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 ※漫画っていうフィクションを現実に持ち込もうとする発想がそもそもキライ