サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

『響~小説家になる方法~』をつまらないと思った理由。

こんにちは。

 

 本日のテーマは女子高生小説家が主人公の漫画「響~小説家になる方法~」。

 

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響ってどんな物語? 

 小学館ビッグコミックスペリオール」で連載されており、マンガ大賞2017で大賞受賞後、その年には実写化。今回はその「響」の感想について。

 

 物語はある出版社の文芸誌編集部からスタート。出版不況で年々下がる文芸、小説の売り上げにため息をつく先輩社員たちが現状を散々愚痴った後「応募規定はインターネットによる文書データのみ。募集要項を守らない時点で価値なし」と、ゴミ箱に放り投げられた新人賞応募作品を若手の女性編集者「花井」が手に取ったことで始まります。原稿用紙に刻まれた文字は花井が感心するほど達筆だったが本名かペンネームかも分からない「鮎食響(あくいひびき)」という名前以外は住所、職業、電話番号、年齢など作者の情報は一切なし。だが、その原稿用紙の漂わせる雰囲気から花井は作品を熟読。この作品こそ文芸の時代再来を担う小説だ!と惚れ込んだ花井は作者の情報集めと応募規定に外れた「お伽の庭」をなんとか世に出そうと決意します。

 その頃。入学式後のある都立高校では文芸部入部を決めた少女が部室に屯している不良といざこざの真っ最中。胸倉を掴まれて凄まれても不敵に笑い、制服のネクタイをつかむ不良の指をへし折った後、ボールペンを構えて上級生の目を狙う視線に少女の異常性を感じとった文芸部員と不良たちは撤退します。この異常な雰囲気の少女こそ文壇デビューを今、まさに果たそうとしている「鮎食響」だったのでした。

 

 という具合に、ざっくりと物語のプロローグを紹介させてもらいました。この高校一年生の少女「響」の性格の異常性が引き起こすトラブルが物語のポイントだけど、この響、まぁよく人を殴る、蹴る、関節を折るという「一人総合格闘技野郎」。しかも脛で鼻を狙うなんてプロの格闘家もエグくてやらないぞ!

 

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出典:響~小説家になる方法~ (柳本光晴)_小学館

 

 

 こんな具合に、納得できないことや自分が「美しくない」と思うものはたとえ著名な作家でもキックを顔面にかましたり、政治家でも殴ったり。そういう異常性を天才性と読者に読み替えさせることで成立する作品のため読者によっては「響=天才」であるというこの漫画の大前提について、どこが?と疑問に思う人もたぶんいるでしょう。

 

「響」がつまらない理由

 実際、作中には花井が絶賛した「お伽の庭」についての描写もほとんどなく、その小説の凄さの根拠になるものが「お伽の庭を読んだ人たちの表情や感想」だけなので小説家としての技量を示せていない。従って響のキャラは勢いや瞬発力に頼った「動的エキセントリック」なものになり、それを天才ゆえの破天荒さと読者に思わせることで作品を成立させているというのがこの作品の人気の秘密でもあり欠点でもあります。確かに響の勢いある行動は面白く爽快感もある。だけど、それはいつも読者に向けて畳みかけられてくるため、読者も息継ぎができず窮屈さを感じるのです。変わった雰囲気の女子高生がいきなり文壇デビューという設定が薄く説得力もない。

 響の文芸における才能の裏付けがないからこそ、キャラ作りを派手にしなくてはいけないという背景がこのマンガを支えており、逆説的だけど話のつまらなさや設定の陳腐さがキャラの行動の派手さを際立たせ、読者に爽快感やおもしろさを与えている。ただその刺激はいつか、読者の息を詰まらせるでしょう。いっておきますが別に響をディスってるわけじゃありませんよ。このようなキャラの即興的な勢いだけで読者を楽しませられるのも漫画の魅力だというのもまた事実です。

 

対極の天才を描いた作品 

 この作品についてのブログを書いててふと思ったんだけど、2017年度のマンガ大賞受賞作がこの「響」だったなら、2018年度マンガ大賞にはこの作品と対極にある「アクタージュ-act-age-」という作品が案外受賞するかもしれません。

 

アクタージュ act-age - Wikipedia

 

 このブログでも以前紹介したこの作品は、高校生ながら家庭環境によって子どもの頃から孤独を感じていた少女「夜凪景(よなぎけい)」が自宅の押し入れにあった大量の名画ビデオを繰り返し見続けているうちに現実と物語の境界を自由に歩けるような危うい感性を身に着けた。その特異な才能を若手監督に発掘されて、景は女優の道を進んでいく。という漫画。連載当初はあんまり注目されていなかった印象ですが地道に読者の人気も集め、現在は掲載雑誌の「週刊少年ジャンプ」でも掲載順が上位になることも少なくありません。

※最近作者はananの取材も受けているそうな。

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 この「景」という少女も自分と他人や虚構世界との境界の無さに起因する感性からトラブルを起こしまくっているんだけど(そういやこの子もオーディションで飛び蹴りをやったな)、その中でもロケで出会った俳優の素顔や脚本の解釈、監督の指示などを通じて自分なりに「演技」とは何かを考えて作品や共演者に対して、真摯な態度で演技の技術を向上させていくというのは景の持つエキセントリックさを飼いならすプロセスであるともいえ、天才という存在についての表現はこちらの方が勝ってる印象でした。ただ「響」ほどの勢いや瞬発力はないため読後の爽快感については響の方が上。ゆえに瞬間風速的な大ヒットはないかもしれないけど、息の長い持続力のあるヒット作になると思います。

 

 エキセントリックな行動や言動で社会を引っ掻き回しながら、小説という静かな世界で作品を書き続ける響。一方、大人しめで物静かな風貌や性格の奥底に秘められたエキセントリックな内面を「演技」という動的な表現に昇華させる景。このタイプの異なる二人の天才の物語。暇だったらぜひ読み比べてみて下さい。

 

csbs.shogakukan.co.jp

 

www.shonenjump.com

 

 

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仮面ライダージオウのデザインと物語にライダーのネタ切れと限界を見た

こんにちは。

 昨日から放映スタートとなった仮面ライダージオウ

www.tv-asahi.co.jp

www.kamen-rider-official.com

 

 「平成ライダー20作品目」「平成最後の仮面ライダー」と銘打ち、かなり気合いを入れているシリーズではあるみたいだけど、僕としては今日の放映を観た限りでは、「駄作」とは言わないけど「ライダーのネタ切れ」を強く思わせました。

 

 

 

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単なる内輪ウケに走る平成ライダー 

 今回のライダーのデザインはこの通り。腕時計がデザインのモチーフになっており、額に「カメン」の文字、時計の針がライダーの触覚(昆虫モチーフだった頃の名残)、目の部分にはカタカナで「ライダー」の文字。ライバルの仮面ライダーゲイツは目の部分にひらがなで「らいだ」の文字をデザインしています。平成仮面ライダー佐藤健が主役を演じた「仮面ライダー電王」あたりからその奇抜さが目立つようになり、新シリーズの放映決定で新ライダーのデザインが公開されては、その都度ライダーのファンから賛否両論!っていうのが毎年の風物詩みたくなっておりましたがこれはやりすぎというか、単なる内輪ウケに走ったデザインだな、という感想。ライダーの奇抜なデザインの良さは分かる奴だけがわかりゃいい!みたいな傲慢さを感じます。

 

「最強ライダー」の再生産はたぶん今後も続く

 物語を簡単にまとめると「将来の夢は王様」という高校3年生の「ソウゴ」が50年後の未来では人々を苦しめる最悪の暴君な仮面ライダーとなっていた。未来を変えるため、王になっていないソウゴを倒す目的で50年後の未来から2018年の現在に仮面ライダーゲイツが現れる。何が何だか分からずに逃げるソウゴ。そんでもってソウゴはその逃走中にゲイツとは異なる怪物に遭遇。同級生がその騒動に巻き込まれたのを見て戦うことを決意したソウゴは謎の男に変身ベルトを渡される。力を求めるソウゴは、そのベルトを身に着けて仮面ライダージオウに変身。ってな具合だけど、まぁよくあるターミネーター的なプロットに今後歴代ライダーを絡めていくそうな。その歴代ライダーたちの力を受け継いだ最強のライダーというのが今回の「ジオウ」なんだけど、それってライダー10周年で制作された「仮面ライダーディケイド」そのものじゃね?ディケイドもパラレルワールドな歴代ライダーの世界を回り、そのライダーたちの力を使い、物語では「(ライダー)世界の破壊者」と評された最強(放映時点)の仮面ライダー扱いを受けていたけど、その10年後にまた最強を越えた最強ライダーの出現に、少年ジャンプのインフレバトル漫画を連想させられました。そんでもってたぶん、また10年後にはディケイドやジオウを超える「最強ライダー」とやらが出るでしょう。

 

仮面ライダーディケイド - Wikipedia

 

そろそろ充電期間を置くべき「仮面ライダー」 

 遠ざかった時期もあるけど、なんだかんだいってライダーをそれなりに見続けてきた視聴者からいわせてもらうとそろそろ充電期間を置いて、ライダーの制作を一旦やめた方がいいんじゃないかなと思います。結局のところ、平成ライダーのネタが尽きているのを誤魔化すため、デオウはデザインの奇抜さに逃げたんだろうなと思える。

 

 でもって新年号最初のライダーは伊藤英明主演で体臭から大衆を救う仮面ライダー仮面ライダーデ・オウ」放映。

 

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 おふざけで書いたけど、観てみたくなったな。ちなみに「アニメ!アニメ!」というサイトによると平成ライダーのベスト3アンケートは以下のリンクの通り。

animeanime.jp

 

僕の選んだベスト3は

 

1位 仮面ライダークウガ
2位 仮面ライダー龍騎
3位 仮面ライダー響鬼

 

後、やっぱり僕はおっさんなので昭和ライダーの方に愛着があるかな。

 

arrow1953.hatenablog.com

 

 

arrow1953.hatenablog.com

 


 

 

家にやって来た宗教勧誘を和やかな雰囲気でお断りする方法について。

こんにちは。

 今週から夏休みをいただいておりまして、もう後半戦。会社で待っているだろう業務の量を思うだけで憂鬱な気分になっているものの、やはりそこは社会人。その気もないくせして、週明けより元気に勤しもう!なんて言い聞かせているけども気の重い今日、この頃です。

 

 さて本題。そんなせっかくの休日だけども家族旅行は7月だったため特にやることもなくて、毎日本を読んだりブログのメンテナンスなどをちまちま行っています。そんなある日。家のインターホンを押す音に反応して玄関にいくと待っていたのはよく分からない宗教勧誘のお姉さん。今まで聞いたことのない団体名を名乗った後、そのお姉さんは著名な世界各国の宗教家だけでなく、各国の偉人や歴史上の人物がどうのこうのと丁寧に説明をしてくれるんだけど、なにがなにやらさっぱり理解できない。僕は特定の宗教を持たないけれど、生活において「どう生きていくべきなのか」という哲学を求める姿勢は共感できるし、何よりこのクソ暑い中でその教えを多くの人に広めようというストイックさは、頭も下がります。他人に危害を与えたり、教理に従うあまりに現実を軽んじるカルト的思考に向かわず、宗教の教えという理想論とそれに当てはまらない現実のギャップに耐え、葛藤を抱えながらも生きていける強さを持っているというなら、宗教というのは尊重されるべきであるとも思うけれど、それとは別に勧誘するお姉さんの説明がやっぱり分からずに困っていました。

 

 話も理解できないし興味もないからお断りしなきゃいけないんだけど、このお姉さんの熱心さも無下にできないなぁ。と思ったので、ここはとりあえずボケておこうとかと思い、お姉さんの話で間が空いたところを狙って右掌を頭の上で開き、昭和を代表するアイドルピンク・レディーの振付をマネて

 

「シュウ・キョウ!(UFO!)」とボケてみました。

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以下のホームページより

ピンク・レディー物語 

 

 お姉さん間を置かず爆笑。人間はあんなにも口から飛沫を吹くものなのか!と、驚くほどの爆笑ぶり。そこでさらに「宗教に走ったのは地球の男に飽きたからですか?」と追い打ちをかけたくなりましたけどお姉さんは大笑い、咳、大笑いを交互に繰り返してあまりにも苦しそうだったので、やめておきました。今までたくさんのお宅を回っているけどこんな反応は初めてだったとお姉さんはいい、笑いが収まった後、会釈してドアを閉めて別のお宅へ行きました。

 

 結局、このお姉さんの勧誘してきた宗教、どんな名前だったか思い出せないので思いつく限りのキーワードでググって調べてはみたけども分かりませんでした。興味ないので断ったけど、パンフぐらいもらっておけばよかった。

 

 


 

 

※千間美子の前で「リュウ・ホウ」とボケてみたい。

 

夏休みの宿題におすすめ!な自由研究

こんにちは。

本日のブログのテーマは夏休みの宿題。その中でもめんどくせー自由研究について。

 

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夏休みの宿題をやっていない君におススメWebサイト 

 昨日おとといと平成最後の夏休み最後の土日でしたが、皆さんいかがですか。社会人になってからは別に7月~8月なんてただ暑いだけの時期でしかありませんけども、僕や皆さんも学生だった頃は夏休みというのは貴重な時間であり、夏休みの宿題なんてそっちのけで遊び回った挙句、8/31に号泣しながら貯まりまくっている宿題を片付ける。人間というのは本当に過去の経験に学べないもんだよなと自らを振り返り思います。

 

 さて本題。夏休み宿題で体験的に大変だったのが自由研究。何をやったらいいのかもまったく思いつけず、いつも適当なものでごまかしていた記憶があります。進研ゼミのベネッセは小中学生大賞の自由研究ヒント特集などをWebで紹介。

 

https://www.benesse.jp/jiyukenkyu/

 

夏休みの自由研究で想像の斜め上な発想を 

 だけどそんな手垢のついた自由研究やったって面白くないじゃないすか。そこで今回まだ自由研究に手を付けていない小中学生にお薦めのテーマを紹介。前述したように夏休みになって遊びまくり、宿題を全然やっていなかった僕の知人が小学生だった頃に考案した、□い頭を〇くする「日能研みたいな発想力を駆使した研究です。研究テーマは「アリと薬品」。具体的にどういうことかっていうとアリの巣の前に砂糖で作った山をいくつか置きます。ひとつは普通の砂糖。その他の砂糖には、各メーカーから発売されている虫よけスプレーを噴霧。虫除けスプレーは本当に虫を除けるのか?その効果はメーカー別でどれだけ異なるかの結果を調べたところ、あたりまえながらアリが集まったのは普通の砂糖のみ。その他の虫よけスプレーをたっぷり噴霧した砂糖には、全然集まってこなかったそうな。本当はスプレーの効果にはメーカー別で差も出るだろうと思っていたそうですが結果のアテも外れたので

 

結論:アリは虫よけスプレーが嫌いみたいである。

 

 と、いうふうにまとめて自由研究としてレポートを提出したそうな。その自由研究、学校の先生に怒られただろうと思っていたら「メーカー別のスプレー成分や量、金額などをデータっぽく表にまとめて、イラストや写真をつけただけでそれっぽくなってごまかせた。何事も『やってる感』をだすことは大事なんだってことをその経験で俺は学んだよね。」とのこと。最初は「バカじゃないかコイツ」と思って話を聞いていたけど、小学生にしてその要領の良さはすげーなと思い直して、思わず尊敬しちゃいました。何より虫よけスプレー=蚊っていう固定的な概念をぶっ壊してアリで実験っていうのも独創的であるといえるかもしれません。

 

 読者の周りでまだ自由研究が終わっていない小学生がいたら、この実験をぜひお試し下さい。今だったらPC使ってさらに「やってる感」満載のレポートも作れるかも。 

 

 


 

 

今週のお題「#平成最後の夏」

週刊少年ジャンプは50周年を経て、今また黄金期が来たのかもしれない

こんにちは。

 本日のテーマは「週刊少年ジャンプ」。

 

 

ジャンプ掲載の作品に幅が広がってきている

昨年から創刊50周年ということで様々な企画やイベントなどを日本各地で行っているみたいですが、最近僕は「少年ジャンプ、また黄金期がやってきたのかもな」と思っています。なにせ、連載作品のジャンルが幅広く、おもしろい!一時期、主人公が「最強の敵を倒す」たびにまた別の「最強の敵」が金太郎飴みたく次々出てくるだけの漫画が隆盛だった頃にはこの雑誌を見限ってもいたけど、その傾向がだんだん薄くなってきているように感じます。

 

アクタージュ act-age

 そんな最近イチオシの作品がこの「アクタージュ act-age」

www.shonenjump.com

 子どもの頃から家庭環境により孤独を感じていた少女「夜凪景(よなぎけい)」は、自宅の押し入れにあった大量の名画ビデオを繰り返し見続けているうちに現実と物語の境界を自由に歩けるような危うさを身に着けた。その特異な才能を若手監督に発掘されて、景は女優の道を進んでいく。という漫画。連載当初は雑誌の掲載順が後ろだったため10数回で打ち切りかな。と思っていたらいつの間にやら注目度が高まっていき、最近作者はananの取材も受けています。

 

ananweb.jp

 

 この他には物語冒頭でアットホームな孤児院の話かと思いきや、急転直下サスペンスサバイバルホラーだった「約束のネバーランド」もおすすめ。

 

約束のネバーランド

sp.shonenjump.com

 

 人間を食らう鬼やその配下の人間たちと「家畜」として生み出された少年たちの知力を駆使しての頭脳戦 / 心理戦は大人が読んでも手に汗握るほど質が高い。

 

 後、地球にいた現代人全員がいきなり石化して数千年。科学知識の豊富な少年がついに石化から目覚め、ほぼ原始時代に戻った日本で科学の力を使い、文明をやり直そうとする壮大なSF物語「Dr.STONEドクターストーン)」も濃い。

 

Dr.STONEドクターストーン

 身の回りにあるものを材料に膨大な科学知識で酒やサルファ剤、水力発電や電池などを次々に開発。最近では蒸気機関を使った車や電話まで出てくるありさま。あまりにも荒唐無稽なんだけど、材料に含まれている化学成分などを説明に交えているので妙に説得力があるのが面白い。この先、作品で携帯ゲーム機を作ろう!という展開になっても僕はたぶん驚きません。

 

www.shonenjump.com

 

単純な友情・努力・勝利に飽きた読者 

 こんな具合に、今までの「友情」「努力」「勝利」をテーマに主人公と敵が、単純にボコボコ殴って戦ったり試合したりするのがメインだった雑誌に、このような以前だったら「本流から外れた邪道」扱いされていた作品が多く並ぶようになってきているのです。たぶんその大きな理由は「みんな戦いに飽きたから」「際限のない戦いを続ける作品に疲れた」からだろうと僕は思います。

 

高度成長期~バブルを引きずっていたジャンプ 

 70~80年代から数年前のジャンプは前述したとおりエンドレスの戦いや試合などを続ける作品が中心でした。最強とされるラスボスとの戦いを連載の長期化のため数ヶ月にわたって長引かせたり、やっとの思いで倒せたラスボスの後には「最強を超える最強」とかいう触れ込みの敵出現によってまたエンドレスな戦いスタート。その敵を倒したら「また最強を越えた最強をさらに上回る最強」なラスボスの出現で戦いが始まって、苦戦の末勝利。そしてまた「今までの敵と次元の違うラスボスの出現」。そりゃ読者も「お前らいい加減にしろ」と怒鳴ってやりたくもなりますよ。そういう意味では現在の少年ジャンプには「ドラゴンボール孫悟空」や「北斗の拳」のケンシロウみたく、具体的な目標もなく戦いをつづける主人公ってあまりいません。「ONE PIECE」のルフィは海賊王になることが目的だし、その他のバトル作品も倒すべき敵を大目標に掲げているため、それを打倒したら物語も完結になることは想像できます。ただその目標達成を長引かせる努力を編集部は続けるだろうけれど。ついでにいっておくと、この際限のないインフレバトルの隘路で迷走中の作品が「食欲+性欲」をコンセプトに、料理勝負で負けた方がヌードになる「食戟のソーマ」。主人公が通う学校で最強の実力者「十傑」打倒を果たした後、物語において世界最高峰の実力者である主人公の父親を破った「闇の料理人」との戦い編に入り、人気が落ちてきているのか掲載の順序も雑誌の後ろ側になってきております。これはソーマが料理漫画でありながら「学園漫画」でもあったため、学園で最強となった主人公に対して読者が燃え尽き症候群みたいな心境になっているためと考えています。この作品の人気を長引かせたいんだったら海外にあるライバル校との戦いや、かつて戦ったOBたちを超える実力者集団みたく敵のランクをもう少しだけ下げるべきでした。ま、どうでもいいけど。

 

 80年代~平成という時代はまだ高度成長期やバブルのメンタリティーを僕ら日本人はどこかで引きずっており「努力すればするほど成長できる。夢もかなえられる」と、信じられた時代でした。だけどこの数年で、僕らはその『成長』は幻想と気づいてしまった。マンガのキャラみたいに際限のない成長なんてありえないよ。という現実に対して戦えば戦うほど強くなっていく主人公。このギャップにみんなは疲れて飽きたのだろう。それだったら最初から目標を設定して戦い、主人公がその目標の進捗によって相応の成長を遂げ目標を達成する。その方がリアリティもあって共感できるからこそ無制限バトル漫画作品は減り、戦いや様々な経験などを通じて成長を果たしていくというタイプの「目標達成型バトル漫画」は今後、増えていくでしょう。

 

勢いを捨て、リアリズムを得たジャンプの物語 

 結果的にジャンプの漫画は怒涛のごとき即興的な勢いと爽快感、なんともいえないカタルシスを捨てたことでリアリズムと物語の説得力、ドラマ性を手にしたとも言えます。嘗て600万部以上売っていた頃よりも雑誌売り上げは下がっているけど、作品の質は間違いなくその頃よりも上がっている。作品のクオリティという意味で現在のジャンプは今また黄金期だと思うけど、その根底にあるものが述べてきた通り「成長」という名のイデオロギーからの脱却だったとしたら、それはこの国の成熟というか老いであるといえるのかも知れません。

 

arrow1953.hatenablog.com

 

※際限なく続くバトル漫画で、主人公の強さの根拠にやたら「血統」を持ち出す時期も続いていて、それはかなりゲンナリさせた。今も血統主義はあるけど、減っており、エリートではない「持たざる者」が努力で成長を果たす。っていう物語が増えているのはいい傾向だな。

 

 

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家族旅行でトラブル発生!海ほたるでのありえない出来事について

こんにちは。本日のテーマは「思い出の家族旅行」。これは今から12年前の、独身だった頃に家族旅行で出かけた海ほたるで体験した珍しいエピソードです。

 

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www.umihotaru.com

 

 AMの実家では冬のメニューに「あんこう鍋」をよく食べるのですが、AM実家のあんこう鍋の味はすき焼き風のしょうゆ仕立て。ところが世間にはみそ仕立て味のあんこう鍋もあることを知った我が家では「味噌味」「しょうゆ味」どちらがメジャーなのか、その都度激論が交わされていました。そんなある日。

 「だったら、あんこう鍋の本場に食べに行こう」との話で、父と母、妹、僕で茨城県あんこう鍋の本質を探る旅行に行くことになり、父の車に乗っていざ茨城に!

 その際。せっかくの旅行だから遠回りで楽しもうということで「海ほたる」に立ち寄って海を眺めたりのんびりとした旅行になるはずでした。ところが。うみほたるで前後左右に大海原が広がる風景を眺め、「さて。そろそろ茨城の宿に行こう」と、車を走らせるべく運転席に乗り込むため、着ていた厚手のコートを車のトランクに投げて勢いよく閉めました。その瞬間、妹か誰かが「コートに車のカギ!」と叫び、僕もトランクを閉めた瞬間「あっ!」と叫びました。やばい!と焦ったけれども先に運転席のドアを開けていたので、座席下のトランク開閉用レバーで開けられるじゃん。もう、脅かすなよと思い直しながら座席の下に手をくぐらせてトランクレバーを引いてもトランクはまったく開かない。父曰く「このトランクレバーは今、壊れてるんだ・・・。」

 

 なんでこんな時に! 

 

 僕ら四人は心の中で叫びましたよ。仕方ないので車のディーラーにJAFを呼ぼうかどうか相談をするため電話をかけたら「今、海ほたるですか?いやー、そうなると車のトランクを壊さなくては対応できませんでしょうね。」と思わぬ回答。この想像を超えるトラブルに対してパニックに陥った母は僕に「AM!あんた、自分の車のカギ持っているでしょ!」といいました。僕も車を持っており、家のカギと合わせて持ち歩いていたため「僕の車のカギ?そりゃあるけど」。いきなりなにをいっているのだろうと首を傾げながら答えると「あんたの車のカギでお父さんの車のトランク開けられないの?」とムチャクチャなアイディアを提案。さすがに「母さんそれはいくら何でも」と答えたら母は呆れた風に「あんたっていっつもそう。」と嘆息。そのあと「いつだってなにかやる前から諦めてばっかり!」

 

ムチャいうなよ!意味、分かんねーよ!と叫びたかったんだけど、この騒ぎを起こした張本人として負い目もあったのでまともに反論できず。

 

 結局のところ僕と父はタクシーと電車を乗り継いで立川まで戻り、そこからさらにタクシーで自宅に戻り、父の車のスペアキーを持ってまたタクシー→電車→タクシーでうみほたるへ。その道すがら、僕は「陸と離れた海で孤立。そこにテロ集団たちが来たら映画の『沈黙の戦艦』だよなー。スティーブン・セガールと父ちゃんと僕は合気道つながりだけどテロ集団には勝てんわなー」とかのんきなことを考えており、それを知ってか知らずか父はこのバカな息子に対して「お前はほんとバカだけど、こういう経験やお前独特の価値観を活かせる場所があったら大成するのかもな」と、落ち込む僕をさりげなくフォロー。この時ほどこの家族を狂おしく愛しいと思ったことはありません。

 

 15時頃にうみほたるを出て、スペアキーを持って戻ったのは辺りが暗くなって夜空と海の色が漆黒の闇に染まっている20時頃でした。車に戻ってみると売店で雑誌を買って来て読んでた妹が「お兄ちゃん、お父さん大変だったね。」と労いの言葉をかけてくれて、ドジな兄貴を責めない妹の優しさが逆に身に沁みました。母は疲労困憊といった表情を見せながら座席で横になっており、その表情はさらに僕の抱いている罪の意識を重くさせました。

 

 20時を越えたころに僕らは海ほたるを出て、茨城の宿に向かうことに。宿に何度も遅くなることを電話で伝えたところ「もう、お食事の準備も宿ではできません。」とのこと。僕らは「構いません!食材と鍋をテーブルに置いて、布団を敷いておいて下さい。着いたら、急いで食べて寝ます」といったところ、宿も呆れていた様子。僕らは疲労を引きずりながら宿にたどり着き、自分たちで鍋を準備。テレビでその時放映していた亀田VSランダエタ再戦ダイジェストを見ながらあんこうを口に運びました。疲労で味覚もマヒしたのか、どんな味だったかもまったく覚えていません。確かその宿ではみそ味だったと思うんだけど。どうかみなさんも車のカギ管理にお気をつけ下さい。

 

※この家族旅行の2006年の12月20日から12年。僕は妻に出会って結婚して父になり、僕の父、母も僕の子を連れて「ひいばあば」の家に遊びにいったりする「じいじ」「ばあば」に。妹は独立後に家を出て美容関係の自由業を営むなど、それぞれみんな元気にやっております。家族っていいもんだな。と、ありきたりなことを書いたところで本日のブログはこれにて!!

 

www.benesse.jp

※さりげなくベネッセの家族旅行事情の意識調査を読んでいたんだけど「旅行の目的」第1位は「観光」で、意外だったのが「うまいものを食べに行く」というグルメな目的がランク外。「あんこう鍋を食べに行く」ってどんだけマニアックな目的だったんだ。

 

 

 


 

ちょっと贅沢な家族旅行はヒルトンで!
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光回線の乗り換え(フレッツ光→ソフトバンク)で、通信費が年間4万円安くなった!

こんにちは。

 本日のテーマは「通信費」。我が家も夫婦で携帯、光回線のインターネットを使っていますけど毎月の携帯+インターネット料金がおよそ18000円前後と、多少割高なのが気になっておりました。そんなある日妻から「携帯の料金安くならない?」との質問。具体的に今いくらなの?と聞いたらDOCOMOで毎月8000円前後とのこと。

 

今までの携帯料金内訳

AMの携帯  4800円
Y!mobile通話料金10分無料とパケット3GBまで定額のスマホプラン/M」

AM妻    8000円
DOCOMO(ドコモ)プラン不明。

 

今までのインターネット料金内訳

光回線    5500円
NTTのフレッツ光

プロバイダ  1300円
So-net

 

4800円+8000円+5500円+1300円=19600円

 

 うん。こりゃ高いわな。というわけで家庭の通信費を検討しました。まずは妻の携帯料金の大幅値下げ計画に着手。家族割引が使えるのでDOCOMOの携帯を解約後、僕と同じくY!mobileに変更。

 

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 Macユーザーである妻はandroidからiphoneの変更を主張。iphoneは高いため機種変更後の月賦がandroidスマホよりも割高になるので僕は乗り気じゃなかったけど、本人の強い希望もあり承諾。その代わり僕もHUAWEI(ファーウェイ)の「LUMIERE 503HW」から今、話題の「P20 lite」に変更させてもらうことで成立。プランは二人ともスマホプラン/M」で契約。

 

そんでもって二人の料金がどうなったかというと。

 

AM

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8月分の通話料金(暫定)5112円

 

AM妻

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 8月分の通話料金(暫定)4246円(新規契約後、1年間1000円引き)

5112円+4246円=計9358円×1.08=10100円(小数点以下を切り捨て)

携帯電話の料金を従来の12800円ー10100円でおよそ2700円のスリム化に成功。
※ネット回線と携帯の会社をソフトバンクグループのものでまとめたので、携帯電話の基本使用料家族割引(一人あたり700円)適用。合計で1400円引きも含む。以下詳細。

 

www.ymobile.jp

 

 

次、インターネット回線料金。従来のNTTフレッツ光からソフトバンク光に契約変更。 

 

従来の金額
5500円(回線)+1300円(プロバイダ)=6800円

 

現在

6200円(回線+プロバイダ込み)

ネットの料金を従来の6800円ー6200円でおよそ600円のスリム化。

月々で600円×12で年間3300円の削減。

 

携帯とネット=通信費の年間39600円カットに成功!

 

 もっと勉強すればさらにカットできそうではあるんだけど、まぁ年間4万円カットは
やっぱり大きいっす。今まで携帯やネット料金について無頓着だったけども、それじゃダメなんだなという教訓として、この記事をお読み下さい。あ、そういや先月美容院でこの通信料の話をしたら「うち、自宅にパソコンがないんでネット回線ないんですよ。インターネットは基本的にスマホタブレットだけなんで、携帯の多めのパケット定額プランで充分イケる!!」っていう話を聞いて、もはやパソコンすら家庭の必需品じゃなくなっていきているんだなぁと実感。学校の授業などでネットの接続やメールソフトの使い方を教わっていた自分は古いんだな。

追記:9/1よりYmobileのスマホプランS / M / Lが料金据え置きでパケット使用料3倍!

スマホプランS  1G→3G
スマホプランM  3G→9G
スマホプランL   9G→21G

www.ymobile.jp

※身びいきじゃないけどネットワーク屋としては格安SIMフリーと比べて高めだけど、通信速度がどの時間帯でも高品質な点、格安SIMフリーのサービスやプラン組み合わせで料金をさらに安くするというのがめんどくさい人はY!mobileはかなりおススメ。

通信速度については以下を参照。

ワイモバイルの通信速度(リアルタイム) | 格安SIMの通信速度の比較サイト:格安SIM35枚とドコモ本家をリアルタイム自動計測

時間帯によっては格安SIMフリーとY!mobileで通信速度が10倍も違うのは驚き。