本日のブログ記事は、このブログとお付き合いの長い方だったらお分かりだろうが、いわゆる「釣り」目的のタイトルである。実際「政治に興味ない」というキーワードでネット検索してみると、そういった声が溢れんばかりに紹介されているサイトが多数ある現実を突き付けられて頭を抱えたくもなる。
とはいっても嘆いてばかりもいられない。なんだかんだいってこの国はまだ民主主義であり、国民の直接投票で政治に意向を反映できる要素はある。ただその「投票」だけでは不十分なのも事実。自分が票を投じた議員が、公約という約束を反故にしたら?大多数の票を得た与党が驕って権力をタテにやりたい放題の政治を始めたとしたら?
そんな時はまた投票の機会を待ってじっと我慢する。うん。確かに間違ってはいない。だけど権力はそれを許さないかもしれない。うまくもっともらしい理由をつけて、国民から選挙権を奪ってやろうと考えるかもしれない。それは決して空想ではないと、古今東西の歴史が雄弁に物語っている。だからこそ、僕らは常日頃から政治に対して「お前らを見張っているぞ」といった態度を示すべきだ。その手段のひとつがデモなのだ。「政治に興味ないよ」「誰が総理になっても結局なにも変わらない」「安倍首相のほかに政治を任せられる人がいない」。そんなことを普段思っている人にもできるだけそれを伝えたくて、今回のブログ記事は釣りのタイトルを使ってみた。本日4/14、国会前で大規模デモが行われる。現政権に対して批判する立場をとっている自分も行きたいところだが、あいにく抱えている業務が多くあるため、本日は会社に休日出勤になってしまった。そこで本日は現在首相官邸で数度に渡って行われているデモを帰宅中に遠回りして数度に渡り、見学してきた様子や感想を書こうと思う。
3/12(火)
3/2に朝日新聞が森友学園の国有地取引の際、決裁文書を財務省が改竄していたというスクープによって政権への疑念や批判が高まっているのを受け、総理官邸前でデモを行うというツイートが流れる。以前、共謀罪への反対デモを直接見に行った僕は前回と今回で、デモに変化があるかを知りたくなったので、帰宅途中に国会議事堂前で降りてデモを見学。出口の前には安倍政権の対応について不満をぶちまける黒板があった。
共謀罪反対デモの時と同じく、手にプラカードを持って「安倍は辞めろ!」と叫んでいる人々の列を往復する。正確な人数は分からないが、先述したデモの時に比べ同じか少々少ない。だいたい2~3000人前後あたりだと思う。デモの人数にはさほど大きな差を感じなかったが、そこに漂う空気は異なっていた。共謀罪の反対デモには多数決の横暴になす術がないことを知りながらも黙って見過ごせない!という切羽詰まった空気や悲壮感のようなものも国会前に漂っていた。だけど今回は公文書改竄の報道を受けてかデモの参加者の雰囲気には力強さと自信を感じた。「俺たちは間違っていない!社会のルールの根幹を破る奴らを絶対許さない!その怒りは社会のルールを守って生きている多くの人に必ず届く!」といった、負い目のない自信が見えた。ただその勢いも一過性のであって、数日後に報道の勢いが衰えたらまた萎んでいくんじゃないかという疑問もあった。この国はいくら与党に怒っても数日後にはまたその怒りを忘れていき、結局は何の反省もない自民を勝たせる。そんなことのくり返しが続いてきたのだから。
8:30~9:00頃まで見学後、帰宅。
3/16(金)
次回のデモが3/16という話を知り、先日見てきた怒りが一過的のものかどうか気になってはいたものの、また失望するのも嫌なのでいこうかどうか迷っていたがメディアの政権批判報道が連日続いているのをみているうちに空気が変わってきている印象を受けた。その感覚があっているか確かめるため、国会議事堂前駅に足を運ぶ。この日は雨。小雨が降った程度のことで選挙の投票率が大きく下がるこの国で、デモのために多くの人が来るとはとても思えない。先日の怒りが一過性のものだったことを再確認させられるだけだろうな、と考えながら国会議事堂前駅で下車。改札口を出た途端、空気の物々しさに気づく。周囲には警官がおり、出口に向かう人を誘導している。首を傾げながらも外に出ると、前回と時と比べ物にならない程の人数。
そして前回と比べるとデモの参加人数だけでなく、警官も圧倒的に増えており壁を作っている。
3/16(上)
3/12(下)
角度は異なるが、これは同じ場所から撮った写真だ。3/12と比べると、3/16の異常な物々しさは一目瞭然。デモ参加者と警官の間が狭くて人数を図ることも簡単ではない。密集の度合いを考えると1万人近くはいたんではないだろうか。この日もだいたい20:30~21:00前後まで見学をして帰宅。
3/23(金)
森友疑惑のカギを握っている一人とされる佐川宣寿氏の証人喚問を控えた週末。人数に大きな変化などはないが、官邸前にいる警官の物々しさがさらに増していた。官邸前の歩道に沿う形で専用車両をズラッと配置。
道路を挟んだ対向の通路ではおよそ1万人を超える人たちが鳴物を叩き叫んでいる。
「安倍は辞めろ!」
「麻生も辞めろ!」
「公的文書を改竄するな!」
「説明責任しっかり果たせ!」
「国民を舐めるな!」
「ウソをつくな!」
それと比べて、官邸側の駅出口は封鎖されていたため通路に人は殆どいない。まるで
権力側の人間にデモを見せないように車両で壁を作ったみたいで、その不自然さにぞっとさせられた。また同時に「官邸もデモを嫌がっている」ことを感じた。デモがこわいからこそ壁を作るのだろう。普段偉そうなくせに臆病な連中だ。この日も、だいたい20:30~21:00で帰宅。
3/30と4/6
3/27に行われた証人喚問でだんまりを続けた佐川氏の報道を受けて、自民のお偉方が
「疑惑をどうにか乗り切った!これで騒ぎも収束するだろう!」と声明を発表。さて、それはどうかなとほくそ笑みながら、国会議事堂前駅に向かう。
自民 総務会長 佐川氏喚問で事態収束に期待 | NewsHub
3/30 20:30~21:00
4/6 20:30~21:00
3/26は前週、前々週ともに雨だったのに対して晴れていたのもあって、予想どおりの人数増。甘いよ竹下。さっきも書いたけど小雨で投票率が下がるこの国で、週を追うごとにデモ参加者の人数は増えていた。安倍の顔色だけ伺って媚びへつらっているお前らには分からないだろうよ。これは最早、森友云々(でんでん)がどうこうといった話を越えている。今、この国は権力を持つ者の都合に合わせて公文書を好き勝手にいじって事実とウソを書き換えている。それは好む好まざるを別にして、社会のルールを守って生きている僕らの冒涜だ。お前たちはそこを、まだわかっていない。
さらに4/6には加計学園の獣医学部設立が「首相案件」として扱われていたことを、朝日新聞が大々的に報道。
世論や野党の追及を受け、関係者を国会招致する方針を自民党は発表。偽証罪が適用される証人喚問ではなくて、適用されない国会招致で。
与党がそうやって足掻き続ければそれほど与党の醜い本性が露になっていく。そうやってそのみっともなさを晒し続けていろ。その体たらくが各省庁のリークをさらに誘発させていくだろうし、世論も厳しくなっていくだろう。毎週30分前後だが、デモを見学していてつくづく思った。
メディアのスクープを受けて、デモで権力批判を続けることでメディアも勢いづいた。デモは確実に政権の力を削いでいる。
今の政治や政権に納得いかないけど、デモをやったところで何も変わらないんじゃないのかとか思っている人がいたら、ぜひデモに行くべきだ。公文書の改竄や権力者たちによる政治の私物化。政権にとって不都合な情報の隠蔽に、更には事務次官によるセクハラ。もう何もかもがこの国は壊れている。その崩壊を食い止めるのは、デモに加わったあなたの声ということだってありうるのだ。何度でもいうが、もう政権担当能力がどうこうの話ではない。この国を成り立たせているウソをやめさせること。この国の政治からウソを払拭させる。これは大人である僕らの責任だろう。今、怒らずいつ怒る?くどいだろうが何回でも呟いてやる。
デモは確実にこの国を変えている。この国が間違っていると少しで思っているなら、今日であってもなくてもその思いをぶつけるべきだ。
追記:本日のデモ参加者数3万人。
こちらは名古屋でのデモのリポート。これはもう森友、加計どうこうの話じゃない。公文書偽造なんて行為をさせている政権に統治能力を認められないからやめろ!っていうだけ。
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