サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

「キレる」の現代と「ぷっつん」の80年代について

ベビーカー論争の先にあるものについて - サブカル 語る。

 

昨日のブログ記事で、僕はベビーカー論争の根底となっているのは

この道具そのものの是非ではなくて、単純に僕ら日本人の

「不快感」や「迷惑」などに対する基準値が低くなっているからでは?と

述べました。日本で老若男女がどういうわけだかしょーもないことで

怒ったりイラついたり。こういった「キレる」という現象は

ある時期「若者」にみられる現象と思われていましたが、

このブログを見るとそうでもないみたいです。

 

キレる老人について考えてみた話 - ネットの海の渚にて

 

 


「キレる老人」問題と、現代居住空間の世代間断絶

 

このブログでは60歳あたりの男性に胸倉を掴まれたり、理不尽な要求を

つきつけられて困ったご体験を踏まえて、上の記事についてブロガーさんが

ご自身の見解を述べており、読んでいてそういうのに巻き込まれた

体験が無くて、マジでよかったと思いました。老いも若きもイライラ、イライラ・・・。

いったい何時頃から、このような「国民総怒り」みたいな世の中になったのか?

 

僕は、それを90年代。「キレる」という単語が流通し始めたあたりでは?と

考えています。さかのぼって80年代。人々は怒りを「ぷっつん」という言葉で

言い表していました。まぁ、今になっては誰も使わない単語だけど。

 

ぷっつんというのはgoogleで調べてみたところ

「我慢の限界を超え、正常な判断や行動が出来なくなるさまを表す言葉」として

80年代に流行り、1986年には流行語大賞にも輝きました。

またこの単語をタイトルに使ったテレビ番組も放映されています。

 

バラエティ番組では「鶴ちゃんのプッツン5」

ドラマでは「アナウンサーぷっつん物語

 

などなど。

 

この「ぷっつん」は確かに怒りを表す単語ではありますが

その響きのせいかどことなく、まぬけなイメージも持っています。

本人は大マジメで怒っているんだろうけど、このフレーズを

「俺もう、ぷっつんしそう」とかいった感じで使うと

その人自身が怒りに対してどこか距離を置いており

怒っている自分自身を、どこかで茶化しているような印象があって、

軽薄短小」などと評される80年代の雰囲気にピッタリのフレーズに思えます。

 

だけど、このぷっつんはもはや誰も使いません。

今、僕らが同じ心境となった時に使っているのは「キレる」です

「キレる」というのは「切る」であり、その響きにはユーモアも

なにもありはない。ただ、そこにあるのは身も蓋もない、徹底的な「断絶」を

僕に連想させます。こんな言葉を使っていりゃ、そりゃ気持ちも

荒んでくるというものです。ベビーカー論争において、多くのブロガーさんは

心にゆとりを!訴えていました。

 

たぶんそれはもう一度、この現代に「キレる」ではなくて、

「ぷっつん」の響きを取り戻すということなのかも知れません。