こんにちは。
普段はあんまりテレビを見ない僕だけど、秋のアニメ新番組で楽しみなのがひとつあります。
この「GRIDMAN」なるアニメ、元々90年代に放映された円谷プロの30周年特撮番組「電光超人グリッドマン」のリメイク。このマイナーな特撮作品について、以下で説明をしていきたく思います。
グリッドマン(特撮版)ってどんな物語?
ざっくり物語を説明すると電子機器の中にある仮想のデジタル空間「コンピューターワールド」に悪の帝王「カーンデジファー」が機器を狂わせるコンピュータウイルスを具現化したかの如く怪獣を送り込み、その仮想空間で怪獣を暴れさせることで電子機器に異常発生!暴走機器の影響でパニックに陥る街と愛する人々を救うために、中学生の男子が手作りパソコンの「ジャンク」に宿る正義のヒーロー「グリッドマン」と一体化。コンピューターワールドに乗り込み怪獣と戦う。といった感じです。
このおっさんこそ悪の帝王カーンデジファー
このグリッドマン放映の時、僕は高校三年生。この頃の僕は特撮番組から卒業しており、大学受験に向けて勉強に本気で打ち込んでいた時期でした。そんなとある日の放課後。友人が「お前、グリッドマンって知ってるか?あの番組すげぇからとりあえず観てみろ」とやたら薦めてくるので、その力説っぷりに負けた僕はそれを観てみることに。そして番組の視聴後、印象的なエンディングテーマの余韻に浸りながら「すげぇな」と思わず呟いた自分がいたのでした。
グリッドマン(特撮版)のすごさを語る
①主役の演技がヘタ
セリフが棒読み。さらに感情もこもってないので全然ドラマに感情移入できない。
②グリッドマンが弱い
グリッドマンの声を担当したのは90年代に人気絶頂だった声優の緑川光。声はすごくカッコいいのにも関わらず、どういうわけだかグリッドマンが設定的にやたら弱い。感覚的にウルトラマンの活躍時間より短く、すぐピンチに陥る印象でした。戦闘時のコンディションは中古の部品で作ったオンボロの手作りPC「ジャンク」と連動しているため、ジャンクを長い時間起動させていると処理速度が遅くなり、同時にグリッドマンも弱体化。後にパソコンの性能不足を補うべく、仲間の同級生が剣や大砲などのウェポンやグリッドマンと合体してパワーアップできるアイテムを幾つかプログラムで作ったりするんだけど、そんなんだったら内臓メモリやCPUをもうちょっといいモノにした方がいいんじゃねーのかとか思って観ていました。
パソコンの処理落ちで弱くなったグリッドマンは怪獣に投げられたり、電流を流されたり攻撃を受けまくることになるんですがその都度、緑川が「うぁっ!」「ぐはっ!」と実に色気のある声で叫ぶので、僕の潜在的サド気質が刺激されまくりでした。
③敵が何を目指してるのか不明
世界征服を狙う悪の帝王とかいいながら、カーンデジファーの起こす騒ぎの範囲は原則的に主人公の暮らしている街のみ。(たまにグリニッジ天文台のコンピューターを狂わせて世界の時間を混乱させるとかいうスケールの大きいものもあるけど)。街の企業や商店街、個人宅の機器を狂わせて騒ぎを起こすのがデフォルト。それだけだったらまだしも物語後半には家庭用掃除機に怪獣を送って人間を吸い込む掃除機に改造するだの、ゲーセンの占い機に怪獣を送り込んで洗脳装置に改造するだの(その改造掃除機も占い機もたったの一台のみなので非効率的)、方向性も理解不能なものに変貌。
特に改造占い機のエピソードはシュールの極みです。占い機で遊んだユーザー一人一人の欲望に合わせてカーンデジファー様自らが現れて「お前の欲求を開放するのだ!」とお説教。その説教を受けた人は全盛期のダンプ松本やブル中野みたいな目つきになり、子どもが手に持っている食べかけアイスを奪ってドヤ顔でなめたりするなどの小さな悪事を街のいたるところで働き、その様子を見てカーンデジファー様もご満悦。何がやりたいの?この人。
④エピソードタイトル
こんなふうに友人と物語のシュールさや、演技のヘタさが醸し出す味わい深さを楽しんでいたけれど、この番組はたぶん一般ウケしないだろうという雰囲気が漂っていたため僕らはおそらく2クールで番組打ち切りになるだろうと思っていました。番組が4月スタートだから10月に終了か。そう考えていたら2クールの10月を越えたので「おぉっ!通年で放映!4月まで楽しめるぞ!」と喜んでいた矢先、番組は年末にグリッドマンと先述した悪の帝王カーンデジファーとの直接対決を放映。「え?第3クールの最後でラスボス戦?第4クールどうなる?」と僕らを困惑させ、そんでもって年明け最初になる放映タイトルは「さらばグリッドマン」。で、第4クールスタートと同時に放映終了。
世間では正月で「今年もよろしく」という挨拶がされている中、新年早々に「さらば!」と叫ぶ不条理さ。どこまでシュールなんだよこの番組!!
※別件だけど、エピソードタイトルですげぇな!と思ったあるドラマもついでに紹介。これ誤植じゃないんだぜ。
グリッドマン(特撮版)をそれでも俺は愛している
人によっては「グリッドマンをけなすようなことを長々書きやがって!」とお思いの読者もいることでしょう。けれど、僕はこの作品を心から愛しています。確かに物語や映像は陳腐なものも多かった。けどこのインターネットや様々な通信技術などがこんなに一般化する前の90年代に、コンピュータのセキュリティ問題を具現化したかのようなプロットを考えた制作陣の先見性は高く評価されるべき。そんなマニアックな作品だから根強いファンもたくさんおります。20数年前には表現をしきれなかっただろう独特な世界観が今回のアニメではたしてどうなるやら。
追記:アニメ版のプロモーション。特撮版の視聴情報。全12話を見た感想
見た感想としては本来の持ち味であるB級のニオイが漂っていないのが気になるけど昔のマイナーな作品がこうやってリメイクされて次世代に引き継がれるっていうのは、作品としては幸せなことなんだろうなぁ。また、huluでは特撮版グリッドマン全39話を視聴できるキャンペーン中だそうな。
このブログを読んで興味を持たれた方がいたら、アクセェーッス!フラーッシュ!!(グリッドマン変身時の掛け声)
僕以外にも今回のアニメ版グリッドマンに注目しているブログも紹介。いやほんとに、この作品根強いファンが多くて驚きだ。ただ、公式抱き枕。テメーはダメだ。
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※特撮版グリッドマンで特筆すべきなのはOP/ EDテーマと戦闘BGMのカッコよさかな。今聞いてもいい歌なんだわ。