サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

山本太郎「的」なものを消費するだけで飽きたら捨てるあなたに

こんにちは。

本日のブログのテーマは7/21の参院選山本太郎について。

 

f:id:arrow1953:20190724005944p:plain

 

 

 

参院選みんなちゃんと行った?

 日曜日に行われた参議院選挙、皆さん票を投じましたか?僕は妻と娘と投票所に行った後は「結果がどうなるだろう」と気が気でなくてNHKと民放の開票速報をザッピングしまくり。投票率が50%を割っていたり、相変わらず与党の強さを見せつけられたりとあんまり気分のいい内容じゃありませんでしたが、護憲派の僕としては、とりあえずは改憲の発議に必要な人数を与党サイドが確保できなかった点で胸をなでおろしました。今回の選挙を振り返ってみると確かに野党は与党に負けているんだけれど、投票率が50%以下という中で安倍総理率いる自民が得票率を下げているのに対して人数は増えて来ている。一人区の戦いでも自民の圧倒的有利な地域で議席を奪えている。など次回の衆院選につながる可能性もそれなりにあったりする結果なので、諦めたらいけない。と思っています。

 

山本太郎への熱狂に抱いた既視感 

 さてさて本題。今回の選挙は与野党含め、元議員の山本太郎が最も目立つことになりました。TVのニュースでほとんどクローズアップがされないキビしい環境の中で山本とその支持者はツイッターを通じた演説の拡散や寄付金の募集、障害を持った議員候補の擁立など独自の活動を展開。マイクを手に握りながら熱を込め語る山本太郎の動画は多くの支持者を集め、不利どころか議席獲得も困難だといわれた下馬評を覆して堂々の2議席獲得。これってほんとうにスゴイ。と僕は思ってます。だけど、その一方で山本太郎を過剰に持ち上げる支持者が少なからずおり、「山本太郎を総理大臣に!」「他の野党も山本太郎の政党と合併を!」という声には注意が必要ではないかと思うのです。先述した熱気溢れる支持者たちの声をツイッターなどを通じて読んでいるうちに、なんとなく「おたかさん」こと土井たか子によって社会党が勝利した参院選、20数年前の小泉ブーム、数年前にあった民主党政権交代時の光景などがふと僕の脳裏によぎったのでした。

 

「野党がだらしない!」
「何でも反対で議論できない野党」
「消極的な自民支持」

 この数年間、こんなフレーズを何度も僕は見聞き続けてきました。それはまた「そもそも自民に抗いたくても抗えないほど野党の力を弱くし続けてきたのはアンタらだろ!今の自民を勝たせ続けて野党の力が弱い?そんでもって与党サイドの政策に不満が出てきたら野党のせい?野党が力不足なのでやむを得なく自民?そんなに自民がイヤなら、野党を勝たせて育てておくべきだったのにそれをやらなかったのはどこの誰だ!」と、怒鳴りつけたいのを抑えて堪えてきた数年間でもあります。野党を勝たせて育てれば、この国の政治もマシなものになる。だけどみんな野党には票を投じない。自民党政策を心から支持しての野党敗北だったらまだしも「ほかに選べる政党などがない!」などといい自民に票を投じる。その結果、自民や野党はさらに増長。そんなこの国の雰囲気に僕は心から絶望を抱いていました。

 

 そんな時、長らくこの国に漂い続けている「政治への無関心」を払拭できうるような魅力を持った人物が颯爽と現れて台風の目になっていき、それなりの成果を得られた。そんなドラマや漫画を思わせるシチュエーションが目の前にあったら?そりゃ誰だって高揚します。そういう僕だって山本太郎の政党が議席を獲得できたのを知った時には「やったな」と呟きました。だけど。だからこそ、今は過剰の盛り上がりに走らないで貰いたいと僕は思うのです。確かに閉塞する空気を払拭するには山本太郎的な勢いを持つ突風が有効です。だけど、それは長続きしない。さらにいうと突風はその勢いゆえに周囲のものを壊す結果になることだってありうる。突風の後には強くなくてもいいから絶えず吹き続けることで滞留しようとする空気を循環させる風も必要なのです。今回は山本太郎たちの勢いも野党サイドの追い風になったのは事実であって、そこはおおいに評価するべき。けど、その勢いを頼たところでやがて頭打ちになるのは過去を振り返れば自ずとわかります。

山本太郎的なモノから何を育てるか?どう成長するか? 

 次回の衆院選に向けて野党や山本太郎の支持者、僕らが考えるべきは「山本太郎的な勢いをどんな形に変えていくか?」そして山本太郎的なモノに心躍らせる僕らが、ただ何かを変えてくれそうな山本太郎的ヒーローや熱気を求めるだけのガキ思考をそろそろ卒業して「この国の政治に対してどんなアプローチができるように成長するべきか?」を、本気で模索する段階ではないかと思うのです。先程の例えでいえば山本をはじめとする突風の後、どんな風を吹き続けるか。ということ。山本の支持者は所属議員や山本の活動っぷりをじっくり監視して賞賛とエール、時にブーイングで互いに育て合っていく。今回、共闘で戦った立憲民主や共産などの野党サイドに票を投じた僕らも積極的に声を発する。SNSで議員のフォロワーになって声を送ったり、野党共闘で納得できない行動や発言があった時にはその政党本部前でデモを行うなど「選挙以外の手段で、この国の政治にどうコミットするか」を考えて、行動に移す。そのプロセスを通じ議員、支持者お互いの成長を目指そうという時期になったんじゃないのか。

 

 もしあなたが本当に現政権の政治にウンザリしている。というんだったらね。ここで断言させてもらうが、おそらく多くの人はそう遠くないうちに山本太郎に飽きた後、また別の山本太郎を探すだけになる。