サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

月曜日のたわわ広告に、日本の「ダメさ」が濃縮されている

こんにちは。

 今回のブログのテーマは先日、日経新聞に掲載されて顰蹙を買った「月曜日のたわわ」という漫画の広告について。ブログのタイトルでも述べているけど、この広告には女性に対する「日本のダメさ」が凝縮されています。

 

 

natalie.mu

 

この広告、フェミニズムの人たちでなくても、普通の社会人の感覚だったら「ふざけるな!」「なんだこりゃ?」ってなるでしょう。エロイラスト大好きオタクや表現の自由がどうのこうのうるせぇ輩がこの広告の論点を「胸の大きさ」などの体形の問題にすり替えたり、いつもみたく「嫌なら見るな!!ってだけだ」と怒鳴ったり見苦しい態度をツイッターなどで晒しているけれど、たぶん常識的な感性を持つ社会人だったらこの広告や発行元の講談社に対してこういいたくなるでしょう。

 

「不安を吹き飛ばし、元気になってもらいたい…こんな女子高生のイラストを見ただけで元気になれるわけないだろ!ロリなイラストごときで元気になるほど単純な人生じゃないわ!気持ちわりぃロリコン趣味のお前らと私を並べるな!一緒にするな!」

 

 このブログでいつも語っている子どもを性的対象云々、衆目を集めるための女性利用云々以前の話です。ただでさえ政治・経済・文化で下り坂まっしぐらなこの国の将来を思って多くの人が頭を抱えているってのに「ロリコンイラスト」ごときで誰が元気を出せるか!!っいうて話です、単純に。つまり、この広告のクライアントである講談社日本経済新聞社もナメているのよこの国と人を。日本で「経済」をでかでか掲げている「日本経済新聞」が

 

ロリコンイラストでみんな元気になろー」

 

 普通に考えて、舐めてるだろ?経済を冠する新聞がこのザマかよ。

 

 以前、このブログで僕は女性を広告に使う際に内在させられている「エロ的文法」について述べました。

 

 

リンク先の記事ではライターが水着女性を広告に使ってきた最大の理由に「男は基本的にオネーチャンの水着姿が好き!(同性愛者については別。)」というのを上げており「そうだろうね」と僕もうなずくところです。記事によるとビールメーカーも「男性の性的欲求」に働きかけるのが目的だったとはっきり述べています。だけど、その男性対象の性的欲求への訴求もニーズの多様化とか女性ユーザーの増加などの背景で減少、廃止せざるを得なくなったそうな。そりゃそうだ。 で。話に戻ります。こんなふうなユーザーの多様化により「男性的な性的欲求」への訴求」がだんだんと廃れていった背景に逆行していくようにアニメやゲーム、漫画などいわゆる「サブカル」な分野では「エロ文法」満載な描写、表現が増加しているのはなぜか。これは実写だから、非実在キャラだからといった乱雑なくくりや「表現の自由云々」などといった議論に逃げずオタク、非オタクな人、老若男女などを含めもう一度深く考えるべきではないだろうかと思う

僕らの周りに溢れるエロ文法に、みんな麻痺していないかを考える - サブカル 語る。

 青線の部分どおり、男性の性的欲求に頼って商品を客に売る時代はもう古いと多くの企業も認識を改めている。つまり、エロを商売に使っても昔みたいなうま味はない。逆に女性ユーザーの増加やニーズの多様性によりマイナスにもなりかねない。と考え始めたからこそ「内在的エロ」を秘めた広告は減ってきたのです。フェミニズムの弾圧や規制などでなく、あくまでも「商売」という面で廃れただけです。社会的なモラルの成熟という点もあるだろう。だけど「エロは金にならない」という前提が「エロ」や「エロ的な文法」にNoをつきつけていることを見誤ってはいけません。その辺を分かっていないとタイツメーカーの「アツギ」みたいな目にあいます。

 

 月曜日のたわわ広告の話題を知って僕が「こりゃダメだ」と思ったのは、オタクや表現の自由云々がどうのこうのとうるさい人たちにではありません。日本経済のオピニオンリーダーっぽい面した「日本経済新聞」がいまだに社会の消費趨勢やこの新聞にも少なからずいる女性ユーザーに対して鈍感であり「エロ広告で金を儲ける。それは商品の売り上げにつながる」と考えている愚かさにたいして頭を抱えたくなるのです。まともな広告の営業だったら講談社の営業に「こんな古い広告出したら企業イメージが壊れるので辞めたら?」といって止めると思う。正直言って、この国の経済のオピニオンリーダーを名乗っている新聞がこんな具合じゃ景気回復しないわそりゃ。

 

 

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