サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

「肌の色の違い」を僕らはどのように組み込んでいくべきかを考える

こんにちは。

 

 めっきり涼しくなってきましたが、あいかわらず「サブカル」分野では「人権」に関わってくるアツい話題が聞こえてきたりします。その中でも僕が最近注目しているのは物語における「人種問題」。具体的にいうと指輪物語のエルフ役やディズニーの「リトル・マーメイド」の主役アリエル姫など、物語の映像化で重要なキャストにおける白人の俳優優先起用からの脱却が進んでいるそうな。

 

 

 



白人ではない人たちが主役の物語

 

黒人差別とかじゃなくてアリエルはアリエルっぽい人にやってほしい」「アニメで親しんだアリエルのビジュアルが完全に無視されて悲しい」「アジア人でも黒人でも白人でも、誰だってアリエルになれるでしょ」――。

9月9日、アメリカのウォルト・ディズニーが公開した実写版『リトル・マーメイド』の予告編をめぐって海外のみならず、日本でも議論が巻き起こっている。

この予告編では、アリエル役のハリー・ベイリーがバラード曲 「パート・オブ・ユア・ワールド(Part of Your World)」 を歌っているが、この映像を見た人から「白人」の役を黒人女性が演じることに対するさまざまな反応がネット上で繰り広げられているのだ。

「実写版リトル・マーメイド」日本人が批判のなぜ | 映画・音楽 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

 

 以前に作られた作品で登場人物が白人だったため、白人でないキャスティングに強い違和感を感じている。それは人種差別に基づくものではない。と多くの人が信じているみたいなのだが、はたしてそうなのだろうか?とこの記事は僕らに「ドキッ!」とする疑問を投げるのですけど、僕はひどい性格なので更に突き詰めていきます。

 

僕らは「白人ではない人」を見ていない

 たぶん、コレ僕自身の反省を含めていうけど「以前の作品」などがなくても違和感を抱く人は多いんではないのかって思うんですよ。むろん僕は記事にあるアホみたく差別的発言を呟こうと思いません。ただ正直いって、白人でないエルフとアリエル姫を受け入れるのに一呼吸、数秒の思考は挟みました。そもそも実際にみたことのないキャラクターたちの肌の色の正当性を論議するというのも不毛なんだけど、この違和感って何なのかと考えていくとおそらく僕らの根源にあるのは「物語のヒーロー、ヒロインは白人か名誉白人(皮肉)」とでもいうべき価値観が根深く刷り込まれていた。ということと同時に「僕らは現実の登場人物としても日本人以外の白人ではない人たちをさほど重要視してこなかった」っていうことなんではないか?って思えるのです。街のいたるところで働いたり生活して、この国を支えてくれている仲間でもあるのにも関わらず、僕らは彼らをろくに見ていない。そこで「ナディア」とか「∀ガンダム」とかを出すなよ。後で述べるから。

 

やっぱりありゃ僕の差別だったな

 先述した「ふしぎの海のナディア」と「∀ガンダム」。これらの物語の主人公は肌の色が明らかに白人と異なり、その頃子どもだった僕はかなり戸惑ったのを覚えてます。ナディアは中3の頃の放映だったので「受験でアニメとか観ている暇はない」∀は大学卒業を控えていた頃の放映だったので「就職活動でアニメどころじゃない」というもっともらしい理由でほとんどリアルタイムで観ていませんでした。

 そんなこんなで数年後。大学を卒業後に紆余曲折を経て都内多摩地域をエリアとするタウン新聞のライターになり、取材担当エリアだったあきる野市をたまたま回っていた時でした。ランドセルを背負った小学生の下校グループが近くにあってふと目をやるとそこには日本人の子数人と黒人の子が仲良さげにふざけ、帰路についている風景があり、思わず釘付けになったのです。道徳の授業で「人種差別」などを学び、そういったものを許す社会はよくない。とは思いながらもいざ、異なる人種の人たちなどと接する際にはどこかで構えてしまっている。そこが自分の限界であり、大多数の人もおそらくそうだろうと考えていたけどそんなことはなかった。目の前の小学生グループに自分がいかに古い人間かということを知らしめられて、情けない思いをさせられたのと同時にこの子たちこそ「希望」なんだろうなとも思った。そして嘗てのナディアや∀に想いを馳せて「やっぱありゃ人種差別に基づいた違和感で観ていなかったんだろう」と、潔く認めたのでした。

 

差別意識を捨てなきゃ、君も僕も置いてけぼり


 そんでもってさらに10数年後。再び湧いてきた物語キャラおける「人種問題」。この問題については他人をどうこういうよりも、自分、まったく成長してないな。っていう思いのほうが強くて情けないやら。ここはあらためて、自分をアップデートさせていかなきゃならない。物語だけでなく僕らのいる現実でも日本人以外の白人でない人たちを重要視しなきゃいけないな。という想いを強く持っております。なに?ポリコレ?いい子ぶるな?そう思いたいんならどうぞ。ただ、そういうことを言う人の想像よりも早くこの社会の変化はまだまだ段階的ながらもすさまじい。それらを見て見ぬふりしていて取り残されても俺は知らん。