サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

ことばの領域がサブカル的な記号に浸食されている日本

こんにちは。

 年明け最初の記事はこのツイッターでの呟きについて

 

 

 


 多くの人も指摘しているけど、たぶん「ONE PIECE」のこの辺りの影響でしょう。

 

 

 ここで自衛隊の賛否や是非について問うつもりはありません。ただ、僕は数年前からこの国では「政治」「行政」の分野で語られるべきことばがやたらサブカル的な記号に置き換えられている傾向を憂慮しています。

 

 どういうことかっていうと、こういうことです。

www.bbc.com

 

以下、意訳

 日本の神奈川県小田原市の福祉課職員が生活保護の不正受給に対して、攻撃的なメッセージをデザインしたジャケットを所有していたことが明らかになった。正面には「悪」をデザインした紋章があり背中にこのようなメッセージもあった。 

 

「保護なめんな」

「あえていおう、不正受給をしようとする人間はカスである」

 

 朝日新聞は「小田原市で職員が家庭訪問でジャケットを着た」ことを伝えた。このジャンパーは2007年に生活保護をめぐって職員が申請者の男性に襲われたことをきっかけに「士気を高めるため作られた」と語り、28人の職員は現在でも所有していると述べた。小田原市は7人の職員を懲戒処分。加藤健一市長は「不適切な表現だった」と謝罪した。

 

 数年前、BBCが神奈川県小田原市の福祉課職員らが生活保護の不正受給者に差別的、且つ攻撃的なアプローチを行っていたことを報道。このニュースで注目すべきは職員らの攻撃的な発言がガンダムの登場人物ギレン・ザビの「あえていおう、カスであると!」という有名なセリフそのもの。ということです。

 海上自衛隊のツイートも、小田原市の職員の発言も、よく見たら単なる「アニメやマンガの引用」でしかない。だけど本来は「国防」も「福祉」もそのあり方や理念、意義などについてを言葉を丁寧にかつ慎重に語りながら議論を積み上げ、できるだけ理想に近いシステムを形作っていくべきものではなかったのか。船からひけらかす「正義」という言葉は隊員たちが言葉を積み上げて形作られたものなのか?「不正受給をする人間はカス!」という発言は職員が「生活保護」「受給者」についての議論を重ねた結果生じたことばなのか?たぶんそうではなく、これらは単純に彼らの立場を肯定できる「彼らにとって口当たりいいのフレーズ」というだけで、それを表に出すことで酔っているだけに思えてなりません。福祉も国防も「防衛力」や「経済力」など、国民に何らかの力を行使できる立場だからこそその辺は慎重であるべきなのに、そこを「アニメや漫画の引用でしかないセリフ」で自分らの正当性を言い切ろうとする態度はどうにも危なく少々傲慢ではないかと思うのです。

 

 逆に言うと、その傲慢さがこういった事件などの根本にあるのでは?とも僕は思う。

www.nhk.or.jp

 

 「同僚」という最も身近な存在の人権を守ろうともせず、蹂躙する団体がいくら正義を叫んでだところで僕にはウソにしか聞こえん。

 

 

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