サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

ウルトラマンオーブに隠された変身の秘密、気づいた?

こんにちは。

 先週からスタートとなったウルトラマンの生誕50周年記念作品の「ウルトラマンオーブ」、皆さんもう観ました?

m-78.jp

 

 いや〜おもしろかった。最近のウルトラマンって歴代怪獣の能力を自分の技に変えて戦ったりとかいうのが多くなっていたので、なんか戦い方が他力本願っぽくなっていてキライでした。強敵との戦いでピンチになるとすぐにそういう力でパワーアップ!とかいった展開が、少々安易すぎやしないか?と。そういう時は兄貴分のゾフィーやセブンたちが弟分を守るために颯爽と現れたり、敵に敗北を喫した後、特訓を積んで新技を身につけ、再度怪獣との戦いに挑んだり、そういうアツい物語が僕は観たいんだ!って思って敬遠していたのでした。だけどこのウルトラマン50周年という節目に意固地になることもなかろうと新世代ウルトラマンを観てみようと決意。そしたら思いのほか、おもしろくて驚きやっぱ食わず嫌いはイケない。

 

 そういや皆さん。第一話で主人公の青年「クレナイ・ガイ」が怪獣の出現に合わせてウルトラマンオーブに変身する時の演出が粋なモノだったことに気づきました? 正体を隠すため、ガイが街角にある3分間写真機の中で変身する演出がありました。ウルトラマンオーブ変身後は、怪獣の攻撃を受けて追い詰められながらもギリギリのところで勝利。変身可能な時間の3分に達したのと同時に人間体のガイがオーブに変身している瞬間の写真が取り出し口に射出。人間体に戻ったオーブ(ガイ)はその決定的な瞬間を写している写真をあわてて懐にしまって去っていくという描写だったんだけど、この演出っておそらくウルトラマンの親「円谷英二」に捧げたものだったんでは?と僕は思っています。

 意外に知られてない話だけど円谷英二って3分間写真機の発明者なんですよ。

 

arrow1953.hatenablog.com

 

詳細は以下、ホームページ。

 円谷英二

 

 たぶん監督も脚本家もウルトラマン50周年だからこそ、円谷ファンなら笑みが思わずこぼれるネタを突っ込んできたんじゃないか?とか思っているんだけど、実際どうなんだろう?そんなこんなで新作のウルトラマンに絡めた円谷プロのマイナーな雑学でした。

 

 この記事を読んで、ウルトラマンオーブに興味を持った読者に、今回のウルトラマンの特徴を簡単に説明させてもらうと「自信喪失をした戦士」「融合」の2ワードになります。どういうことなのかっていうと、このオーブというウルトラマン。過去の戦いで恋人を巻き込んだため自分の力を全力で出せなくなっているのです。そのため怪獣と戦う時には他のウルトラマンの力を使わなくてはいけない。そこで新世代と旧世代の力をアイテムで「融合」させ、ウルトラマンになるのです。

ガイは昭和のウルトラ戦士と平成ウルトラ戦士のカードをアイテムにスキャンさせて合体変身。ベースになっているのは昭和の元祖「ウルトラマン

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平成の元祖ウルトラマンティガ

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※映画やビデオシリーズ作品を除いて元祖って意味。

二人の力と姿を融合させた中央のスタイル「スペシウムゼペリオン」。

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中央:初代ウルトラマン+ティガ=スペシウムゼペリオン

変身時のかけ声は「光の国の住人であるウルトラマン」と、「光の巨人」として古代の文明を守り続けていたティガに敬意を表して「光の力お借りします!」

 

右 :タロウ+弟子のメビウス=バーンマイト

変身時のかけ声は自らの肉体を爆破させる大技「ウルトラダイナマイト」の使い手であるタロウ、メビウスの二人に敬意を表して「アツいやつ頼みます!」

 

左 :ジャック+ゼロ=ハリケーンスラッシュ

 変身時のかけ声は鋭い切れ味の飛び道具になる「ウルトラブレスレット」の使い手、ウルトラマンジャックと、お馴染みアイスラッガーの使い手であるセブンの息子「ウルトラマンゼロ」の二人に敬意を表して「キレのいいやつ頼みます!」

 

 歴代のウルトラマンにも「ウルトラマンさん!」「タロウさん!」「ジャックさん!」って具合に敬語で接するなど非情に礼儀正しい。いいね。こういう礼儀正しい子はおじさん好きだよ。ポイントになるのは組み合わせ。今後ウルトラ戦士のカードも増えるみたいなので、今後どんな組み合わせでどんなスタイルになるか考えるだけで楽しい。昭和の光線技の数No,1のウルトラマンAと平成の光線技数No,1のウルトラマンコスモスとか、ウルトラマンレオウルトラマンゼロの師弟コンビ、怪獣や宇宙人と戦う目的ではなく「恒点観測員340号」というコードネームで、惑星軌道図作成のために地球を訪れたセブン、同じく戦いではなく地球文明の監視員としてやってきたウルトラマンマックスの「インテリペア」とかどんなウルトラ戦士の組み合わせがあるかと考えるだけで子どもみたいにワクワクさせられています。 

 本編では宇宙警備隊長を務めるウルトラ兄弟長兄の「ゾフィー」、ウルトラの父と親友でありながらもダークサイドに堕ちて、M78星雲に戦いを挑んだ「ウルトラマンベリアル」の力を合わせた「サンダーブレスター」のほか、ほかの戦士の力を使わないオーブ自身の本当の姿だけで戦う「オーブオリジン」の5タイプだけで物語が続く見込み。 公開の決まっている映画で、別の組み合わせも出たら面白いな。

 

  

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ウルトラマンオーブの主題歌は「兄貴」水木一郎さん。テレビのウルトラ主題歌を歌うのは初めてなのが意外。作品別のカバーや、映画のテーマなどはあるけど。

ぶっちゃけ、不正選挙ってあるのかを知りたい人におすすめのブログを紹介

こんにちは。

 今日からまたサブカル関連のブログに戻ろうとも思っていたんだけども、古い知人が不正選挙論にハマったことと、この背景にある「陰謀論」もこのブログで扱うのにふさわしいテーマなので、今日のブログは「不正選挙」について。 

 

「不正選挙は行われているかどうか?」

 

 僕の個人的意見ではありますけれど、候補者が有権者を買収したりするなどの違反は局地的にあるかもしれません。だけどもネットで語られているように、自民党が組織的にそれを行っているといった話はありえないと考えています。自民が組織ぐるみで不正選挙を行っているという話だと「ムサシ関与説」が有名だけど、僕のなかで興味を引いたのは出口調査結果や前評判と実際の開票結果に差があることなどを根拠に「開票所」で不正を行っているという説。

 

 ①組織的不正選挙肯定派にゃこのブログ。

2016/07/07 三宅洋平候補 不正選挙について語る|Ghost Riponの屋形(やかた)

  このホームページでは東京都の参院選三宅洋平候補が選挙フェスなる大規模なイベントを行い、大勢の注目を集めていたのに、落選なんておかしいじゃないかとアツく語っています。

 

よーすけ@yosuke_grd
Google検索人気度の動向調査6/26~7/2】
1位:#三宅洋平
2位:#蓮舫
3位:#田中康夫
4位:#山添拓
5位:#中川雅治
圧倒的に三宅洋平が伸ばしている。

これがトレンド!
#参議院選挙2016 #東京選挙区

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 このGoogle検索結果をもって落選なんてありえない!というんだけど・・・。だって、この検索結果って肯定的な検索ばかりじゃないでしょう。三宅候補を褒めるものもメタメタにけなすものも含めての結果なんだから根拠としては弱いですよ。あと、三宅候補が都内の各地で行った音楽と街頭演説のコラボ?の選挙フェスは毎回、数万人を超える盛況ぶり!!そんな候補が落選なんてありえない!みたいな呟きもツイッターで見られるけども、うちらだって路上ライブやってても空き缶やギターケースに投げ銭入れる人はごく一部でしょ?さらにいうとその聴衆の中に「サクラ」っていないの?と反論できてしまうのはなんともトホホな印象。

 この他に関係ない地域で発生した選挙にまつわる不祥事などを取り上げて、「不正選挙」を訴えたりしているブログもありました。以下、その記事を引用。

 

期日前投票した票を入れ替えて(誤って)燃やされたなんてことはないですよね↓


参院選 泉大津市投票用紙8万枚を誤廃棄
2016年7月9日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160710/k00/00m/040/013000c


大阪府泉大津市選挙管理委員会は9日、参院選当日用の選挙区と比例代表投票用紙計8万3760枚を誤って廃棄処分していたと発表した。府と近隣の堺、岸和田両市から予備の投票用紙を調達し、10日の投票には支障がないという。 

9日に当日用の用紙を廃棄したって書いてるじゃん! 

 期日前の投票用紙を意図的に廃棄したんだったらわざわざ発表なんてしないだろうに。なんだかなぁと思っていたらこんなおもしろいブログ情報が僕の元に来ました。

②組織的不正選挙論否定派にゃこのブログ

「ムサシ」は票を改ざんする? ルポ 開票立会人 - パンとともにバラを

  このブログは組織的不正選挙論で最もメジャーな「ムサシ説」をキッパリ否定。先述したムサシ説っていうのは集計所に集められた投票用紙を、ムサシというメーカーの機材が票を数える時に結果を改ざんしているといった説。このブログで驚いたのはブロガーさんが日本共産党の関係者である事。疑われている自民党の人じゃなかったんだ・・・。 このブログではブロガーさん自身が選挙立会人を務めた経験を、写真を交えて解説。実際の写真があるため、話に非常に説得力があります。投票用紙に書いてある政党が圧倒的に「自民」だったのでイヤになったと愚痴をこぼしながらも、ブロガーさんはこのように語ります。

以下、ブログの記事を引用。

 

「過去の例に不正操作がまったくないとはいえませんが(過去に高松でありました)今まで書いたように一般的にはありえない話です。開票作業に立ち会って町職員の人たちが、誠実で真摯に開票作業にあたっている事を目の当たりにしました。全国の自治体職員もそうです。事実も確かめずにネット言説をうのみにして「不正」を騒ぎ立てる人たちは、彼らを愚弄していると思います」。 自ら選挙の立会人を務めたという経験に基づく意見というものは説得力も段違いです。さらに極めつけはこのひと言!

不正操作で当落を左右できるなら共産党議席を獲得することなど到底不可能でしょう。

 ごもっとも。両者のブログを読み比べた感想ですが、前者はどこまでも感情的。述べている不正の根拠も、筆者の思い込みの域を出ていない印象です。対して後者のブログは徹底的なリアリズム。共産よりも自民の支持者が多いことを嘆きながらも、事実は事実だと語る姿勢には誠実さと健全性を強く感じます。 どっちを信じるかは皆さん次第。

 

 両ブログを読んだ僕の結論。局地的「選挙違反」はあるだろうけど、組織的な大規模の選挙不正なんてないと思う。大規模不正が今回も行われていたとしたら、なんで現役閣僚が2人も落選したんだろう。

 

追記:2017/10/26
 10/22の衆議院総選挙の前後に、この記事のアクセスがすごく増えました。この不正選挙論は苦戦を強いられた野党側だけではなく、以下の通り与党側からも山尾議員の当選結果などから選挙の不正を騒ぐ人が増えています。ただ、この結果については毎日新聞が検証を行っており、そんな不正選挙論はデマであることが立証されているのですけど、こういった論が多く出回っている事態を僕はひどく憂いています。

mainichi.jp

 そんな根も歯もない話を広めた結果、有権者は「そういった不正があるんじゃ、自分の投票なんてムダじゃないか」と考える人が増えることだって充分ありうる。結局のところ、不正選挙論を偉そうに語る人は「大勢の知らないことを自分だけが知っている」っていう曲がった特権意識の
発露でしかありません。上記の記事では大阪国際大学で准教授を務める谷口真由美さんは、この傾向をこう語ります。ぜひ、毎日新聞の記事をお読み下さい。

 「最近、右派や左派に限らず不正選挙と騒ぎがち。自分と似た考えの意見ばかり目に入るSNS時代。自分に見える世界がすべてと思い込み『あんなに嫌われる候補が当選するのは不正に違いない』と短絡的に考える人が増えた」

 不正選挙論に踊らされている人たちに向けて心から、「お前ら反省しろ、このバカヤロウ!」とどなってやりたいところです。マジで。

 

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自民の改憲漫画「ほのぼの一家の憲法改正ってなぁに」の間違いが酷い

こんにちは。

 本日のテーマは自民党が発行した憲法改正漫画。その話に触れる前に先日、25年後の東京ラブストーリーを掲載した事で話題になった週刊漫画誌が「日本国憲法」を特集。人気作家が憲法とそれを柱とした現在の日本の風景をイラストで表現するのだそうな。

 

 

日本国憲法は幸せに生きるためのガイドブック 

 さっそくこの号を買って日本国憲法の「前文」から第三章の「国民の権利及び義務」を熟読。それ以降の第四章「国会」、第五章「内閣」第六章「司法」〜第十一章「補則」については勉強が足りないため、時間をかけて読もうと思っています。

 

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 知識不足を承知の上であらためて日本国憲法を読んでいて、僕は日本国憲法とは「この国で僕らが、幸せに生きていくためのガイドブック」だったんだなという感想を抱きました。この国の憲法は僕らに、こう語っているように思えるのです。

 

「この国の主人公は、この国で暮らしている皆さんひとりひとりです。皆さんは性別や人種、物事についての考え方、生まれ育ちや社会的な地位で差別されません。皆さんは各々『幸せ』が何なのかを考えて、それを追い求める権利を持っており、国はそれをサポートする義務があります。たとえそのプロセスで道を誤っても、この国は皆さんの生きる権利をできる限り支えますので、困った時にはお気軽に声をかけて下さい。

※国におんぶにだっこっていう意味ではなくあくまで自助努力が前提だけど。

 

 皆さんは独立した思想や考えを持っている『個人』であり、公共の福祉に反しない限りその個性は最大限尊重されるべきです。

 

※他の個性の考えている『幸せ』と衝突した時には議論によって両者の落としどころを探しましょう。まかり間違ってもその個性を暴力や権力などで捻じ曲げるようなことがあってはいけません。このように、この国では最大限、皆さんの自由を妨げません。国民の皆さんがこの国でどう生きるべきか、この国をどうしたいかを、一所懸命考えて下さい」

 

 国民の権利、義務について述べている第三章を自分なりに解釈させてもらうとこんな感じかな。これらはすべて憲法前文にあるとおり

「政府の行為に拠って再び戦争の惨禍が起こることのないやうに決意し、ここに主権が国民に国民に存ずることを宣言」するために明文化されたもの。

 つまり、戦争中はコレとは真逆のものがまかり通っていた事になる。 現在の憲法とは逆の価値観だった戦時中、最も苦しみを背負わされたのは人権、家族、友人、自由な考えなど人が人として生きていくため欠かせないものを奪われたこの国の人々でした。その反省から、国家<人の尊厳を明文化した憲法が生まれたというのが、僕の理解です。そういう意味で「国家」を自らのアイデンティティと捉える人たちが現行憲法をおもしろくない!というのもまぁ、わからなくもありません。

 
だけど、甘いよね。

 

 この国の憲法は国民に自由と生きる権利を保障するけど国民、かくあるべし!みたいな具体的なモデル像を提示しません。モデル像があったほうが何も考えずに生きていくだけでそっちのほうがラクなのに、現行の憲法はそれを僕らに許さない。ただ「貴方の幸せは、貴方のものでしかありません。だから自分で自分の幸せを考え、自立して生きなさい」と穏やかに語り、国に拠ることを許そうとしない。憲法改正派の人たちは現行憲法を「お花畑」などと揶揄したりしますけれどそんなことありません。むしろ逆で、「国家から自立なさい」と語っているように思えるのです。

 

 いやほんとにこの国の憲法って考え方によっては国民を甘やかさない厳しい憲法だと思う。以下のマンガは自民党のホームページ経由でダウンロードできる日本国憲法改憲についてのマンガだけどもツッコミどころ満載。全編ざっと読んでほんとくそつまんねーマンガで、これについては徹底的に批判したいんだけどここだけは今、ツッコませてもらいたい。

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※経済でも防衛でも喜んでアメリカに尻尾降ってる連中がどの面下げて?そもそも現行憲法GHQの押し付けだと言う人がいるけど、日本人の憲法学者などで集まって発足させた「憲法研究会」の憲法草案要綱GHQが参考に策定したのが現行憲法であって、そういう意味ではGHQって押し付け者っていうより監修者なんだけどもね。つまりこの憲法の押し付け論っておもに左派で集まった憲法研究会の草案が気に食わなくて、その経緯を無視しているだけ。

押し付け憲法論 - Wikipedia

  

この辺りを踏まえてやっと本題。

 

漫画に見る自民の「女性」の扱いのひどさ

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  物語の登場人物はどこか頼りなさげな夫、ささいなことですぐにキレる妻。物心ついたばかりの息子、それを諭すおじいちゃんとひいおじいちゃん。物語はとある休日の昼下がりにいきなりブチギレる妻の怒鳴り声からスタート。

 

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 でもって何の脈絡もない憲法論議に突入。そんな情緒不安定な妻をなだめるのが自分たちにとって都合のいい憲法=GHQの押し付け説だけを語り、さもそれを事実だといわんばかりにお説教を始める老害。自民お決まりの構図ってやつです。

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※実際には、日本人の憲法学者などが集まって発足した憲法研究会の憲法草案をベースに作ったという説もあるので、必ずしも押し付けではありません。このブログ記事のメインはこの漫画の批判なので憲法論についてはブログでコレ以上触れずそろそろ本題。

 

 さて。漫画の描写で気になる点を羅列していきましょう。

 

①曽祖父、祖父、夫、妻、息子で曾祖母、祖母、娘がいない。
②感情的にいきなりキレる無知な妻。
③それを諭す曽祖父。

 

 この3点を統合して考えていくと自民の考えている家族のビジョンとは女性というのは無知で感情的なために、男が威厳を持って女性を「教育」するべきっていうものなんだろう。また、この家族に娘がいないのは「女性は、跡取りを生むためだけの機械」であると思っているからじゃないのか?そういやちょうど今から10年ほど前に、こんなことを言っていた大臣がいましたっけ。

 

「15-50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」

 

柳澤伯夫 - Wikipedia

 

 その発言の後でひどく炎上したため、この人、見苦しくいいわけをしていたけれど、この漫画を見るかぎり「女性は子どもを生む機械」っていう考えって自民党の共通認識なんだろうと思わざるをえません。どちらにしても、この歪な家族構成を見るかぎり、この人たちの根底にあるのは男性優位な発想であることは間違いなさそうです。同様の指摘はこの18歳向け選挙啓発漫画でも当てはまります。

 

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 話は横道にずれるけれど、せっかくだからどんな漫画なのかみてみましょうか。まずパンフレットのタイトルがダメ。これは椎名軽穂センセの作品「君に届け」のパクリなんでしょうか?「君に届け」は寡黙なため、周囲から「コワイ」と誤解を受けているけれど誰より周囲に優しくて誠実な女の子「爽子」が自分自身の殻を破っていきながら、クラスの人気者男子「風早くん」との恋を育てていくプロセスがおっさんにはまぶしい少女漫画。その作品とパンフレットに掲載されているマンガを比べたら雲泥の差。
 

 冒頭からげんなりさせるクオリティにボルテージだだ下がりだけど、漫画のページを見てみましょう。では最初のページ。 

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「軽いノリじゃダメですか?」 

 

 ダメに決まってるだろう!と怒鳴りたくなるのを抑えてここで疑問。いや別に軽いノリでもいいんだけど、あんたら(自民)そういうわりにどこの選挙区も党員総動員じゃないっすか。学生のそんな軽いノリで、決められてもいいの?と思うとこの言動不一致さもよろしくありません。そういや僕が学生だった頃に、ある選挙区の演説で候補者が「〇〇を男にして下さい!!」とうるさく繰り返しており、その喧しさに腹を立てた友人が「男にして下さいって、お前童貞かよ!」と野次って周囲の爆笑を誘い、候補者を言葉に詰まらせたシーンを生で見ましたけど、その友人みたく会話において頭の回転が早くて機転が利く人材こそ政治家にふさわしいんだろうなと思います。

 

 いまソイツがナニをやっているか分からないだけに非常にもったいない。漫画本編ではこの遅刻少女を鼻で笑ういけ好かない少年が登場。この少年、地元の議員の息子だそうで。もう、こういうところにも鼻につく選民意識が漂っており、読者の反感を買うことは必定。政治家の息子で生徒会長=サブカルの世界観では「嫌われ者のデフォルト」だっていうことを知らないんでしょうか?

  

 次。さてさてそんな優等生で政治にも興味ありそうな生徒会長くん。同級生との帰宅時になにやら政治談議。

 

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「人口が減っていくと経済にも影響が…」
「僕たちも何かしなきゃね」

 

 なにこの薄さ。あんたらの世代だったら「教育の機会均等」とか「景気に左右される雇用」とかいった語るべきテーマも多くあるだろうに!そんな表面的な大人の口真似の政治議論なんて誰の心にも響かねぇって!せめて「そういやあの甘利って人、どうなった?」「よく分からないがテレビで見ないね」程度のことは言ってみろといいたい。こういった「自己批判」できる勇気と懐の広さを見せつけてやるのが政権与党の心意気だろ?って思うんだけどもそういうのをちっともやらない。そういうところに現政権の器の小ささが見えちゃっているので気をつけてもらいたい所です。
 

 そして物語のクライマックス。この人間性がな薄っぺらな生徒会長と仲良くなりたい女の子は一緒に選挙にいけば仲良くなれるチャンスだと思い、投票所にいこうと決意。そんでもって、選挙当日。このイヤミな生徒会長は主人公の女子に「誰に投票するかを決めた?テキトーに?」と変わらず偉そうな態度。女の子はその問いに「私なりに理念とか志とか調べたもん!」と頬を膨らませるけれど、義務教育の公民で習うことさえもろくに知らないバカ扱いをしてきた彼女にどんな理念が理解できるというのでしょう?

 

 先ほどの自民議員の「子どもを産む機械」発言や義務教育で得られる知識さえロクに理解できていないバカ扱いされた女子などを見てもやっぱり自民党は女性を男性よりも劣ると見下しているのは明らかであり、その態度は性差別を許さない日本国憲法の精神に反していると思うのですが、憲法の改正の動機にはおそらく女性が社会に進出したことで肩身が狭くなっている男の威厳を回復させるため女性に対して男性を優位に立たせたい!という、みっともない嫉妬めいた願望があるんじゃないか。少なくても僕はそう感じました。

 

個人の権利を嫌う自民 

 そしてここからがさらに重要。何度も言わせてもらいますけれど、自民党はともかく「個人の権利」をひどく嫌っています。

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 この老害どもが偉そうな態度で語っている主張は大ウソ。「公益=みんなの利益」だけを意味しません。公益とは「社会一般(大多数)の利益であり公共の福祉とは「お互いの自由と人権の公平性を保つための原理」も含んでいます。
 

公共の福祉=大多数の権利ではありません

 もしも、この公共の福祉が公益のみを意味するものだったらどうなるか。例えばあるコミュニティーで僕がヘビースモーカーだとします。20歳を超えた成人だったら僕にはタバコを吸う権利がありますが、その一方で僕の周辺には「タバコのにおいや煙がイヤなので、私の近くで吸わないでもらいたい」っていう人たちが大勢いて、僕みたいな喫煙派が少数だとする。公共の福祉が公益だったら僕のタバコを吸う権利が認められません。この場合、喫煙という行為は「大勢の利益に反するから」です。それとは逆に嫌煙家が少数派でヘビースモーカーが大勢な状況なら「タバコ吸われるのはイヤなのでやめてほしい」といえません。この場合「喫煙できる環境」こそ公益となるためです。
 

 このように両者の(幸せを求める権利)が対立する場合には、お互いの持つ権利を最大限尊重して解決策を模索する。上記のケースならオフィスに「分煙室」をつくるという妥協案あたりが現実的な解決策になるでしょう。この辺の議論はたいへん難しくて、現在でも多くの憲法学者が意見を戦わせています。ただどちらにしても公共の福祉=公益だと簡単に断言できる問題ではありません。

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 それをやってしまったら公共の福祉=公益=国(権力)の利益という三段論法も成り立つため、国は公益を理由にいくらでも国民に負担を強いることもできるようになる。そのため、この日本国憲法では「国より人の尊厳」という前提で作られているのです。
自民はこの個人の自由というものがキライなので、こんなメチャクチャなことをいってきます。

 

基本的人権があるからって何してもいいという話じゃない。
②今の日本の憲法はとっても個人主義
③日本じゃ、国の安全に反した行動もOKなの!?

だから、個人の自由は制限されるべきなのである。

 

・・・なにこのヒドい三段論法。

 

 つまり「個人の権利」をひどく嫌っている自民の改憲案っていうのは、個人主義が蔓延するとロクなことがない。だからこそ個人の権利を社会(国家)により制御する必要がある。個人の権利をうまく制御することで家族や地域、そしてさらにその延長上にある「国家」の威厳を回復できるといっている。そういう願いが根底にあるというのが僕の認識です。だけど、この個人の制御によって復活できる「国家」なんて女性というのは無知で感情的になりやすいため男性に「教育」される存在であり、「跡取りを生むためだけの機械」であることを堂々と語るだけでなく、公共の福祉=公益=国(権力)の利益という三段論法を成り立たせる事で公益を理由にいくらでも国民に負担を強いることを目的とするろくでもない国家だろうけど。

 

国に家族のあり方をどうこう言われたくない! 

 さらに次。自民党改憲案が重視するもののひとつに「家族」というのがあります。「婚姻」について定めている現行の第24条にわざわざ「家族」を付け加えて、「理想の家族」のあり方をくどくど書くくらいのこだわりです。

第24条(家族、婚姻等に関する基本原則)

 

①家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。

②婚姻は、両性の合意に基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

③家族、扶養、後見、婚姻及び離婚、財産権、相続並びに親族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

 お前らにわざわざ家族のあり方のモデルまでどうこう言われたくない!ってのが僕の感想だけど、なんでそこまで「家族」にこだわるのだろう?その答えは以下のコマにあります。

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改憲の根底にあるのは自分たち「七光り」の肯定 

※物語のクライマックスで語るのは「個人の自由の強調で女性が社会進出したための家族の絆の希薄さ」の嘆き。いい年の大人がほんと情けなくてみっともねぇ。

 

 自民党がやたら家族を強調する理由。それは自民の議員たちって誇れるものが「家族」だけだからじゃない?以下のサイトによると自民の議員の4割が世襲安倍内閣にいたってはなんと5割が世襲だそうな。

 

blogos.com

 

 この「権力を握る人たち」が議員になれたのはいうまでもなく親や祖父母の七光り。つまり、自分の力ではない。従ってこの人たちのアイデンティティーは嘗て、この国の権力を握っていた家族や親戚。だからこそ、現在の自民党議員にとって「家族の絆」というものの否定は自分たちのアイデンティティーの否定に他ならないから「家族」の重みを復権させたいのじゃないだろうか。違う?

 

日本国憲法って長々書いてきた通り、国民に国家との同一感に甘えるな!あなたの幸せはあなたで責任を持て!と語っている厳しい憲法だよ。これをできない奴らが改憲についてどうこういうな!

 

constitution.jimin.jp

 

 これ読んでみたらドン引き。

 

FC東京サポのいう「戦う」って、誰と何に対して戦ってるという意味なのかを知りたい 

こんにちは。

以前、FC東京についてこんなブログを書きました。

 

arrow1953.hatenablog.com

 

この記事については賛否両論で、サポーターっぽい人達にはそうとう頭にくる記事だったみたいだけど、現在も僕はFC東京から距離を置いています。万年中位だったFC東京を昨年4位に躍進させたイタリアのマッシモ・フィッカデンティ監督退任後、城福浩監督が就任。監督交代でイタリアのセリエA仕込みの戦略的な守備から、縦横無尽のパス交換による攻撃的な戦術に変更した今シーズンは性質も全く異るため序盤はまた中位になると思ってました。でも、たとえ中位になっても2つの戦略を融合させるのは難しいことなのでそれはやむを得ない。サポーターとしてはそこはだまって選手の戦いをみていこうと思っていたけれど、東京は現在11位。攻撃的なサッカーを標榜する割には15得点18失点の−3点。ちなみに昨年の1stでは2位で24得点18失点の+6点。流れるような美しいボールのパス交換もなく、まったく得点もできない。チーム失点数はほぼ同じだけど、以前と比べて詰将棋みたいな戦術性のある守備でもない。

実際に戦っている選手たちも監督も勝ちたいと思っているはず。だけどもその結果が伴わない。昨年の成績を思うとさぞや辛い心境なのでしょう。そんな彼らに罵声やブーイングを浴びせる気にはなれないだけでなく、そういうのも聴きたくない。かといってチームを結果的にめちゃくちゃにしたバカなフロントを許せない。そういった感情が渦巻くので距離を置きたいのです。

最近はJリーグの試合後、上の記事にアクセスする方も増えています。検索ワードを調べてみると

FC東京 城福 解任
FC東京 魅力ない

などのネガティブなものが多かったので気になってチームの掲示板をのぞいたところ、監督の悪口のオンパレードだったので僕もいやな気分になりました。

現在のFC東京には魅力を感じないのでサポーターを辞めたい。そう愚痴を漏らしたら同僚に「辛い時こそ共に戦うのがサポーター」などとエラそうにいわれたんですけど 監督の悪口いうのがあなた達のいう「共に戦う」なのか? そんなに城福監督がイヤだったら、なんで監督の交代を受け入れたんだ?と思うのです。

僕はマッシモ監督の続投派だったので今も今回の監督交代に納得いっていません。フロントの決定事項なので、もうどうにもできない。だったらその決定を見守ろうと思っていました。だけど考えたらコレって「戦い」を放棄していただけだった。そんなに納得いかないんだったら、僕も署名でもなんでも行動するべきでした。

サポーターも監督の交代を知った時点で、「城福監督でチームが強くなるとは思えない。そのフロントの一方的な決定には承服できないので観戦をボイコットさせてもらう」ぐらいのことをいって味スタをガラガラにしてやるぐらいのことはやれた筈なのです。

はっきりいわせてもらえば現在、ブーイングしている人たちの多くも城福監督就任を間接的に承諾したのです。監督や選手はオファーを受けてチームに合流して、結果を出すため努力しているだけの話。そんな人たちにブーイングだの辞めろだのきたなくて乱暴なことばを浴びせている人たちにもチームを停滞させた責任はある。もちろん僕にもある。そこに目を向けずフィールドで戦っている人たちを罵倒するのはあまりにも無責任じゃないでしょうか。FC東京って、いいチームだなと思いながらその「いいチーム」を守るため、バカなフロントに異議を唱えて戦わなかった。だから僕はサポーターじゃなく「にわかなファン」でいい。

FC東京サポーターを名乗る人たちに僕は聞いてみたい。ふだん、あなたたちの語る「戦う」とは誰となにに対しての戦いですか?と

 

※クラブ弱体化の責任はサポーターにもあると思っているけどそれをどうとるべきかはまた、難しい問題なんだろうな。

「日本すごい」「日本人を褒めろ!」という愛国ポルノにうんざり。

こんにちは。

 本日のブログのテーマはたまたま電車に乗っていた時、目に入ったこの雑誌の表紙。

 

 

日本すごい」のキモさにうんざり 

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日本語と日本文化が世界を平和にする。
なぜ日本人は毎年ノーベル賞をとれるのか。

 

 よくもまぁここまで臆面もなく自分たち日本人はすごい!といえるもんだ。筋肉少女帯のCD「日本印度化計画」より質の低いジョークだし、読者がジョークとか思わず本気でこの記事を受け取っていたら笑い話にもなりません。最近はテレビでも「こんなに辺境な海外にいる日本人!」みたいな番組が増えてきて僕自身、うんざりだけども考えてみたらあの手の番組って国の経済や政治事情が思わしくない外国にわざわざ出向き、そこで現地のために長年活動している日本人をフィーチャーするというのが基本構成。だけどこういうのがウケるっていうのはたぶん、僕らの心の奥に「先進国である俺達日本人の仲間が、あなた達みたいな貧乏で政治・経済が不安定な国のため活動しているのをありがたく思え!」という思い上がりがあるためだろうと思います。

 

日本すごい!」の横柄さにうんざり

 日本スゴイ!の自画自賛番組もひどいけど更には以下のようなひどい番組も。

 

www.tbs.co.jp

 

 世界各国に広まっている「ニセクールジャパン」「ニセ日本文化」を本場の第一人者が成敗!!つまり海外に広まり、異なる形となった日本文化を日本人があざ笑うという番組。先日アフリカのモロッコで日本のものと異なる剣道を教えている先生のところに日本の有段者が道場を訪ね、この先生をメタクソにするという企画があったそうな。日本自体が中国などを含むアジア圏、明治〜戦後はアメリカの文化を亜流に変化させてきた歴史を持つくせに海外の「ニセ日本文化」とやらを笑う資格がそもそもあるか?と。また、文化というものは互いに混合し合い、新たな形になって互いを高め合う事だってある。もし本来ある原型だけを認めるというならアメリカに「ニンジャ」を広めたショー・コスギや、物理的法則お構いなしな忍者漫画「NARUTO」の作者もニセモノの日本文化伝承者だ!になる。僕自身、合気道という日本文化?(この?の意味はいずれ書きます)に30数年ほど続けているので自分なりにこの国の風土の育てた文化に愛着を持っており、自分達の知る原型と異なった海外の日本文化を目にする時はやはり戸惑い、思うこともあるでしょう。だけど文化というのは生活習慣や風習によって育つもののため他国では形も異なっていきます。情報や人材が国境を越えて凄まじい早さで行き交う現在、僕らは自分たちの文化の固有性にこだわるか?原型とは異なる形になった文化を認め、楽しめる懐の広さを育てるか?のどちらかを選ぶだろうけれど発展的でかつ建設的なのは後者だと僕は思っており、わざわざ他国に出かけて日本と異なる形に発展した文化を笑いものにするのは極めて無礼な振舞いと言わざるを得ません。

 

日本すごい」≠「俺すごい」の思考にうんざり

 このような雑誌やテレビなどの「日本人フィーチャー」特集がそれなりに売れているとしたら、それはこの国全体がみんなで虚勢を張っていることの証左だろうなと僕は思うのです。まだ日本が好景気だった80年代、僕らは「経済」というものに自信や誇りみたいな感情をもっていました。「経済大国ニッポン」という響きには子どもだった僕もなんとなくだけど「自分も経済大国の一員。つまりお金持ちで勢いのある国の子ども」なんだなと思っていた時期もありました。たぶん多くの大人たちもそうだったんでしょう。だけど90年代になってからこの日本の経済=日本人の誇りの拠り所はどん底になって、今でもなお低迷中。日本人が経済に誇りを持てなくなっている現在、次にこの国の歴史や文化というモノに自分の自信の根拠を求める人が増えているように思えてなりませんがくだらねぇ。そんな他人の褌で相撲をとる人生なんてまっぴらごめんだ。だから現在の政府や保守を名乗る人たちが語る「この国に自信が持てる、自信をもとう」といった言説が、俺は大キライ。こういう馬鹿な奴らが「日本スゴイ!」「日本人を褒めろ」と叫ぶ「愛国ポルノ」を世間に広めることでこの国の足を引っ張っているのが本当に腹立たしい。

 

 こういった愛国ポルノなどを通じて「誇りと自信を持てる国を作ろう!」なんていうのは自分にとって大きなお世話なんだけど、僕はそもそもこの国の何について「誇りと自信」を持てというのかピンときません。この国の歴史か?文化か?現在に生きる何らかの偉業を成し遂げた人物の存在か?どれでもいいんだけどそれらが他国の賞賛を受けるほど素晴らしくても、そうでなくても「だからナニ?」って感じです。他人の物語にのっかることで手にするプライドなんて、みっともないったらありゃしない。それってなんの取り柄も持たないさえないヤツが自宅の家系図を持ってきて、自分の家柄を偉そうに自慢して周囲から失笑されるのに似ている。周囲はそういう人たちにこう問いかけるでしょう「ふーん、家柄スゴイんだ。そんで、アナタ自身はどこがスゴイの?」と。ポルノというからには興奮させてほしいんだけど僕、インポテンツなんすかね?

 

日本すごい」という自画自賛の先にある衰退 

 人生におけるエクスタシーっていうのは自分の人生の中にのみある。「愛国」に踊らされて、ふと気づいたらその「誇るべき国のため」という大義で国に財産や生命を搾取されても不満を抱かない、誇りなき家畜になり下がるよりもぜんぜんマシだ。権力が「誇り」などという力強い単語を口にするときは、国が国民を「国家」を維持するためのコマにしてやろうと目論んでいる傾向が強いのは古今東西の歴史が物語っています。 どうぞご注意を。


 

 他人に同化する仲間意識より、どこにも交わることのない自分自身の「芯」というものが僕は欲しかった。他人に寄りかかる事で得られる自分への自信より、誰とも違うことのできる自分を手にしたかった。現在でもその欲求は滾っており、未だ手放せません。自他ともに認める「いい年した中二病」です。だけど。小さな自分のプライドのために他人を貶めたり、他人の成功や功績を同化させて自分のプライドを保ったり、歴史を自分の都合のいいように捏造しなきゃ自分を保てない人たちよりはマシだ。今後もブレることなく中二病でありたい。

  

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※日本人リスペクトのメディア情報を単純に喜ぶ人にいってやる!

 「お前ら病んでるぜ」。そして現実ってこんなもんだよと自覚すべき。

www.stay-minimal.com

 

toyokeizai.net

 

日本なんてすごくなくていい。それでも胸を張って生きていけ!って啓蒙するのが本来大人の役目なんだけど、大人がそれに浮かれているっていうのが情けないわ。

学生の頃、就職活動で企業に賄賂を贈ったらこうなった

こんにちは。

 

先日から続いている就職活動の面接編。

 

arrow1953.hatenablog.com

 

 

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結果はどうあれ面接の機会を得るためには

エントリーシートで目に留まらなきゃダメ。

ってなことで、本日の記事テーマは

エントリーシート。ぶっちゃけ

以前書いた記事のリライトになります。

この記事を書いた頃はまだそんなに

読者も多くなかったので、読者が増えたら

またあらためて書いてみたい話でした。

昔からこのブログを読んでくださっている人は

「その話だったら知ってる」というエピソードだけど

なにとぞ、ご容赦を。

 

さて本題。

僕が学生だった頃は日本は真っ只中の不況で

多くの企業が新卒採用を渋ったため、

就職氷河期などとも言われていました。

学生の殆どが不安を抱えながら

企業を回り、履歴書を書いて面接に挑むなか

映像業界だけに就職先を絞っていた僕は

正社員採用でひっかからなきゃ

アルバイトからという道もあるさと

周囲も呆れるほどのんきでした。

秋から始まる採用に備え、

春と夏の間はてきとうな企業を受けて

リハーサルでもしておこう!

みたいなノリで面接を受けたり、履歴書を書いたり。

その中でも僕が好んで受けていたのは

自由記述欄、つまり「エントリーシート」を

重視するという企業。会社のホームページに

 

エントリーシートは皆さんから私達に向けられた

ラブレターです。どうぞ皆さんの個性をぶつけて下さい。

とか書いてあった会社を率先して受けました。

 

会社に受かるためではなく、勝負するために。

 

どういうことかっていうと僕自身は昔から個性を

「人とは交わらないオリジナリティ」と定義しており

 

会社の面接やこういう書類は、僕にとって

「人間の個性」がどうこうと語っている連中に

他の人たちが絶対やらないこと、思いつかないことを

相手にぶつけてその反応を確かめるための

思考実験を行える、絶好の機会だったのです。

 

shukatsu-news.jp

daikore.com

 

現在でもエントリーシートの「自由記述欄」に

何を書くべきかは多くの意見があるけど、

記述もイラストも誰かがやっているので

本当の個性とは言えません。20年近く前の僕は

誰もがやらない事を追求してこそ、真の「個性」と

本気で考えた結論として自由記述の枠に

大きな矢印をひいて「賄賂」と書き

当時の僕にとっては大金の一万円を

のりで貼って企業に贈ってみたのです。

 

※ついでにいうとこの頃の日本では多くの企業が

食品偽装やお金に絡む不正を行っていた事が

社会問題にもなっていたので、その空気を

この手で風刺してやりたいという思いもあったりした。

 

 

さてさて、企業はどう出るか。

 

結果:不採用の通知のみで、

お金も戻ってこない結果に。

 

せめて領収書くらい送ってほしかった。

 

googleで調べてみたけど現在も

エントリーシートにお金を貼って贈った

学生はあまりいないようなので、

今やったら案外、うかったりしてな。

   

 

 

※だから現在はマジメな社会人やってるって

「出張ホスト」は経験的に最もお金を稼げるアルバイトだった

こんにちは。

 先日から学生の頃の就職活動についてブログ記事を書き続けているけど、皆さんこのエピソードを面白がってくれているのか、地味ながら読者も増えてきました。

 

arrow1953.hatenablog.com

  

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 こういったエピソードでよけりゃいくらだってありますので紹介させてもらいます。本日は社会人編。昨日もブログ記事で書いたけども、僕の本職は東京や日本各地を回ってLANネットワークの構築などを請け負っているネットワーク屋です。前職はアニメ制作だったり、タウン新聞の社員ライターやフリーライターをやったり、まぁ根無し草だった時期も長くありました。その頃に多くの職業を経験させてもらい、そういった経験が現在の業務に活きているのか?といったら微妙ではあるんだけど「社会人」としての足腰を鍛えてくれたんだな、という実感だけはある。そんな幾つかのお仕事でも印象に残るのは短期間だけ体験できた「出張ホスト」でしょうか。

 

 このお仕事のきっかけになったのはフリーライター時代に執筆したあるインタビュー記事。30歳前後だった頃に東京を取材エリアとするフリーペーパーでライターを務めた僕は都内でユニークな仕事に就いている人の取材記事を担当。そこで出会ったコンパニオン派遣の社長さんにお誘いを受けたのです。その会社では女性企業家対象のセミナーの後などに行う懇親会専門の男性コンパニオン派遣を行っていて、どうせだったら取材を兼ねてあなたもやってみたら?というお話に。同時にその会社には若くてキラキラした男性しかいないので、もっと地味目の文系なキャラが欲しいともいっていて、そんな僕はその風貌もピッタリだったそうな。

 

 んでもって取材当日。その社長に「AMちゃんにも源氏名あげる」といわれたので、どんな源氏名なんだろうと思っていたら「ダザイ(太宰)ちゃんかオウガイ(鴎外)くん、どっちがいい?」と、社長は僕の想像を超えるものを提案。僕は「できたらハルキくんとかヒトナリくんがいい」といってみたところ、その社長は「村上春樹辻仁成キライ!!」とにべもない回答。しょうがないので僕の心の底にある自虐のナルシシズムをくすぐるダザイちゃんを選んで、いざ実践とあいなりました。

 

 出張ホスト(コンパニオン)になり「ダザイちゃん」という源氏名をもらった僕は女性社長たちの集うセミナー後の懇親会へ。周囲にいた男性コンパニオンはグラスの空いた女性を見つけては手にボトルを持ってお酌しに回っていました。僕はというと気楽に料理をつまみ、お酒を飲みながら話を聞いているだけだったけど、懇親会の出席者に誰とも交わることもせずにひとりでお酒を飲んでいる女性を発見。せっかくの取材なんだからホストっぽいことのひとつもやろうと声をかけてみたのです。

 

 女性は当時50代で、30代前半の頃に周囲の反対を押し切り会社を設立。多くの苦難をのりこえて年商10億近くまで会社を育ててきたのよと僕に語ってくれました。年商10億っていうのはすごいのかどうか僕にもわかりませんけれど。そしてその女性は、自嘲気味にこう笑いました。

 

「30代から遊びたいのを我慢して女だということを忘れて働いてきた。その努力のおかげでお金に困る事がない今がある。だけど、もっと『女』を満喫したかった。自分はそんな後悔をどこかで引きずっているからいい年して、こういう場所で張り切ってつい、着飾っちゃう。みっともなくて情けなくて笑っちゃう。」

 

 そんなことをいってため息ついていたので励ましてあげようと思い、僕は即興でこう言いました。

 

「みっともないとは僕、思いません。この世に生まれてきた女性は誰でも自らの美を保って守る義務と権利があります。ご自身の『美』にこだわりを持つ事は女性である貴女の義務でもあり権利なんです!」 

 

 このセリフのポイントは権利の後に義務という単語を持ってくること。そうすることで「あなたの気持ちは女性の義務なんだから恥ずかしい事じゃない」と女性の些細な女心を全面的に肯定できるから。コレは即興のセリフだけれど、アドリブながらよくできたなと今も思っています。実際に取材に誘った女社長も「あんたそのセリフをアドリブでいえるんならとんでもない才能だわ!」と僕をベタ褒めしていました。

 

 さて。僕にそういわれた女性は「そんなことを男の人に言われたのは初めてよ!」と僕を抱きしめて左右に強く揺さぶってきたので、僕はその衝撃を受けながら「適当な発言にそこまで感動されてもなぁ」とただただ困惑。その後、その女性からの直接のお誘いで一度歌舞伎か宝塚を一緒に観にいき、ディナーをごちそうになっただけでなくおこづかいも3万円いただきました。あ、こりゃいい商売だなとも思ったけれどその数日後「マジっぽい」メールを貰ったことで後々、めんどうなことになるだろうなと思い、そのコンパニオン会社の社長に相談後、女性に教えていたフリーメールを廃棄。

※今思うと僕も迂闊だった。

 

 携帯の電話番号は教えていなかったのでその後その女性はどうなったか。また、その派遣コンパニオンの会社もどうなったかわかりません。ただ、いくら口がうまくても性格的に僕はホストにはなれなかったとは思う。